消費税増税で税収は増えるのか?/花づな列島復興のためのメモ(91)
「社会保障と税の一体改革」をめぐって、政権与党が分裂しようとしている。
野田総理が、政権交代前の街頭演説で、「マニフェストに、書いてあることは命懸けで実行する。書いてないことはやらないんです」といっているYouTubeが評判のようであるが、実際は、書いていない消費税の方はしっかり決め、マニフェストに書いてある年金改革は先送りである。
財政再建が喫緊の課題といっても、スジが通らない。
大メディアは、増税反対を唱える小沢氏グループに非があるような論調が多いが、それでいいのだろうか。
地方紙に増税反対論が少なからずあるのと対照的である。
⇒2012年6月18日 (月):消費税と政界再編成/花づな列島復興のためのメモ(88)
素朴な疑問が、消費税率を上げれば、本当に税収が上がるのだろうか、という点である。
GDPの分配は、下図に示されるとおりである。
http://www.gci-klug.jp/mitsuhashi/2011/10/11/013969.php
つまり、GDPは税と国民の可処分所得の合計である。
当然、税収とGDPの間には強い相関がある。
http://diamond.jp/articles/print/15804
したがって、GDPが同じならば、税率を上げれば税収は上がる。
政府は、消費税を5%上げることにより約13兆円の税収増になるとしているが、増税にはGDPにとってはマイナスの効果を持つと考えられるから、それを考慮に入れないというのは不思議である。
もし、意識的に除外しているとすれば、詐欺に近い。
あるいは、福島第一原発事故を、「収束した」というようなものであろう。
シンプルに考えれば、税率が上がれば可処分所得が減る。
一般の国民は、可処分所得が減った分、投資的な支出は当然、消費も減らすことで凌ごうとするだろう。
なおかつ「社会保障と税の一体改革」というものの、社会保障の内容が不確定であれば、先ずはできるだけ生活を切り詰めて、貯蓄ということになるのが自然である。
つまり、それだけモノやサービスが売れなくなる。
ということは、結局GDPは縮小するのではないか。
経団連などが、GDP縮小の旗振りに賛成だというのが解せない。
そして、GDPが縮小すれば、上図にみるように、基礎的財政収支も低下し、財政再建どころか財政はますます悪化するのではないか。
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