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2012年6月10日 (日)

政権は自民党野田派か?/花づな列島復興のためのメモ(82)

「政治生命を賭ける」といっている消費税増税に向かって、野田首相は全力を尽くして(なりふり構わずと言う方が妥当か?)、今国会での成立を目指しているようである。
そのために、「反対」の意思表示を明らかにしている小沢元代表と会談もし、内閣改造も行って、自民党に擦り寄っている。
⇒2012年6月 4日 (月):乾坤一擲の覚悟で自民党に擦り寄る野田首相を嗤う/花づな列島復興のためのメモ(76)

しかし、民主党の政権公約(マニフェスト)など無関係という態度には、2009年の政権交代総選挙で民主党に票を投じた多くの国民を裏切るものであろう。
⇒2012年5月31日 (木):野田首相に理はあるか/花づな列島復興のためのメモ(75)
⇒2012年6月 5日 (火):「なし崩し」に壊れていく「国のかたち」/花づな列島復興のためのメモ(77)
⇒2012年6月 7日 (木):何のための政権交代か?/花づな列島復興のためのメモ(79)
⇒2012年6月 8日 (金):政権に正統性、正当性はない/花づな列島復興のためのメモ(80)

私は一連の流れを見ていて、野田政権は、もはや姿を変えた自民党政権政権ではないかと思う。
内閣改造人事も、もっぱら自民党との協議を進めることが目的のようだ。

 野田佳彦首相は4日、官邸で記者会見し、第2次改造内閣の閣僚名簿を発表した。5閣僚を交代させ、防衛相に防衛庁長官時代を含め民間から初めて森本敏拓殖大大学院教授を起用した。首相は消費税増税関連法案の今国会成立に向け「自民党と協議し成案を得るのが一番重要だ」と述べ、自民党との修正協議を最優先させる考えを表明。谷垣禎一自民党総裁との会談にも「どこかの段階で必ずやらなければならない」と強い意欲を示した。
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120605/plc12060500500005-n1.htm

これでは、消費税増税のための環境を整えるための内閣改造だと言っているようなものである。
自民党の谷垣総裁は、わが意を得たといった感じである。

 自民党の谷垣禎一総裁は三日のNHK番組で、野田佳彦首相の内閣改造方針を「即刻やってもらわねばならない」と評価、首相との党首会談に関しても「困難な課題で与野党党首が会談することは否定すべきものでない」と述べ、応じる意向を示した。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2012060402000106.html

民主党代表選で野田首相を選択した民主党の国会議員たちはどう考えているのだろうか?
私には選挙権もないが、ポスト菅は選挙管理内閣であるべきだという考えから、民主党代表選挙自体に余り関心を持つことができなかった。
⇒2011年8月26日 (金):民主党代表選の虚しき狂騒

菅前首相の「私は未だ仮免」という発言が物議を醸したことがあったが、民主党政権自体が仮免だったのだと思う。
⇒2011年8月31日 (水):仮免だったのは、菅(前)首相か民主党政権か

大飯原発再稼働の「判断」をみても、野田首相にはおよそ「理念」というものが伝わってこない。
「理念」はドジョウには似合わないと考えているのだろうか?
⇒2011年9月10日 (土):「閣内てんでんこ」の野田ドジョウ政権と言葉の力

改造人事で意外感があったのは、防衛相の森本敏拓殖大大学院教授だろうが、森本氏は民主党の防衛政策を批判してきた人である。
野田首相は、民主党の政権公約よりも自民党の主張が正しいと言っているようなものである。
これでは政権交代を期して民主党に票を投じた人は詐欺にあったようなものである。

思えば野田氏を選出した民主党代表選において、菅前首相が、代表戦を西南戦争にたとえたことがあった。⇒2010年9月 3日 (金):民主党代表戦と西南戦争/「同じ」と「違う」(20)

要は、宿敵の小沢一郎氏を西郷隆盛に擬し、「明治維新(すなわち政権交代)に功はあったが、結局西南戦争に敗れて消えた」と言いたかったようだ。
検察が起訴できず、検察審査会による強制起訴で裁判化し、その裁判で無罪がでたら、検察官役の弁護士が控訴するというとても法治国家とはいえない方策を講じてまでも、消費税に反対する小沢氏を被告状態にしておくことの背後に、どのような権力が存在するのか?
⇒2012年5月11日 (金):小沢裁判控訴の狙いは?/花づな列島復興のためのメモ(64)

弁護士が検事の諦めた事件の被告を執念を持って有罪にしようということは不思議な構図である。
それはともかく、本当に西郷は消えたのか?
鹿児島大学病院霧島リハビリテーションセンターに入院し、久しぶりに鹿児島を訪れた。
鹿児島における西郷人気は決して衰えていないようである。

それどころか、意外なところから「西郷再評価論」が出ていることを知った。
上田篤『小国大輝論-西郷隆盛と縄文の魂』藤原書店(1205)である。
上田氏は建築・地域計画の大家であるが、阪神淡路大震災に遭遇して、「人生が変わった」という。
そして、東北大震災である。
未だ購入したばかりで読了していないが、この碩学が何を語るか大いに期待したい。

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