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2012年6月17日 (日)

政党のアイデンティティを徴表するもの/花づな列島復興のためのメモ(87)

今日放映された『たかじんのそこまで言って委員会』は、時宜を得た企画であった。
ゲストに、上祐史浩・ひかりの輪代表と、映画監督の若松孝二氏を迎え、オウム真理教と三島由紀夫の自衛隊事件を取り上げ、その意味を、現在(特に大震災後)の時点でどう考えるかを問うた。
http://www.ytv.co.jp/takajin/

テロやクーデターなどの暴力的手段によらないで、社会変革は可能なのか?
今の日本の政治は、政党を基本としている。
国政選挙は政党間の争いとして行われ、多数の国民の支持を得た政党が内閣を組織する。

であるからには、有権者である国民の意識が一番重要になる。
しかし、一般の国民には、政党間の差違が分かりにくくなっている。
折しも、社会保障と税の一体改革に関する民自公の修正協議が合意したところである。

合意したにしても、別の政党である。
それぞれの政党の本質がどこにあり、どう違うか?
修正協議の過程で、民主党は揺れ続け、なお党分裂の可能性を秘めているといわれている。
民主党という政党のアイデンティティはどう考えたらいいのだろうか?

また、政権交代によって、何が変わったのかということも改めて問われる事態となってもいる。
政党でなければ、比例区へ立候補できないし、政党交付金もないなど、政治活動は大きな制約を受ける。
そもそも、政党であるための要件は何か?

政治資金規正法上の政党要件は以下の通りである。

1.国会議員が5人以上所属する
2.直近の衆院選または参院選で、選挙区か比例代表の選挙で有効投票総数の2%以上の得票がある―のいずれかを満たす

公職選挙法にも同様の規定がある。
政党と認められると、企業・団体献金を受け取ることができる。党公認候補が小選挙区選挙に出た場合、はがきやビラの枚数で優遇されるほか、政見放送を利用できる。

http://note.masm.jp/%C0%AF%C5%DE%CD%D7%B7%EF/

政党のアイデンティティは、一般に綱領として取り纏められている。
綱領とは以下のようなものである。

一般に政治組織・党派の目的とそれに至る筋道を定めた文書をいう。政治組織はみずからの存在理由と趣旨とを簡潔に表現した文章をもつことが多い。歴史的には体制変革をめざす政党,とりわけ科学的社会主義をかかげる政党が緻密な党綱領を作成し,これによって党建設を行ってきた。これに対し保守主義政党や非宗教的中間政党のように特定の世界観を基礎としていない場合には,一般的かつ抽象的な綱領をもつにとどまることが多い。国際的には,マルクスの《共産党宣言》(1848)が共産主義者同盟の綱領草案として有名であるが,ドイツ労働運動ではゴータ綱領(1875)やエルフルト綱領(1891)といった文書が採択された。・・・
http://kotobank.jp/word/%E7%B6%B1%E9%A0%98

たとえば、自民党は平成22年に新綱領を定めているが、その中に以下のような文言がある。

 綱領はいわば政党の憲法です。憲法があるから、具体的な法律や予算ができあがり、行政が執行され、日常生活が動きます。それと同じように、新綱領の精神を基本に執行部が適格な党運営をし、党員がその基本的考えを共有して選挙で国民の信を問うことが大切です。綱領なき政党は、政党として不完全と言わざるを得ません。
http://www.jimin.jp/activity/colum/112332.html

それでは、民主党の綱領はどうなっているか?

 民主党は22日の常任幹事会で、策定を進めている党綱領について、平成10年の結党時に「民主中道」の政治路線を掲げて定めた「基本理念」を部分改定し、綱領に充てることを決めた。党内では外交や経済政策で意見対立が大きいため、ゼロから綱領を練り上げることは断念した。
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/app/weblog/post?__mode=edit_entry&id=80299508&blog_id=405618

つまり正式に綱領と銘打った文書はない。
自民党の上記表現は、綱領なき民主党へのアテツケとも言える。
⇒2011年8月24日 (水):綱領なくして漂流する民主党の出口戦略を問う
綱領が定められていない理由は、「外交や経済政策で意見対立が大きい」からであるとされる。
経済政策については、消費税増税への姿勢等にも表れているが、これで果たして政党と言えるのであろうか?

政治評論家の森田実氏は次のように言う。

 民主党には「綱領」がない。綱領は政党の「本」である。民主主義国において綱領ももたない政党が政権をとるというのはきわめてめずらしいことである。
 政党とは、共通の政治理念をもつ政治家の同志的集団であり、政治権力をめざし、政治権力を通じて自らの政党の政治理念を国民社会の上に実現することを目的とする集団である。したがって、政党には、政治理念を実現すべき政治目標を示す「綱領」と組織の規律を定めた規約がある。この二つの基本文書があって初めて政党らしい政党になるのである。

http://www.asyura2.com/10/senkyo88/msg/541.html

「綱領ももたない政党が政権をとるというのはきわめてめずらしいことである」ということであるが、それだけ人心は自民党政治に倦んでいたということである。
民主党に愛想を尽かしても、支持は自民党に戻っていないことは、両党の支持率の低迷が裏書きしている。
綱領はないにしても、マニフェストは掲げられた。
Wikipediaでは、マニフェストを、「個人または団体が方針や意図を多数者に向かって知らせるための演説や文書」としているので、綱領類似あるいは綱領代替文書と考えられる。

同時多発テロ時に、米国のアーミテージ国務副長官が柳井駐米大使(当時)に「ショー・ザ・フラッグ」と発言した。
つまり、旗幟鮮明にしろ、ということであろう。
綱領もマニフェストも、この旗幟ということであろう。
修正協議の過程で、民主党の長妻氏らが、「マニフェストの旗は降ろしませんから」と粘ったのは、そういうことではないのか?

しかし、今や民主党は綱領も定めず(定められず)、マニフェストも放棄した。
何をもって、どうアイデンティティを示そうというのだろうか?
そして、にもかかわらず政党の受ける特典だけは享受しようというのだろうか?

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