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2012年6月 8日 (金)

政権に正統性、正当性はない/花づな列島復興のためのメモ(80)

茶番と言うべきであろう。
野田首相が、「大飯原発再稼働が私の判断だ」と明言した。

 野田首相は8日夕、官邸で記者会見し、関西電力大飯原発3、4号機について「国民生活を守るため、再稼働すべきだというのが私の判断だ」と表明した。「今原発を止めてしまっては日本の社会は立ち行かない」と指摘、橋下大阪市長らが求めている夏季限定の再稼働は「国民生活は守れない」と否定した。
 同時に「関西を支えてきたのが(原発立地の)福井県とおおい町だ。敬意と感謝の念を新たにしなければならない」と強調。安全監視体制の強化に取り組んできたとして「東京電力福島第1原発事故の時のような地震や津波が起きても事故は防止できる」と自信を示した。
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2012060801002057.html

判断するのは勝手だが、およそロジカルとは言い難い判断と言わざるを得ない。
政府事故調も国会事故調も事情聴取の最中である。

 東京電力福島第1原発事故で、政府の事故調査・検証委員会(委員長・畑村洋太郎東大名誉教授)は8日、福島県庁で佐藤雄平知事から原発事故への県の対応などについて事情を聴いた。
(2012/06/08-18:41)

http://jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2012060800871

 東京電力の清水正孝前社長が8日、国会が設置した福島第1原発事故調査委員会(黒川清委員長)に参考人として出席し、事故が深刻化する中、原発からの全面撤退を政府に申し出たとされる問題について「緊急時に対応する人を残すという意味だった。『全員』とか『撤退』とは、まったく申し上げていない」と否定した。
(06/08 17:50)

http://www.hokkaido-np.co.jp/news/dogai/378714.html

政府事故調、国会事故調の最終報告も待たないで、「東京電力福島第1原発事故の時のような地震や津波が起きても事故は防止できる」ということが、どうして自信を持って言えるのか。
不思議な精神構造である。
再稼働ありきで、盲目状態になっているとしか思えない。

あるいは、フクシマ原発事故は過去のこと、という認識だろうか?
⇒2011年12月17日 (土):フクシマは「収束」したのか?/原発事故の真相(14)
⇒2012年3月14日 (水):冷温停止「状態」とは?/原発事故の真相(20)
⇒2012年3月28日 (水):冷温停止の大本営発表/原発事故の真相(22)

事故から何も学ばない、というような固い決意があるようでもある。
16万人が未だに避難生活を余儀なくされているにもかかわらず、である。
これを「失敗の本質」と言わずして、他に何があるというのであろうか。

記者会見では、政府自身が安全基準は暫定的と認めている。
にもかかわらず、再稼働に動くとは理解できない。
しかも、稼働は、需給ギャップが生じるとされる夏季に限定するものではないとも言う。
結局、原子力ムラの代弁者に過ぎない。

野田首相は、消費税増税についても、自公との修正協議を経て15日には成案を得るつもりだという。
消費税増税も大飯原発再稼働も、見切り発車ということであろうか?
国論が分かれている重要なテーマを、なし崩しに実現しようということだろうか?
⇒2012年5月31日 (木):野田首相に理はあるか/花づな列島復興のためのメモ(75)
⇒2012年6月 4日 (月):乾坤一擲の覚悟で自民党に擦り寄る野田首相を嗤う/花づな列島復興のためのメモ(76)
⇒2012年6月 5日 (火):「なし崩し」に壊れていく「国のかたち」/花づな列島復興のためのメモ(77)
⇒2012年6月 7日 (木):何のための政権交代か?/花づな列島復興のためのメモ(79)

そもそも、野田政権には正統性があるのだろうか?
6月3日付の東京新聞社説を参照する。

 よく知られているように、野田首相は二〇〇九年の総選挙で「消費税を上げる前に天下り法人に巣くったシロアリ退治が必要」と訴えていました。インターネットで「野田、シロアリ」と検索すれば、街頭演説でそう力説する姿が出てきます。
 天下り根絶は首相に限らず、民主党の国民に対する政権公約(マニフェスト)でもありました。
・・・・・・
 いま野田政権は「増税実施は衆院議員の任期が切れた後になるから公約違反ではない」と言っていますが、こんな説明で納得する国民は少ないでしょう。
・・・・・・
いま野田政権が消費税引き上げに加えて、目玉だったはずの社会保障政策も捨てるなら、民主党という政党はいったい何を目指すのでしょうか。自民党と何が違うのか、よく分かりません。

 それから大飯原発の再稼働。
 福島事故の後、国民がもっとも心配したのは「同じような事故が他でも起きないか」という点でした。事故は地震と津波が直接の引き金でしたが、実は原子力安全・保安院という規制するはずの組織が原発推進の経済産業省と一体だった。それが遠因です。
 原発のストレステスト(安全評価)導入に際して、枝野幸男官房長官ら菅政権当時の三閣僚は文書で「保安院による安全性の確認について疑問を呈する声も多く…」と認めていました。
 そうであれば、保安院ではない独立機関が安全を確認するまで原発は動かせないはずです。
・・・・・・
 そもそも安全に関する規制や政策は現行の法律上、原子力安全委員会が「企画し審議し、および決定する」と定められています。国会で審議中の原子力規制庁法案には安全委の衣替えが盛り込まれていますが、政権が勝手に決められるような性格のものではないのです。「再稼働ありき」で基準をいじるのではなく、しっかりした基準をつくって安全を判断する。それが基本です。
・・・・・・

 政権が国民に対して「正統性」を主張するには、まず公約を守ることが大前提です。増税のような重大な路線変更をするなら、衆院解散か内閣総辞職によってけじめをつけてほしい。
 福島事故の重大さを考えれば、原発再稼働問題の扱いも国民が納得できる筋道を示す必要がある。野田政権の扱い方は、いかにも場当たりで乱暴です。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2012060302000112.html

安易で場当たり的な野田首相のやり方は、無責任であり、将来に禍根を残すことになるだろう。
民主党が政権を担うに値しない政党であることはもはや明白である。

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