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2012年6月26日 (火)

消費税増税は衆院で可決された/花づな列島復興のためのメモ(94)

消費税法案が衆議院を通過した。
民主党内からは、57人が反対票を投じたとみられる。
メディアの報道は、もっぱら「造反者が何人になるか」ということに集中しているようである。
私は、もちろん数も重要であるが、賛否の論理の方が重要であると考えている。

地方都市に住んでいると、どうしてもメディアの情報に頼りがちである。
しかし、起こっている事象の何をどう取り上げるかは、多分に考え方・価値観による。
たとえば、一連のジャイアンツをめぐるスキャンダルについて、読売新聞は見事に渡邊主筆の意向に沿ったモノだった。
皮肉な言い方をすれば、ナベツネ氏の統治力の大きさを示していた。

あるいは、先週の金曜日に首相官邸前で行われた大規模な反原発デモも、メディアではほとんど報じられていないから、余り知られていない。

6月22日、首相官邸前で大飯(おおい)原発再稼働に反対する大規模デモが行なわれた。主催者発表によると約4万5000人、警視庁発表では約1万1000人が参加。約2時間に渡って再稼働反対を訴えた。
http://wpb.shueisha.co.jp/2012/06/26/12229/

だいたい主催者発表と警備側発表の間にあるとみるのが妥当だろうから、少なくみても2万人ほどのデモということになる。
これは特筆すべき規模である。
静かな、しかし大きな変動が起きつつあるのではないか。

読売の今日の社説は、「一体法案採決へ 首相は造反の抑制に全力を」だった。
反対勢力を「造反」と表現していかにも悪い印象を持たせようというのは、朝日も読売も無差別である。
しかし、以下のような見方もあるのだ。
さらば外務省!―私は小泉首相と売国官僚を許さない』講談社(0310)を上梓して外務省を辞めた天木直人氏のブログである。

 メディアは一斉に「造反」と書いて小沢新党を悪者扱いにしている。
 とんでもない偏向報道だ。
 マニフェストを破り、民主党支持者のみならず国民の大半の意思を無視して消費税増税を強行する野田首相こそ裏切りなのだ。
 民主党を名乗る資格はない。
 野田執行部こそ民主党を出て自民党に合流すべきなのだ。

天木氏の言うことも少数意見だろう。
フクシマ以前から反原発活動を行ってきた元駐スイス大使の村田光平氏と同様「反骨の外交官」である。
⇒2012年6月 9日 (土):なぜ事故調報告を待てないのか?/花づな列島復興のためのメモ(81)
外交官というのは、ある程度自立した成熟思考が必要ということだろう。

野田首相は、昨日の民主党代議士会で、「この法案通過に向けてご支援ご賛同をたまわるよう、心から、心から、心から、お願い申し上げます」と訴えた。
「心から、心から、心から」と3回繰り返したところに必至さは窺えるが、逆に「心に響く」フレーズはなかった。
一国のリーダーの演説というよりも、地方議員の選挙演説という感じであった。

民自公の合意の過程を、信濃毎日紙の社説を借りて、振り返ってみよう。

 3党の実務者による修正協議が始まったのは8日である。1週間で合意にこぎつけた背景には、野田首相が会期末までの採決を強調したことが挙げられる。
 政府提出の法案は税制や社会保障分野など7法案に上る。一つ一つが重い課題であり、全体の整合性も検証しなければならない。衆院特別委員会で論議を重ねたとはいえ、短期間に合意できるテーマではないはずだ。
 突貫工事でつくった修正合意は、多くの問題点を残している。
 例えば、最低保障年金制度の創設など民主党の目玉政策が事実上棚上げにされたほかにも、重要な変更がみられることだ。
 政府案が目指した所得税と相続税の引き上げが年末の税制改正論議に先送りされている。パート労働者の厚生年金と健康保険への加入拡大も、対象者が当初案より縮小した。
 幼稚園と保育所の一体化に向けた「総合こども園」創設も断念し、現行の「認定こども園」を拡充するとした。
 民主党にとって修正案は妥協に妥協を重ねた産物であり、当初案との隔たりは大きい。党内から異論が出るのは当然だろう。丁寧に党内合意を図る必要がある。

http://www.shinmai.co.jp/news/20120621/KT120620ETI090006000.html

野田首相が、「年金、子ども関連の法案は修正はあったが、勝ち取ろうとしたことは、しっかり勝ち取った。政権公約で掲げた最低保障年金も後期高齢者医療制度の廃止の旗は降ろしていない」と言っても空しい強がりにしか聞こえない。
結局党内合意が得られずに、自公との合意を優先したのである。

もともと、民主党は政権交代のための寄せ集め集団に過ぎなかったということだ。
⇒2011年1月12日 (水):出口の見えない菅政権と民主党解党という選択肢
⇒2011年8月24日 (水):綱領なくして漂流する民主党の出口戦略を問う
アイデンティティを問うということ自体、無い物ねだりだといえよう。
⇒2012年6月16日 (土):民主党と野田政権のアイデンティティ/花づな列島復興のためのメモ(86)
⇒2012年6月17日 (日):政党のアイデンティティを徴表するもの/花づな列島復興のためのメモ(87)

天木氏のいうように、「野田執行部こそ民主党を出て自民党に合流すべき」が正論かも知れないが、その可能性はゼロであろう。
とすれば、「造反派」が離党する以外にない。

としたら、どういうシナリオが想定されるか?
読売新聞社説に次のようにあった。

 問題は、小沢氏ら離党する衆院議員が42人以上を数える場合だ。民主党から昨年末に集団離党して生まれた新党きづなと組めば、野田内閣に対する不信任決議案の提出が可能になる。
 安倍元首相は、小沢氏が主導して不信任決議案を提出した場合、自民党も賛成を検討すべきだとの考えを示している。
 自民、公明両党は、対応に苦慮することになろう。参院で法案が成立する前に、不信任案が可決されて、衆院解散・総選挙という事態になれば、せっかくの3党合意はご破算になってしまう。

http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20120625-OYT1T01490.htm

渡邊体制の危機意識が奈辺にあるかが露呈しているようである。
なるほどなあ、とだけ言っておこう。

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