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2012年5月27日 (日)

原子力ムラの懲りない人たち/原発事故の真相(30)

原子力委員会の事務局(内閣府)が、電力会社など原発推進の側だけを集めた非公式な会合を20回以上も重ね、核燃料サイクル政策の見直しを議論する小委員会の審議前に情報を流していたという。
フクシマ原発事故という世界史的な事故が起きても、原子力ムラの論理も倫理も、何も変わっていないのだろうか。

 原子力委員会の事務局(内閣府)が、電力会社など原発推進の側だけを集めた非公式な会合を20回以上も重ね、核燃料サイクル政策の見直しを議論する小委員会の審議前に情報を流していた。
 会合に小委員会から出席していたのは座長だけ。報告書案も事業者に有利になるよう書き換えられていた。
 原子力委員会への信用を根本から揺さぶる事態である。偏向したやり方が発覚した以上、組織は白紙から見直すべきだ。これまでの議論も不正な点がないか検証する必要がある。
 原子力委員会は、国の原子力政策の基本を決める役割を担ってきた。親委員会のもとに、いくつかの小委員会や専門部会が置かれている。原子力を推進する最高機関である。

http://www.asahi.com/paper/editorial20120525.html#Edit1

これに対し、当の原子力委員会の見解は次の通りである。

 核燃料サイクル政策の在り方を検討していた内閣府原子力委員会が電気事業連合会など推進側だけの「勉強会」で報告書原案を事前配布した問題で、同委は25日臨時会合を開き、「事業者の意見を反映し、報告書を書き換えた事実はないが、外部の事業者や関係者への配布が疑念を招き、反省する」との見解を取りまとめた。
 原子力委の近藤駿介委員長は会合後、同委事務局に電力会社から4人が出向していることについて「早期に対応する」とし、見直す考えを示した。
http://jp.wsj.com/Japan/Economy/node_449026

「報告書を書き換えた事実はないが」というが、あったら立派な犯罪であろう。
しかし、たとえ事実がないとしても、決して許される行為ではないことは明らかである。
「外部の事業者や関係者への配布が疑念を招き」ということこそが、現下の焦点となっていることに無頓着、というよりも、通常人の感覚を失っているとしか思えない。

もちろん、電力会社でなければ分からないデータ等もあるだろうけれども、賛否が対立している問題について、一方の側だけで20~30回の勉強会を持つというのは、フェアな態度ではないだろう。
まして、委員会事務局に電力会社から4人出向していることについては見直すのは当然であるが、そういった風土・土壌が問われなければならないだろう。

原子力委員会は、国の原子力政策の基本を決める機関である。
原発事故を受けて、どう改革するのか?
密室の中で、国策が決められていくことに、多くの国民が  不信感を抱いている。
大飯原発再稼働への動きも、このような図式の延長線上のこととして理解できよう。
透明性の確保が必須であるが、果たしてムラの論理と倫理と心情に浸かっている人間に、それが可能であろうか。

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