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2012年5月14日 (月)

虚偽報告書による権力の組織犯罪/花づな列島復興のためのメモ(67)

小沢裁判は一審無罪となったが、指定弁護士が控訴をして裁判は継続することになった。
⇒2012年5月11日 (金):小沢裁判控訴の狙いは?/花づな列島復興のためのメモ(64)

裁判は検察審査会の2度の議決によるものであるが、検察庁が検察審査会に提出した捜査報告書に虚偽記載があるという。
以下は、「週刊朝日」(5/4・11合併号)の『小沢一郎を陥れた検察の「謀略」』という記事である。

本誌は、検察が検察審査会に提出した「捜査報告書」の全貌をついに掴んだ。そこには検審という民意すら悪用する「暴走検察」の真実があった。」”
と、6通の捜査報告書の矛盾・悪意の内容を指摘しています。
6通の捜査報告書とは、10年4月30日から5月19日にかけて作成された。検審が1度目の「起訴相当」議決(4月27日)を出した直後から、それを受けて検察が小沢氏の3回目の事情聴取(5月15日)を実施し、改めて不起訴処分(5月21日)とした間のもので、
(1)【検察審査会議決の考え方についての検討結果】(4月30日付)
(2)【想定弁解の検討結果について】(5月16日付)
(3)田代報告書(5月17日付)
(4)【小沢供述の不合理・不自然性について】(5月19日付)
(5)【4億円の出所に関する捜査の状況について】(5月19日付)
(6)【再捜査の結果を踏まえた証拠の評価等について】(5月19日付)
で、(1)(2)(3)(5)は、当時、陸山会事件の主任を務めた東京地検特捜部の木村匡良検事が作成し、それを踏まえて、特捜部副部長の斎藤隆博検事が(6)を作成と。
記事では、各報告書の問題を指摘し、最後に、
”「何よりも問題なのは、これらの報告書が検審の判断に大きな影響を与えたであろうことだ。実際、検審の起訴議決書の内容は、斎藤副部長による報告書(6)の文言と酷似しているのだ」”
と記述・・・

http://spaem77gmwova915jiysge83sih.blogspot.jp/2012/05/blog-post_3289.html

小沢氏が説明責任を果たしていない、という声が強いが、説明責任を果たすべきは検察の方であろう。
虚偽記載については、以下のように組織ぐるみという報道がなされている。

 小沢一郎民主党元代表(69)の捜査を担当した元東京地検特捜部の田代政弘検事(45)=現法務総合研究所=が元秘書の再聴取で虚偽の捜査報告書を作成した問題で、同検事が検察当局に「再聴取の際、(元代表の関与を認めた)捜査段階の供述を維持させるよう上司から指示された」と話していることが11日、関係者への取材で分かった。
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp201205110146.html

まさに「正義の砦」による組織犯罪である。
指示した上司とは誰か?
誰がその「指示」に関与しているのか?
この際徹底的な説明がなければ、検察は国民の信を失ったままになろう。

司法は、立法、行政と三権を構成する統治機構の基本である。
三権共に国民が信頼しない状態とは、まさに制御不能なメルトダウンである。
以下、郷原信郎氏のサイトより。

報告書:https://docs.google.com/open?id=0ByWdni-HzzdgV0RMV0o5WWNiTlk 
上記の報告書を読んでもらえば分かると思うが、私は日頃陸山会事件の実態を知っているつもりであるのに、小沢氏は石川氏、池田氏と共謀していると、これでもかこれでもかと繰り返し書かれると、思わず「そうかもしれない」という不思議な感覚になる。特に小沢氏が深く関与した、またそれを示す証拠となる部分に下線が引かれている。昨日も書いたが、これでは検察審査員全員が小沢氏は真っ黒で、強制起訴議決となるのは当然の結果ということがわかる。検察が検察審査会で、被告人側の弁護士もいない中、一方的に捜査報告書を捏造すれば、誰でも強制起訴されてしまう。
・・・・・・
田代報告書については、法務大臣、検事総長宛の要請書提出後の記者会見の際にも、岩上さんのインタビューの際にも言ったように、「記憶の混同」などというレベルではなく全部が嘘です。
記載された取調べ状況は、録音記録とは全く違う。
http://sun.ap.teacup.com/souun/7409.html

恐るべし権力犯罪。
まさに『真昼の暗黒』ではないだろうか。
⇒2012年2月22日 (水):小沢強制起訴裁判で墓穴を掘るのは誰か?

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