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2012年5月 6日 (日)

「水と安全」のコスト/花づな列島復興のためのメモ(61)

GWも今日で終りである。
といっても、リハビリ入院中の身には実質的には関係がない。
ただ、療法士、看護師等々、リハ病院の運営に携わるスタッフの皆さんは、連休といっても大型とはいえない勤務体制だ。
なるべく訓練を中断しないようにという配慮に深く感謝したい。

病院を初め、世の中には、年中無休の業務がいろいろある。
特に、夜間の業務では、人の確保が大きな問題になる。
人は、普通、夜働くようにはできていないからだ。

私も若いころ、製造業に在職したことがあった。
私自身は経験していないが、3交代のシフト勤務で連続運転に対応していた。
十分であったかどうかは別として、シフト勤務者の健康管理は会社にとっても重要な課題であった。

群馬県藤岡市の関越自動車道で46人が死傷した高速ツアーバス事故は、事故を伝える写真が衝撃的であると共に、その原因について、いろいろ考えさせられた。
事故の背景に、顧客の時間・金銭の節約ニーズがあるだろう。
デフレ環境下では、少しでも廉価な手段を選択するのは自然である。

特に、ネット情報等により、価格・料金の比較が容易になった。
私も、去年の夏、白馬までバスで行った。
自分が運転することができない現在、発着地が鉄道より自由なバスツアーは魅力的である。
妻だけの運転でも、列車の旅でも、多分行けないだろう。

かなり格安の価格であった。
結果的には、満足したのだが、事故が起きなかったのは幸運と考えるべきなのだろうか?
⇒2011年8月22日 (月):白馬バスツアーで実践的リハビリ
⇒2011年8月23日 (火):白馬村の美術館と安曇野の自然
バスツアーは、今後の有力な旅行手段と考えているので、今回の事故はショックである。
まあ、深夜バスを利用することはないだろうけど。

国交省の規制は有効に作用していないと言えそうだ。

1日のワンマン運転の上限を670キロとする国土交通省の指針を事故後に知り、「机上の空論」と感じた。総務省によると、約9割の運転手が睡魔に襲われたり居眠りしたりした経験があるという。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120502-00000092-mai-soci

今回のバス事故には、一般論以外にも特殊な背景があるようだ。

 群馬県藤岡市の関越自動車道で46人が死傷した高速ツアーバス事故で、事故を起こした千葉県印西市のバス会社「陸援隊」=針生裕美秀(はりう・ゆみひで)社長(55)=の事業用バス19台のうち、複数台が自動車運転過失致死傷容疑で逮捕された河野化山(こうの・かざん)容疑者(43)所有のバスだったことが分かった。関係者の話で河野容疑者はインバウンドと呼ばれる中国人観光客向けバスツアーを個人で営業していたことも判明。国土交通省は針生社長が河野容疑者に道路運送法が禁じている「名義貸し」をしていた疑いがあるとみて調査している。
・・・・・・
これまでの群馬県警の調べなどで、河野容疑者は元中国国籍で94年に日本国籍を取得したとされ、バスを5台以上所有していたとしても、日本語の筆記試験をパスすることなどが難しいため、陸援隊の名義を借りていたとみられる

http://mainichi.jp/select/news/20120505k0000e040169000c2.html

どうやら、起こるべくして起きた事故ともいえそうであるが、何らかの対策を講じる余地はないのだろうか?
業界に通有の構造的な問題と、「陸援隊」に固有の問題とに分け、事故の原因を徹底的に究明しなければならないだろう。
その上で、国は安全基準を再考すべきだ。
安全性も究極的にはコストの問題に還元されるのであろうが、最低限の安全性は担保されなければならない。

かつて、「日本人は水と安全はタダだと思っている」と指摘した人がいる。
1970年のベストセラー、イザヤ・ベンダサン『日本人とユダヤ人』の中の言葉である。
しかし、今や水も安全も、応分のコストを負担すべき時代である。

この国の政府は、原発について 、余りに安易に安全基準を決めたが、真のコストさえ不明のままである。
⇒2012年5月 5日 (土):原発ゼロをどう考えるか?/花づな列島復興のためのメモ(60)
バスツアーなどは、他に代替的な手段が選べること、事故の起きた場合の波及する範囲の大きさなど、原発とは異なる。
しかし、安全はタダでは入手できないことをわれわれも認識すべきだろう。

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