大飯原発の再稼働を急ぐ政府を打倒しよう/花づな列島復興のためのメモ(55)
大阪市の橋下徹市長と大阪府の松井一郎知事が、24日、大飯原発の再稼働に関する8提案を受け入れるよう藤村修官房長官に申し入れた。
しかし、藤村官房長官は、再稼働に向けた政府の手続きを見直す考えのないことを強調した。
藤村氏と橋下氏らは約25分間会談した。政府側から斎藤勁官房副長官が同席した。
橋下氏は会談で大飯原発の再稼働について「政治家が安全宣言をしたのは絶対におかしい。国民は納得していない。(原発)事故が起きていない平時の再稼働手続きを、事故後もそのまま進めるのはおかしい」と政権の対応を批判した。
藤村氏は「(8提案は)将来的には考えるべきことだ」としながらも「(大飯原発では)手続きを進めている」と述べ、再稼働の手続きは見直さない考えを示したという。
橋下氏は会談後、記者団に「安全かどうか、科学者のチェックもないまま政権が安全宣言したのは国家運営の危機だ」と批判した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120424-00000040-mai-pol
8提案の内容の是非はともかく、藤村氏が、「将来的には考えるべきことだ」というのは、どういう意味だろう?
原発の安全基準、再稼働の要件は、まさに「今」問わなくて、いつ問えばいいというのだ。
8提案とは以下のようなものである。
◇原発の安全性に関する提案◇
・独立性の高い規制庁の設置
・安全基準を作り直す
・新安全基準に基づく完全なストレステストの実施
・重大な原発事故に対応できる防災計画と危機管理体制の構築
・原発から100キロ程度の都道府県と協定を締結できる仕組みの構築
・使用済み核燃料の最終処理体制の確立
・電力需給の徹底的な検証と結果開示
・損害賠償など原発事故によるリスクに対応できる仕組みの構築
同上
私は、福島第一原発事故の当事者でもある枝野氏や細野氏などは、そもそも再稼働の是非の判断に加わるべきではない、と考える。
適格性に疑問符を付けざるを得ない人たちが、密室で決めたことにどんな正当性があるというのだろう。
⇒2012年4月 4日 (水):「大飯原発再稼働」の政治判断?/原発事故の真相(24)
⇒2012年4月 6日 (金):大飯原発再稼働というリトマス試験紙/花づな列島復興のためのメモ(48)
⇒2012年4月10日 (火):暴走が止まらない民主党政権/花づな列島復興のためのメモ(50)
⇒2012年4月11日 (水):大飯原発に対する大阪維新と政府の対比/花づな列島復興のためのメモ(51)
⇒2012年4月13日 (金):拙速に過ぎる政府の大飯原発再稼働判断/原発事故の真相(26)
⇒2012年4月14日 (土):北朝鮮と民主党の「終わりの始まり」/花づな列島復興のためのメモ(53)
⇒2012年4月15日 (日):理解と同意/「同じ」と「違う」(46)
⇒2012年4月17日 (火):壊れてしまった民主党/花づな列島復興のためのメモ(54)
⇒2012年4月23日 (月):なぜ急ぐ、大飯原発再稼働/原発事故の真相(27)
田中秀征氏も次のように批判している。
全面的に賛成である。
そもそも、法的根拠がなく“政治判断”で決めた安全基準で再稼働を決めることは許されることではない。しかも原発事故に一義的責任がある安全・保安院や電力会社の提案でまとめた安全基準では、ほとんどの人が納得しないだろう。いくら電力不足を叫んでも、相当の節電努力を覚悟している消費者を動かすことは難しい。
大飯原発を再稼働させても、それが原発事故につながる可能性はほとんどないかもしれない。
問題は、事故後1年しか経たないうちに、原発の安全性に対する安易な対応をするなら、今後のモラルハザードは際限なく進むということだ。喉元過ぎれば熱さ忘れる。5年後、10年後には、いつかどこかで事故を再発させることにもなりかねない。最初の対応が方向を決めるのである。
枝野経産相は、再稼働容認の決断が事故につながれば、自分や政治の責任であることを強調している。しかし、ことは政治家の辞職などで済む話ではないのだ。
原発事故対応や規制庁発足、あるいは再稼働問題が遅れてきたのは、首相や民主党政権が消費税増税という次元の違う課題に夢中になってきたからである。
これでは大事故から何も学ばなかったことにもなりかねない。
http://diamond.jp/articles/print/17091
私は枝野氏の、大飯原発に対する責任論を聞いた時、心底この人はダメだと思った。
福島の事故の総括も済んでいないのに、何を言っているのだろう。
枝野氏が辞職して、取り返しのつくような話ではないことは小学生でも理解できるだろう。
国民は政府打倒に立ち上がるべき時ではないか。
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コメント
難しくこと。言わないで
投稿: | 2016年6月17日 (金) 19時41分