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2012年4月 6日 (金)

大飯原発再稼働というリトマス試験紙/花づな列島復興のためのメモ(48)

関西電力大飯原子力発電所の再稼働に向けて、野田首相と枝野経済産業相ら三閣僚は、5日新たな安全基準を大筋で了承したが、続けて6日夕には、同メンバーで、運転再開を判断するための安全基準を最終決定した。
拙速というよりも茶番というべきであろう。
三閣僚とは、枝野氏と細野環境相兼原発事故担当相、藤村官房長官である。

こんな4人で、密室談義のような形で「最終決定した」安全基準など何の権威も持ち得ないだろう。
橋下大阪市長の以下の発言は、まさに「その通り」である。

 大阪市の橋下徹市長は5日、関西電力大飯原発3、4号機(福井県)の再稼働に向け野田佳彦首相が同県に協力要請する方針を固めたことに関し「安全性をしっかりチェックした上で動かすという当たり前のプロセスをすっ飛ばした判断だ。政権は持たない」と批判した。
 同時に、安全基準をつくる過程が最も重要だとの考えを強調。「(原子力安全)保安院が、ぱっぱと安全基準をつくって、それでオーケーと判断するなら(政府に)もう統治能力はない」と苦言を呈した。市役所で記者団に述べた。

http://sankei.jp.msn.com/smp/politics/news/120405/plc12040515090017-s.htm

そもそも、三閣僚の適格性に問題があると言わなければならない。
今西憲之+週刊朝日取材班『福島原発の真実 最高幹部の独白』朝日新聞出版(1203)に、印象的な記述がある。

 ただ私にも、よくわかる資料があった。メルトダウンの程度によって、放射能汚染がどこまで拡大するか、放射性物質の飛散予測がついていたのだ。
 うち、1枚の“放射能拡散想定”を見て驚いた。
 西端は静岡県。そして、北は青森を越えて北海道の手前まで汚染されると想定されていた。これが事実なら、あらゆる機能が集中する首都・東京は壊滅する。それは、日本全体の機能麻痺と同義だ。恐怖に襲われた。
「直ちに影響はない」と言い続ける政府の姿勢とは、まったく違うではないか

p190

「直ちに影響はない」と言い続けた政府といえば、誰でも枝野官房長官(当時)のことを思い浮かべるだろう。
⇒2011年3月24日 (木):安全基準の信憑性について

細野氏については、以下のように記されている。

 細野さんが原発担当大臣になって、世間には歓迎ムードがあるようだが、現場としては、「うーん」という感想だ。期待していたが、正直言って彼は経産官僚と変わりがない。現場が望むのは、意思決定のスピードとリーダーシップだ。しかし、細野大臣と話していてわかったが、彼はどちらも兼ね備えていない。経産官僚が言っていたことを、数日後に細野さんの口から聞くということが何度もある。経産官僚の言うがままの「操り人形」と我々は呼んでいる。
p94

経産官僚と変わらぬ人が、安全基準の評価基準を「了承・決定」するというのは如何なものか?
野田内閣の“適材適所”ぶりを示す例といえよう。

藤村官房長官は、発言が余り印象が残らないタイプだ。
その人が以下のように言って妙な存在感を示した。

藤村修官房長官は5日午前の記者会見で、原発再稼働にあたっての地元自治体の同意について「法律などの枠組みで同意が義務付けられているわけではない」と述べた。関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働を巡って、政府は福井県とおおい町の「同意」、滋賀県や京都府など近隣自治体の「理解」を得る必要があるとしているが、法律上の規定はない。あえて明確にする藤村長官の発言は地元軽視と受け止められ、反発を招く可能性がある。
日経新聞4月6日

法律上の文言はあるいは官房長官の言うとおりかもしれない。
しかし、今の状況であえてこういう発言をすることは、地元を挑発しているようなものではないか。
あるいは余程空気が読めない(KY)人なのか。
いずれにせよ、官房長官の適材とは思えない。
野田首相は、田中直紀防衛相を「無知の知」とまでいって擁護しているが、随処に“適材適所”が散りばめられている。

日本商工会議所の岡村会頭は、この問題で、次のように、運転を再開させるべきだという考えを示した。

岡村会頭は、国によるストレステストの1次評価が終わった大飯原発に関連して、「関西電力は原発への依存度が高いこともあって、大飯原発の再稼働がなければ、電力の需給が非常に苦しい状況になるのは明確だ」と述べ、関西電力管内を中心としたこの夏の電力不足に強い懸念を示しました。
また、岡村会頭は「去年は震災の直後ということもあって、工場も稼働率が低かったが、ことしは需要の増加に対応しないといけないことも十分考えられる。夏場をどう乗り切るか、企業も近々、対策を考えないといけない」と述べ、原発を含めた電力の需給状況は企業活動にも大きな影響を与えるという認識を示しました。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120406/k10014252901000.html

どうやら、大飯原発再稼動問題は、民主党の本質は何か、民主主義とは何か、安全性をどう考えるか等を仕分けするリトマス試験紙として機能するようである。
私たちは、これらをよく見据えて、次の選挙の投票行動の参考にすべきだろう。
それにしても、街頭デモが当たり前だった時代が懐かしい。

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