AIJ投資顧問をめぐる闇(7)厚生年金基金の運用/花づな列島復興のためのメモ(46)
AIJ投資顧問による厚生年金基金の消失事件の解明はまだ緒についたばかりである。
しかし、今の段階でも、証拠を隠して下さいといわんばかりの強制捜査や、虚偽答弁をしても罰しませんよという国会の参考人招致などの様子を見ていると、被害者は泣き寝入りすることになるのか、と思ってしまう。
そもそも、わが国の年金制度は分かりにくい。
問題の厚生年金基金はどういう位置づけになるか?
よく、年金は「3階建て」になっているといわれる。
図を見ると分かりやすい。
http://allabout.co.jp/gm/gc/13256/http://top.nrkn.co.jp/dcnrk/whtas-dc.html
1階部分は、20歳以上60歳未満の国民が加入する義務がある国民年金(基礎年金)である。
2階部分は、在職中の給料額によって変動する厚生年金保険(厚生年金)(公務員の場合は共済年金)である。
3階部分が企業年金、すなわち企業が退職した従業員らに給付する年金である。
厚生年金基金は昭和41年にスタートした。
1つの企業、あるいはグループ企業や同種の企業ごとに設立される特別法人で、平成23年7月1日現在、588の厚生年金基金がある。
加入者は、厚生年金基金が設立されている企業で働く厚生年金保険の被保険者である。
基金ごとに独自の規約を作って運営される。
厚生年金基金がほかの企業年金と異なるのは、「代行部分」と呼ばれる年金を持つことである。
厚生年金基金は、国の厚生年金の一部を代行するとともに、企業独自の退職金制度を上乗せすることによって、より手厚い退職給付を行うことを目的としている。
厚生年金基金制度は、 一見「より手厚い退職給付を行う」のであって結構な制度に思える。
しかし、運用成績が悪くなると、あらかじめ決まっている給付額を支払えない可能性がある。
リーマン・ショック後の世界的な株安や為替の影響を受け、厚生年金基金はほとんどが資産を減らしている。
不足額を穴埋めできなければ、年金給付にも支障が生じる。
また、基金を解散するとなっても、最低責任準備金が必要となり、簡単には解散もできない。
厚生年金基金を解散する場合、国に代わり基金に納められていた厚生年金の保険料に相当する積立金(これを最低責任準備金という)を、全国の企業年金基金などが加盟する「企業年金連合会」に返還しなければならないが、その準備金のメドがついていない基金も多いという。
AIJ投資顧問は、以下のような運用をしていたらしい。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20120306/229532/?ST=print
ケイマンに組成されたファンドにより、運用の実態がヴェールに包まれている。
⇒2012年3月30日 (金):AIJ投資顧問をめぐる闇(4)ケイマンによる「見えさる化」/花づな列島復興のためのメモ(42)
しかし、そもそも年金資産を「運用」することなど必要があるのだろうか?
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