「女性宮家」に関する有識者ヒヤリング/やまとの謎(63)
23日に、「女性宮家」創設に関する第4回の有識者ヒアリングが開かれたという。
何が問題になっているのか?
そして、有識者とはどのような人か?
この問題については、1次的なメモを書いた。
⇒2012年3月 4日 (日):女性宮家創設問題とは何だろう/やまとの謎(57)
今回改めて、ヒヤリング項目について検索してみた。
皇室制度に関する有識者ヒアリングの実施について
ヒアリング事項について
1.象徴天皇制度と皇室の御活動の意義について
○現在の皇室の御活動をどのように受け止めているか。
○象徴天皇制度の下で,皇室の御活動の意義をどのように考えるか。
2.今後,皇室の御活動の維持が困難となることについて
○現在の皇室の構成に鑑みると,今後,皇室典範第12条の規定(皇族女子は,天皇及び
皇族以外の者と婚姻したときは,皇族の身分を離れる)などにより皇族数が減少し,現在
のような皇室の御活動の維持が困難になることについて,どのように考えるか。(皇室典
範改正の必要性・緊急性が高まっていると考えるが,このことについてどう思うか。)
3.皇室の御活動維持の方策について
○皇室の御活動維持のため,「女性皇族(内親王・女王)に婚姻後も皇族の身分を保持い
ただく」という方策について,どう考えるか。
○皇室の御活動維持のため,他に採りうる方策として,どのようなことが考えられるか。
また,そうした方策についてどのような見解を持っているか。
4.女性皇族に婚姻後も皇族の身分を保持いただくとする場合の制度のあり方について
○改正後の皇室の規模はどのくらいがふさわしいか。
○配偶者及び子の身分やその御活動についてどのようなあり方が望ましいのか。皇族とす
べきか否か。
5.皇室典範改正に関する議論の進め方について
○皇室典範について,今回,今後の皇室の御活動維持の観点に絞り緊急課題として議論す
ることについてどう考えるか。
6.その他
○女性皇族に婚姻後も皇族の身分を保持いただくとした場合,婚姻等が円滑になされるよ
う,どのような配慮が必要か。
○その他,留意すべきことは何か。
http://www.cas.go.jp/jp/houdou/pdf/120220koushitsu.pdf
また、ヒヤリングをされた有識者とは以下のような人たちである。
1回:今谷明・帝京大特任教授(日本中世史)
田原総一朗・ジャーナリスト
2回:山内昌之・東大大学院教授(イスラム地域研究)
大石真・京大大学院教授(憲法学)
3回:櫻井よしこ・ジャーナリスト
百地章・日本大教授(憲法)
4回:笠原英彦・慶応大教授(日本政治史)
市村真一・京都大名誉教授(経済学)
選定の基準は明らかにされていない。
というか、基準など設けられないだろう。
ちなみに、3回目までのヒヤリング結果の概要は以下のようであった。
産経新聞120411
第4回まで含め、女性宮家の創設に反対という意見は、第3回の櫻井よしこ氏と百地章氏だけであって、他は賛成である。
有識者ヒヤリングは今後も続けられるというが、結論は既に見えているといえよう。
象徴天皇制の下で、皇室活動を維持していくためには、女性宮家の創設が望ましい。そのために、皇室典範を改正し・・・・・・
大方そんなところに落ち着くだろう。
政府は、女性宮家創設の理由を、皇位継承制度とは切り離して論ずる、として上記のようなヒヤリング項目を設定したようだ。
しかし、女性宮家は皇位継承制度と切り離せるものかどうか自体が大きな論点でもある。
皇位継承制度あるいは天皇制のあり方を問題にしない限り、隔靴掻痒という感じは否めない。
しかし、民主党には、象徴天皇制ありきの発想しかないだろう。
⇒2011年11月28日 (月):天皇制と女性宮家問題/やまとの謎(50)
そして、女性宮家が女系天皇に繋がるという反対論を納得させ得るような議論にはならないだろう。
厄介なのは、天皇制の価値を重く見る人ほど、女性宮家創設に反対という傾向があることだろう。
私感では、下図のようである。
所詮論理的に結論が出るような問題ではない。
いくら有識者ヒヤリングを重ねても、余り意味はないのではないか。
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