小沢裁判の影響/花づな列島復興のためのメモ(56)
政治資金の収支報告書に虚偽記載をしたとして強制起訴された民主党の小沢元代表に、東京地方裁判所が無罪を言い渡した。
小沢一郎民主党元代表は初公判から一貫して、起訴議決を出した検察審査会ではなく、捜査を担った検察への批判を繰り広げた。「検察VS小沢氏」の構図となった法廷。裁判所は審理の末、今回の起訴議決に基づく強制起訴を「適法で有効」とし、強制起訴の効力に関して初めてとなる司法判断を提示。一方で、捜査を「謀略」と指弾した小沢氏側に軍配を上げて無罪とし、検察当局には衝撃が広がった。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120426-00000582-san-soci
この裁判は、きわめて不可解なものだった。
検察庁が強制捜査の末、起訴を見送り、これに対して検察審査会が起訴相当の議決を出し、もう一度検察庁が起訴を前提とした捜査を行って起訴に至らなかったものである。
それに対し検察審査会はもう一度起訴相当の議決を出して、強制起訴となったものである。
検察審査会への告発者は匿名のままである。
このような手順で起訴できるとすれば、誰かを陥れることも容易である。
まさに『真昼の暗黒』である。
経緯からしても多くの疑問があり、無罪は当然の結果と言えよう。
検察審査会の存在意義さえ問われかねない。
⇒2012年2月18日 (土):小沢裁判に対する疑問
消費税増税に前のめりしてしまった野田政権は、原発再稼働で大きなミスをしてしまったように見える。
⇒2012年4月25日 (水):大飯原発の再稼働を急ぐ政府を打倒しよう/花づな列島復興のためのメモ(55)
現在の民主党の混迷は、マニフェストを放棄し、あるいはマニフェストの失敗を真摯に総括せず、衆院での多数ということだけで理の通らないことを、強引に推し進めようというところにある。
さらに言えば、マニフェストを隠れ蓑にして、路線確立のための努力をサボってきたことにある。
⇒2011年1月 5日 (水):綱領なき民主党の菅VS小沢の不毛な争い
しかも、小沢氏が起訴されたことをもって、現民主党執行部は、小沢氏の党員資格停止という処分をしたのである。
本来は、裁判のおかしさを糾弾すべき時に、政権交代の功労者を葬ろうとしたのである。
念のため言っておくが、私は小沢シンパではない。
日本の政治の改革を願って政権交代に一票を投じたものであるが、その願いが裏切られたことは既に明白である。
小沢氏に対する無罪判決によって、俗物的な政治家たちが舞台から去っていくことを期待する。
⇒2012年2月22日 (水):小沢強制起訴裁判で墓穴を掘るのは誰か?
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