AIJ投資顧問をめぐる闇(5)社保庁OBの役割/花づな列島復興のためのメモ(44)
AIJ投資顧問は、運用リターンの良さがウリだったという。
厚生年金基金は、年5.5%の利回りを前提として将来の給付を設定しているものが多いという。
私などのように、早々と企業年金に縁のなくなった人生を過ごしている者には羨ましいような数字である。
しかし、低金利の現在、現実に5.5%の実績を維持するのは容易ではないだろうと思う。
よほど運用に長けた人でないと、実現は難しいのではないか。
しかし、「100年安心年金」のキャッチコピーが生まれた制度改革も、こうした高利回りを前提としていたらしい。
一般的に難しい運用リターン水準。そこが、AIJ投資顧問の狙い目でもあったのだろう。
インチキの実績表を見せながら、高い利回りで釣っていた。
そんなうまい話があるとすれば、どういう仕組みなのか、自分で確認したくなるのではなかろうか。
AIJ投資顧問に運用を委託していた企業には、中小・零細が多いという。
当然、金融のプロなどいるはずもない。
そこで年金のプロであると思われる社保庁のOBを頼った。
厚労省が民主党ワーキングチーム(座長・蓮舫参院議員)に調査報告を提出した。同省は09年5月時点の調査で399厚年基金に国家公務員OB646人が天下りしていたことを明らかにしている。
これを今回と同じ71基金でみると、09年時点では53基金の役員に国家公務員OB53人が再就職。人数で4人、基金数で六つ減少したが、10年9月に長妻昭厚労相(当時)名で役職員を公募するように通知しながら、徹底されていないとみられる。
http://mainichi.jp/select/biz/news/20120323ddm041020058000c.html
報じられているところでは、これらのOBのネットワークが被害を拡大させたらしい。
社保庁OBといっても、年金事務には詳しいかも知れないが、資金運用は素人だった。
素人は素人なりにリスクヘッジを考えるが、彼らにとっては所詮他人の資金であり、たとえ損を出したとしても痛痒を感じなかったのだろう。
社保庁の天下りがこのような華麗な生活を送っているのではないのかも知れないが、平均的な像はどのようなものだったのか。
本件の場合、社保庁OBは左図のような役割を果たしていた。
年金資産約2千億円の9割を消失させたとされるAIJ投資顧問(東京都)が2004年、旧社会保険庁OBが経営する年金コンサルタント会社(千葉県)と顧問契約を交わしていたことがわかった。
コンサル会社は基金運用のセミナーを開催。AIJ社長らを「講師」として招く一方、各地の年金基金に再就職していた 同庁OBらにセミナーへの出席を呼びかけていた。
http://n-seikei.jp/2012/03/post-7104.html
彼らの存在がAIJ投資顧問にとって好都合だったことは否めない。
このツケは誰がどのようにして負担するのだろうか?
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