AQUOSブランドの凋落/花づな列島復興のためのメモ(47)
日本の家電産業について、グッドニュースを聞かない。
話題になるのは、「史上最大の赤字」「社長交代(更迭)」「海外企業の資本受け入れ」といったようなことばかりである。
もちろん苦しいのは家電産業だけではない。
日本の産業界全体が四重苦(クァドリレンマ)に苦しんでいるといわれる。
⇒2011年10月18日 (火):日本経済のクァドリレンマ/花づな列島復興のためのメモ(8)
四重苦とは、盛山和夫『経済成長は不可能なのか - 少子化と財政難を克服する条件 (中公新書)』(1106)によれば、以下の4つである。
1.デフレ不況問題
2.財政難問題
3.国の債務残高問題
4.少子化問題
これらは日本社会全体の問題であるから、特に家電だけに特別の条件のわけではない。
この3月期の決算は以下の通りであった。
http://diamond.jp/articles/print/16087
まさに壊滅的な状況というべきだろう。
私も退院後、ようやく買い換えた薄型TVがシャープのAQUOSだった。
その頃は、AQUOSはまだ光り輝いているように見えた。私が抱いていたのも、ずっと昔のSONYのトリニトロンのようなイメージだった。
「世界の亀山モデル」 というレッテルが誇らしげに貼られている。
実際に、2010年7月に実施されたブランドイメージ調査では、AQUOSが1位であった。
まず、パナソニックの「VIERA」、ソニーの「BRAVIA」、三菱電機の「REAL」、シャープの「AQUOS」、日立の「Wooo」、東芝の「REGZA」のテレビブランドについて、それぞれのイメージを複数回答で尋ねたところ、「AQUOS」が「信頼できる」「先進的な」「洗練された」「トラディショナルな」の4部門で1位を獲得。一方、「BRAVIA」は「個性的な」「スタイリッシュな」「センスのいい」「デザインのいい」の4部門で1位となり、各テレビブランドの特徴が浮き彫りになる結果となった。
テレビブランドイメージランキング、総合1位はシャープ「AQUOS」
シャープの株価の推移は下図のようである。
私がAQUOSを買った頃から比べると、ほぼ半値である。
「国内液晶テレビの想定以上の急激な市場悪化が起こった。金額ベースで(前年同期比)20%台です」。片山幹雄社長は開口一番、主力の液晶テレビ「AQUOS」が置かれている悲劇的な状況について語り始めた。エコポイント需要によって支えられた一昨年の年末商戦から一転して、液晶テレビの売れ行きは激減し、頼みの国内マーケットの“底”が抜けたのだ。
結果は黒字から一転、過去最悪の2900億円の最終赤字に転落すると通期見通しを変更。テレビや太陽電池、携帯電話事業も軒並み赤字になり、将来の利益回復を見込んだ繰り延べ税金資産1190億円の取り崩しを迫られた。
http://diamond.jp/articles/print/16087
要するに、エコポイントによる需要喚起があったが、そもそも家電商品のほとんどがさほど更新需要のないものであるから、とうぜん反動により需要は冷え込む。
直近で株価が100円以上(20数%)跳ね上がっているのは、台湾企業が資本参加して提携が発表されたからである。
シャープは27日、EMS(電子機器の受託製造サービス)で世界最大手の台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業と資本業務提携すると発表した。鴻海グループがシャープ株の約10%を取得し、事実上の筆頭株主となる。液晶パネルを製造する主力拠点の堺工場(堺市)にも約46%を出資し、同工場の生産量の半数を引き取る。シャープは液晶パネルから薄型テレビまで一貫生産する事業モデルを転換。鴻海との国際分業でコスト競争力を強化し、経営再建を急ぐ。
シャープ、国際分業で再建急ぐ 鴻海が筆頭株主に
かっての輝かしい日本産業の旗手は、自力では浮上できないところまで追い込まれてしまったということなのだろうか?
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