政治家の信義とは?/花づな列島復興のためのメモ(43)
野田政権が見切り発車的に消費税増税関連法案の閣議決定した。
年度末ぎりぎりである。
昨年11月の仏カンヌの主要20カ国・地域(G20)首脳会議で、「健全な経済成長のためには財政健全化が不可欠だ。消費税率10%引き上げを実現化するための法案を平成23年度内に提出する」と宣言したことが、国際公約になっているということだろう。
福島第一原発事故の「収束宣言」と同じ構図である。
⇒2012年3月28日 (水):冷温停止の大本営発表/原発事故の真相(22)」
しかし、野党との審議以前に、与党の内部からさまざまな形で反発が出ている。
まず、連立政権を構成している国民新党である。
亀井静香代表は、消費税率引き上げは連立政権合意に反しているとして、連立解消を野田首相に伝えた。
既に連立離脱している社民党の福島党首も、連立当初の合意に反すると言っている。
連立政権合意とは以下のようである。
09年9月の民主、社民、国民新党の3党連立政権合意書は「現行の消費税5%は据え置くこととし、今回の選挙において負託された政権担当期間中において、歳出の見直し等の努力を最大限行い、税率引き上げは行わない」としている。
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20120330-OYT1T00196.htm
野田政権の言い分は、消費税率の実際の引き上げは、09年総選挙の任期4年が終わった後の14年4月であるから、連立合意に反しないということのようである。
衆議院の任期中は、決めるだけで実施はしないという理屈である。
筋は通っているか?
次の総選挙では、民主党は必敗するだろう。
というのは私の感想に過ぎないとしても、次の政権の手足を縛ることになるのは間違いない。
どの党が政権を担当しても避けられない課題ともいえるが、やっぱり決めた党と実施する党が異なるのは如何なものか?
それに、連立合意は、まず第一に消費税を据え置いて歳出削減を図ることとしている。
民主党の政権公約(マニフェスト)も同趣旨である。
しかしながら、公務員改革をはじめ、歳出削減をとことんやった、と評価する国民は皆無だろう。
民主党内にも、閣議決定に対する反発がある。
小沢一郎元代表グループの牧義夫厚生労働副大臣ら政務三役4人、鈴木克昌幹事長代理ら党役職13人の計17人が辞表を提出した。
小沢氏らは法案採決で造反も辞さない構えだといわれる。
動向が注目される橋下大阪市長も、野田政権の消費税増税に反対の考えだ。
大阪維新の会代表の橋下徹大阪市長は30日、消費税増税関連法案が国会に提出されたことに関し、「地方に(消費税の)権限と責任を渡して国が身軽になる最大のチャンスを失った。非常に残念だ」と述べ、野田佳彦首相の決断に異議を唱えた。
同時に、消費増税ではなく、地方交付税を廃止して消費税を丸ごと地方に移すなどの手法で国の財源は確保できるとの持論を展開。「国の統治機構、国のかたち、国と地方の在り方について民主党に哲学や信念がない証しだと思う」と批判した。
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120330/lcl12033022120004-n1.htm
私のような身障者にとって、社会保障は重要な政策である。
その安定財源として消費税増税が必要だといわれれば、反対しにくい。
しかし、肝心の社会保障の将来像がほとんど議論されていないという印象ではなかろうか。
一寸先は闇といわれる政界である。
審議はこれからのことであり、野党を含めてどう展開していくかは分からない。
それに、私は、亀井氏や小沢氏は、人間的にウマが合わないタイプのように見受けられる。
しかし、政治家の信義という観点から考えると、亀井氏や小沢氏の方がまともであるように思う。
すべての契約や約束の基盤には、信義則があると考えるべきである。
野田首相の得意なフレーズは、「政局よりも大局」である。
しかし、政権公約にしろ連立合意にしろ、信義を失ったら終わりであろう。
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