岡田副総理の公務員削減論/花づな列島復興のためのメモ(39)
東京電力が値上げをするという。
しかし、相変わらずの不手際で、混乱が続いている。
東電は1月、4月から契約電力50キロワット以上の「自由化部門」の顧客約24万件に対して平均17%の料金値上げを表明。大規模工場など大口顧客(約1万3千件)に対しては直接訪問、主に中小企業やオフィスなど小口顧客(約22万4千件)には郵送や電話などで値上げへの理解を求めていた。
企業向けの電気料金の契約期間は原則1年間。東電が今回改善策を示した対象顧客は小口全体の75%にあたる約17万件だ。4月1日からの値上げが予定されるのは25%の約6万件。東電は2月初旬、電気料金引き上げを説明した資料を郵送し、異論がない場合は4月からすべての顧客の値上げを実施する意向だった。
だが4月以降に契約満了を迎える顧客には、値上げ前の現行料金を継続できるにもかかわらず「積極的には説明していなかった」(東電)。理由は明確にしていない。枝野経産相は21日、東電の説明不足に「報告を聞いて開いた口がふさがらない。経営体質は変わっていない」と批判した。
東電の企業向け値上げ、混乱続く 社長が陳謝
殿様商売(=サプライサイドの論理)の典型例であろう。
東電の言い分としては、原発の稼働停止で代替火力燃料の追加費用がかかってくるということだろうが、値上げするのが当然、といった姿勢が批判されるのは当たり前だろう。
「値上げの前にやるべきことがあるはずだ」という声が聞こえてくるような気がする。
これと似たような構図なのが、野田総理の消費税率アップの問題だ。
増税論議は、「増税ありき」で突き進んでいる。国民に理解を求めるどころか、国民の疑問や懸念を置き去りにしているのではなかろうか。
と思っていたら、岡田副総理が、公務員の採用の7割減を指示したという。
岡田克也副総理が国家公務員の2013年度の新規採用を09年度比で平均約7割減らし、計2500人程度とするよう各府省に指示したことが9日、政府関係者の話で分かった。6日の行政改革実行本部(本部長・野田佳彦首相)では「4割を超える削減」にとどめていたが、その後に総務省を通じて各府省へ上積みした具体的な削減幅を示した。
消費税増税への理解を得る観点から、行政改革の進展を印象づける狙い。3月下旬に予定される増税関連法案の国会提出前に採用数を最終決定する段取りを描いているが、各府省の反発は必至だ。
岡田氏、公務員採用7割減を指示 各府省の反発必至
これで「痛みを負った」つもりなのであろうか?
若者の就職難が騒がれている折に、である。
減らすべきは、新規採用者ではなく、天下り予備軍であろう。
天下り根絶のためには、公務員の早期退職をやめ、定年を延長しろという議論がある。
しかし、多くの国民は、たいした仕事もしないのに、雇用を確保されている公務員に対しては批判的であるが、新規採用を7割もカットすれば、歪みが生じるのではないかと思っているだろう。
岡田副総理は、新規採用削減は「若者のため」といっている。
岡田克也副総理は21日の参院本会議で、国家公務員新規採用の大幅抑制を各府省に指示したことについて「国家公務員削減は財政や社会保障制度の持続可能性のために必要なことで、若い世代のためにも行っている」と強調した。
公明党の谷合正明氏が「声を出せない若い世代へのしわ寄せになるだけだ」と批判したのに対して答えた。
公務員削減「若者のため」=岡田氏
こういうのを「おためごかし」というのではなかろうか。
岡田氏は、一貫して消費増税反対を唱えている小沢一郎氏に対し、世論次第という認識を示した。
岡田克也副総理は10日のBS朝日の番組で、民主党の小沢一郎元代表が消費税増税関連法案に反対する可能性について「世論や野党の状況いかんだ」と述べ、賛成に回ることもあり得るとの見方を示した。小沢氏は一貫して消費税増税に反対している。
岡田氏はまた、自民党が同法案採決前の衆院解散・総選挙を求めていることに対し「自民党執行部を中心にそういう意見はあるが、自民党の中で必ずしも多数ではない」と指摘。「今解散すれば、国民の怒りは既成政党に向かう」と述べ、早期解散に否定的な考えを示した。
「小沢氏は世論次第で賛成も」 消費税法案で岡田副総理
小沢氏は、政権交代時のマニフェストを守る努力をすべきだ、と言っている。
岡田氏は原理主義者と呼ばれることに誇りを持っているらしいが、果たして原理原則を守ろうとしているのは、どっちだろう?
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