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2012年2月27日 (月)

ビジネスモデルとビジネスモデル特許/「同じ」と「違う」(43)

ひと頃、「知財立国」という言葉をよく耳にした。
「知財立国」とは、小泉純一郎首相が2002年に打ち出した国家戦略の1つである。
おもに知財すなわち特許等の知的財産権の創造、活用、保護を強化する戦略であり、2002年11月に知財基本法が成立した。

背景として、世界的なビジネスモデル特許(BM特許)ブームがあった。
BM特許とは何か?
その前に、そもそもビジネスモデル(BM)はどう説明されているか?

企業が行っている事業活動、もしくはこれからの事業構想を表現するモデルのこと。端的に表現すると、「儲けを生み出すビジネスのしくみ」である。ビジネスモデルの3要素とは、「顧客」「価値」「経営資源(チャネル、ノウハウなど)」である。つまり・・・1.誰に対して、どんな価値を提供するのか、2.そのために、保有する経営資源をどのように組み合わせて、その経営資源をどのように調達し、3.パートナーや顧客とのコミュニケーションをどのようにして図り、4.いかなる流通経路と価格体系で、顧客に届けるか・・・という、ビジネスのデザインについての設計思想が「ビジネスモデル」なのである。
http://www.blwisdom.com/word/key/100015.html

??
企業は常に、「儲けを生み出すビジネスのしくみ」を検討しているといってよい。
その特許とは?
BM特許も特許の要件を満たしていなければ特許として認められない。
特許の要件は以下のように要約される。

Photo_2
http://www.jst.go.jp/kisoken/mlmg/announce/tokkyo2.html

問題は、ビジネスのしくみが「産業として役に立つ」ことは当然であろうが、新規性や進歩性というのは判断に迷わないかということである。
特に、進歩性は、簡単でないことと解説しているが、当事者は「簡単ではない」と主張し、ライバルは「簡単だ」と主張するような事態はいくらでもあるように思われる。
⇒2009年10月 8日 (木):光ファイバーの発明と特許問題
⇒2007年10月23日 (火):選句の基準…③新規性と進歩性
⇒2010年12月 1日 (水):「サトウの切り餅」と 越後製菓の特許/「同じ」と「違う」(24)
⇒2011年9月15日 (木):「サトウの切り餅」と 越後製菓の特許(2)/「同じ」と「違う」(30)
とりわけ、「儲けを生み出すビジネスのしくみ」に関しては、その判断が微妙ではなかろうか。

特許庁は以下のような指針を示している。

Q.進歩性の判断では「ビジネス方法」が新規の場合には特許になる可能性がある、とのことですが、新規なビジネス方法を通常のシステム化手法でシステム化した発明は進歩性が認められるのでしょうか。

A.ビジネス方法は「発明」ではありませんから特許になる可能性はありません。
「発明」であることの判断においては、ビジネス方法をコンピュータ上で具体的に実現した場合に「発明」に該当することになります。この場合、請求項には、ビジネス方法が特定されているのではなく、ビジネス方法を実行するための具体的なソフトウエア、情報処理装置又はその動作方法(以下、情報処理装置等)が特許請求されていることに注目すべきです。
そして、進歩性の判断においては、ビジネス方法自体が進歩性を有するか否かを判断するのではなく、ビジネス方法を具体的に実現した発明が進歩性を有するか否かが評価されます。すなわち、「発明」に該当するとされた情報処理装置等を、既に知られているビジネス方法やシステム化技術等に基づいて当業者が容易に構築できるかどうかの論理づけが試みられます。そして、論理づけができたときには請求項に係る発明は進歩性がないとして判断され、論理づけができないときには進歩性を有することになります。
つまり、「ビジネス方法が新規の場合には特許になる可能性がある」というのは、新規なビジネス方法が特許になる可能性があるのではなく、発明者が新規なビジネス方法をコンピュータ上で具体的に実現して情報処理装置等を構築したとき、進歩性の判断においては、その情報処理装置等が公知のビジネス方法等から容易に発明できたとの論理づけができない結果、進歩性が認められる可能性があることを意味しています。

http://www.jpo.go.jp/cgi/link.cgi?url=/toiawase/faq/biz_kanren_q.htm

Photo_3 要するに、BMは特許の対象にならないが、インターネットなどの通信網やサーバなどの装置を用いなければ実現できないBMがあるので、通信網や装置を含むシステムや装置などを特許で保護することで、BMが間接的に保護される、ということだ。
したがって、BM特許は、いわゆるITと不可分なのである。

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