渡邊白泉/私撰アンソロジー(14)
沼津の駅北にある小さな本屋を覗いたら、『白泉句集』という書籍というよりは小冊子という感じの本が目に入った。
白泉句集編集委員会が編集し、渡邊白泉句碑建立実行委員会(代表四方一ヤ<サンズイに弥>)が発行したものである。
渡邊白泉は、戦前新興俳句の旗手として大いに属目されたが、昭和15(1940)年、治安維持法違反の嫌疑で京都警察部の逮捕される。
⇒2007年11月16日 (金):渡辺白泉
白泉は長く沼津市立高校の教師を勤めていた。その関係で、句碑が同校内に建立されたときに編集されたのが上掲書である。
私が沼津の高校に通学していた時、まったくその存在を耳にしなかったばかりでなく、沼津で白泉のことを聞いた記憶はない。
しかし「小なべ」の愛称で生徒たちから慕われていたという。
今度同校を卒業した同級生に会ったら聞いてみたい。
白泉は、昭和44(1969)年、学校からの帰路、脳溢血で倒れそのまま逝去した。享年56歳であった。
俳人として、教師として、まだまだ活動できただろうと思うと早すぎる死だった。
こよなく酒を愛したというその生活の結果だろうか。
野には白泉のように、華々しくはないが、本物が隠れて存在している。
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コメント
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