議事録の不作成は故意か過失か?/原発事故の真相(17)
民主党政権がこれほどいい加減であるとは予想し得なかった。
今までも、その姿勢をずいぶん批判してきた。
特に、真摯さの欠如については、大きな問題があると思っていた。
⇒2011年1月21日 (金):政府・民主党における真摯さの欠如
⇒2011年1月27日 (木):言葉の軽さが裏付ける首相の真摯さの欠如
しかし、フクシマ原発事故対応という重大な課題に対して、総理大臣が本部長に就き、全閣僚がメンバーとなって事故当日に設置された「原子力災害対策本部」が、議事録を残していないというのだ。
除染の基本方針や避難区域、農作物の出荷制限など、原発事故をめぐる重要な決定をしてきたとされるが、その決定の経緯が記録されていないらしい。
NHKによると、会議の議題を書いた「議事次第」を作っただけ。会議でどんなやりとりがあったかが分かる「議事録」は作っていなかったという。事務局を務めていた原子力安全・保安院の担当者は、NHKの取材に「業務が忙しく議事録を作成できなかった」と釈明している。
しかし、公文書管理法は、政府の意思決定の過程を検証できるようにするために、重要な会議の記録を残すように定めている。議事録ゼロはあり得ないし、あってはならない。自分たちの失策が記録されると困るので残さなかったか、本当はあるのに誰がなにを話したかバレるとマズイので、なかったことにしたのではないか。どう考えても不自然だ。
http://gendai.net/articles/view/syakai/134750
気になることがある。
東京電力福島第1原発事故で作業員全員が退避せざるを得なくなった場合、放射性物質の断続的な大量放出が約1年続くとする「最悪シナリオ」を記した文書が昨年3月下旬、当時の菅直人首相ら一握りの政権幹部に首相執務室で示された後、「なかったこと」として封印され、昨年末まで公文書として扱われていなかったことが21日分かった。複数の政府関係者が明らかにした。
http://www.47news.jp/47topics/e/224789.php
これは明らかに、故意である。
あるいは、その時点で「最悪シナリオ」を示すと、国民がパニックを起こすと考えたのかもしれない。
しかし、そうだとしたら度し難いエリ-ト主義であろう。
国民はお上の情報を信じ、お上の指示通り動けばいい、ということか?
「公文書等の管理に関する法律」というものがある。
(目的)
第一条 この法律は、国及び独立行政法人等の諸活動や歴史的事実の記録である公文書等が、健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源として、主権者である国民が主体的に利用し得るものであることにかんがみ、国民主権の理念にのっとり、公文書等の管理に関する基本的事項を定めること等により、行政文書等の適正な管理、歴史公文書等の適切な保存及び利用等を図り、もって行政が適正かつ効率的に運営されるようにするとともに、国及び独立行政法人等の有するその諸活動を現在及び将来の国民に説明する責務が全うされるようにすることを目的とする。
よもや弁護士資格を有する枝野官房長官(当時)が、その内容をご存じないことはあるまい。
「国及び独立行政法人等の有するその諸活動を現在及び将来の国民に説明する責務」などということは、民主党政権には頭の中に露ほどもないらしい。
公文書の管理に詳しい名古屋大特任教授の春名幹男氏は次のように言う。
議事録を作成しないという重大事を、官僚の一存で決められるとは思えません。
・・・・・・
菅総理か枝野官房長官の指示があったと考えるのが自然。恐らく、情報もなく、微妙な問題なので『フリートークでいきましょう』となったのでしょう。
http://gendai.net/articles/view/syakai/134750
菅前首相は、「辞めたからいいだろう」ということではない。
可能な限り正確に当時の意思決定過程を再現すべきである。
今のままでは、事故調査・検証委員会等も、よって立つ作業の基盤が崩れているのではないか。
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