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2012年1月31日 (火)

活火山・富士山周辺で起きている地震

富士山周辺が不気味だ。
先日来、富士五湖付近を震源とする地震が頻発している。
⇒2012年1月28日 (土):地震科学と生物の地震予知能力
気象庁の発表では、富士山の火山活動や東海地震との関連性はないということである。

気象庁によると、今回の震源は富士山頂から北東に約30キロ離れており、地殻変動や低周波地震など富士山の火山活動に異常はみられないという。また、東海地震の前兆をとらえる周辺のひずみ計にも異常は観測されていない。28日午前9時までに震度1以上を観測した余震は5回発生した。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120128/dst12012810470008-n1.htm

今回の地震は、意外なことに、伊豆半島に原因があるらしい。
伊豆半島はプレートに乗って北上してきたといわれる。
富士山の成因については諸説あるが、現時点で有力なのが、伊豆半島が本州に衝突した際にできた、とするものである。

☆富士山の形成は…伊豆半島はフィリピン海プレートという海のプレートに載ってフィリピン沖から北上し、本州を載せているアジアプレートに衝突した。この衝突によって出来た火山が箱根や富士であり、伊豆半島の本州への衝突は今も激しく続いている。そのため、この2つのプレートの間には大きなひずみが今も蓄積され続けており、この付近(駿河湾)を震源とする巨大地震の発生も懸念されている。富士山の地下では今もマグマの生成が行われている。
Photo
http://www.kai.ed.jp/yamakai/fujisan%203.html

直近の地震活動については次のように説明されている。

Photo_3日本列島の太平洋側では、海側プレート(岩板)が陸側プレートの下へ沈み込んでいる。しかし、伊豆地方周辺の地殻構造は極めて特殊で、フィリピン海プレートの上に伊豆半島が突き出るように乗っているため簡単には沈み込めず、陸側に衝突。地盤が圧縮されて地震が起きやすい。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120130/dst12013021120014-n1.htm

つまり、富士山を生成した活動と今回の地震の要因は同じ、ということであろう。
私が学校で勉強をした頃は、「富士山は休火山」であった。ついでに言えば、箱根山が活火山、愛鷹山が死火山であった。
ところが、休火山という区分がなくなり、「富士山は活火山」に区分されている。
Wikipedia

宝永大噴火以来300年にわたって噴火を起こしていないこともあり、1990年代まで小学校などでは富士山は休火山と教えられていた。しかし先述の通り富士山にはいまだ活発な活動が観測されており、また気象庁が休火山という区分を廃止したことも重なり、現在は活火山としている。

活火山である以上、噴火の可能性はあると考えるべきであろう。
富士山は、優れた自然であるだけでなく、日本人の精神活動と深い関わりをもってきた。
世界文化遺産に登録してもらうための国の推薦が正式に決まったが、課題も多い。

登録の推薦が決まった翌日の26日、都留文科大(山梨県都留市)で、環境保全を訴えるNPO法人「グラウンドワーク三島」の事務局長でもある渡辺豊博教授の「富士山学」を聴講した。教室では、富士山周辺の異様な光景が次々とスクリーンに映し出され、気分がめいった。
森の中で層をなしているペンキ缶やドラム缶。古道を埋める建築廃材。道路に点々と捨てられた紙おむつ。餌と勘違いして黒いビニール袋をのみ込んだ白鳥……。

http://mainichi.jp/area/shizuoka/news/20120131ddlk22070288000c.html

富士山はいつかは噴火して現在の姿をとどめない日が来るであろう。
しかし、その時まではしっかり護っていくのが現存する日本人の責務であると思う。

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受信: 2012年2月 3日 (金) 17時50分

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