石油と石炭と天然ガス/「同じ」と「違う」(38)
フクシマ原発事故等によりこの冬の電力需給もかなり逼迫する見通しだという。
東電に勤務している知人の話では、先日、ピーク時供給力に対して、実績使用量が95%を超え、今晩は必死で揚水をしなければ、というようなことを言っていた。
揚水とは、揚水発電のために、下部貯水池(下池)から上部貯水池(上池ダム)へ水を汲み上げることである。
夜間などの電力需要の少ない時間帯の余剰電力を利用する。電力需要が大きくなる時間帯に、上池ダムから下池へ水を導き落とすことで発電する。
冬場の使用量のピークは夏場と異なり、17時から19時頃の時間帯だという。
電力は、二次エネルギーである。
すなわち、一次エネルギー源を何らかの形で変換したものである。
一次エネルギー源は、自然界に存在しているエネルギー源を指す。
日本の一次エネルギー源の構成は数のようである。
http://www.garbagenews.net/archives/1353828.html
上手における天然ガス、石油、石炭のことを化石燃料といい、化石燃料を燃やすことでエネルギーを得る。
化石燃料は、いずれも化学物質としては炭化水素が中心物質である。
炭化水素は炭素(C)と水素(H)の化合物であり、燃焼してCO2とH2Oになる。
炭化水素の骨格は、炭素-炭素結合である。
炭素-炭素結合による連結は鎖の長さによる制限をほとんど受けない。この単一元素で分岐数の多い分子を生成する性質をカティネーション性と呼ぶが、分岐数の多様性とあいまって、炭化水素の構造の多様性はほぼ無限といってよい。言い換えると、炭化水素を基本骨格に持つ有機化合物は莫大な多様性を有するが、それは炭化水素の構造の量的な多様性と置換基による質的な多様性とが相乗的に発現した結果でもある。
(Wikipedia炭化水素)
化石燃料が生成するメカニズムには分からないこともあるが、太古に、動植物の屍骸が積もり地中深くにおいて変成されて、数億年の単位で生成したと言われている。
動植物は、もとはと言えば、太陽エネルギ-を取り込める単細胞生物や植物が繁茂し、それを動物が食したものであるから、太古の太陽エネルギ-を短期間にまとめて使用していることになる。
いずれも有限の資源なので、枯渇性資源である。
枯渇までの時間は、使用量と新しい埋蔵資源の発見という不確定要素があるが、石油が40~50年、天然ガスが70年、石炭が200~300年と言われている。
本格的な使用は産業革命以降のことなので、それをたかだか数百年の間に使い尽くそうということである。
化石燃料のそれぞれは、生成の過程が「違う」と言われている。
石油はプランクトンが堆積し、長い年月をかけて生成された。
石炭はシダなどの植物が枯れて堆積し長い年月をかけて生成されたというのが有力な説だそうです。
天然ガスは動物や植物が長い間バクテリアに分解され作られたメタンが主成分です。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1429804
常温で、石炭は固体、石油は液体、天延ガスは気体である。
主要なエネルギー源が急激に替わることをエネルギー革命という。
日本の場合、1960年代に、それまで燃料の主役であった石炭から石油へのドラスティックな転換があった。
私が子供の頃、石炭産業は好景気を謳歌していた。
炭坑節が全国各地の盆踊りに不可欠だった。
日本政府は、1960(昭和35)年6月に「貿易・為替自由化計画大綱」を決定し、これに伴い1962(昭和37)年10月には石油輸入の大部分を占める原油の輸入自由化を行った。
これらの措置により、石炭は長く続いたエネルギーの王座を石油に譲ることとなった。
大量に安く供給された石油は、さまざまな交通機関、暖房用、火力発電などの燃料として、また石油化学製品の原料として、その消費量は飛躍的に増えていった。
1960年にピークを迎えた三井鉱山三池炭鉱争議は、その影の部分である。
化石燃料には、前述のように、固体、液体、気体があるが、液体燃料を得る方法として、石炭液化あるいは合成石油などもある。
石炭液化とは、石炭を原料として石油代替物を生産することをいう。狭義には「化学的」に石炭を分解して石油類似の炭化水素油を製造することをさし、広義には「物理的」に石炭を微粉化して水や石油と混ぜて流体化する事なども含める。
また、合成石油とは、石油を代替しうる新液体燃料のことであるが、石炭や天然ガスを原料とすることが多い。
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