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2011年12月 7日 (水)

一川防衛相の居座りにみる民主党政権の現実

政権交代総選挙から2年4ヶ月。
政権交代を願って民主党に投票した人の過半が、「こんなはずではなかった」と思っているだろう。
鳩山、菅、野田と首相は替わったが、国民の審判を受けようという気配すら窺えない。
野党時代、政権たらい回しを批判してきたことなど、すっかり忘れたかの如くである。

「適材適所で起用した」と野田首相が強弁する閣僚も、どこに適性があるのかわからない人が複数人いる。
内閣は鉢呂経産相の放射能失言などで、出だしから不安感に満ちたものだった。
⇒2011年9月10日 (土):「閣内てんでんこ」の野田ドジョウ政権と言葉の力
なかでも、一川防衛相は、就任時に自ら素人と公言したこともあって、内閣という鎖の「最も弱い環」と目されていた。
案の定、鎖は切れかかっているようだ。

一川氏の適格性の無さは、国賓のブータン国王夫妻が来日したときにも露呈した。
「宮中晩餐会よりも同僚議員の政治資金パーティーに出席した」ことを得意気に話したというのである。
どのような価値観を持つべきかまでは云々できないだろうが、それを披瀝する場合の常識というものがあろう。
この人が何で国会議員をやっているのか、正直に言って訝しい。

沖縄の問題にしても然りと言わざるを得ないだろう。
防衛相にとって、沖縄は最もナーバスになるべきところである。
沖縄防衛局長の信じがたいような暴言が起きて、国会で追及される事態となり、局長の暴言に関連して、米軍普天間飛行場の移設の原点である米兵の少女暴行事件を「詳細には知らない」と答弁した。「詳細には知らない」が事実としても大人として答弁の仕方があるだろうと思う。
また、「琉球処分」について問われて、答えることができなかった。
沖縄県民ならずとも、民主党の直接の責任者の答弁であることを思うと、暗澹たる気持ちになるのではないか。

この人が適格性を欠いていることは明白のように思う。
問責決議は可決するのは必須の情勢のようだが、本人は「防衛相として致命的な失策をしているわけではない」と強弁して、依然として続投に意欲的なようだ。
任命者の野田首相も、適材適所という言葉を空しくを繰り返すだけである。
およそ「適材」とは言いがたいことは、あるいは首相自身承知しているのかも知れない。

仄聞するところでは、一川氏は小沢元代表に近い人らしい。
党内融和の(標榜の)ために更迭できないらしい。
党の要の輿石幹事長も、「辞める必要はない」と記者会見で答えていた。
そのココロは、次のように解説されている。

流れに任せる、それだけですよ。一川大臣の辞任は避けられない。でも、こっちからクビを切る必要はない。参院で問責決議案が可決されたら、その後で対応を考えればいいということなのです。だから今国会での更迭はないし、決着は来年の通常国会前になるでしょう。
http://gendai.net/articles/view/syakai/134065

そんなことでいいのだろうか?
防衛相の前には喫緊の課題が山積している。
菅氏の居座りにも呆れたが、これが民主党政権のリアルな姿ということだろう。

私は、鳩山、菅氏の軽薄ぶりに唖然とせざるを得なかった。
両人とも、すでに存在感は薄れているが、黒岩神奈川県知事の以下の言葉は正鵠を射ていよう。

黒岩氏は、「菅直人首相は官僚と歩調が合わず情報をつかめていなかった」と前置きした上で、「これが復興が遅れる一番の原因となった」と述べた。鳩山由紀夫元首相についても、米軍普天間飛行場移設問題(沖縄県宜野湾市)に関し「官僚を使いこなせずに混乱を招いた」と批判した。
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/111029/plc11102909260003-n1.htm

私は野田政権に正当性はないと考えている。
⇒2011年9月19日 (月):民主党政権に正当性はあるのか?
民主党とは何だった(過去形!)のだろうか

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