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2011年12月22日 (木)

私たちは廃炉の完了を見ることはないのか?/原発事故の真相(15)

政府と東電の原発中長期対策会議(共同議長・枝野幸男経済産業相、細野豪志原発事故担当相)は、廃炉に向けての工程表を発表した。
12月16日の、野田首相の「事故収束宣言」を受け、その後の工程を示したということであろう。
⇒2011年12月17日 (土):フクシマは「収束」したのか?/原発事故の真相(14)
しかし、廃炉が完了するまでには、最長で40年かかるという見通しだという。

中長期工程表は3期に分けて道筋が示された。原子炉を冷温停止状態にしたとして今月達成が宣言されたステップ2を起点に、1)使用済み燃料プール内の燃料取り出しまでに2年以内を目標とする第1期、2)燃料デブリ(燃料と被覆管等が溶融して再固化したもの)の取り出し開始までに今後10年以内を目標とする第2期、3)第2期終了後から廃炉完了までに30─40年後を目標とする第3期──とした。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111221-00000064-reut-bus_all

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前例なき原発廃炉、難航必至 燃料回収の技術なく

果たして現存する日本人の何人が廃炉の完了した姿を見届けることができるであろうか。
日本人の平均余命(寿命)は世界のトップクラスであり、年々向上している。
とはいえ、40年後ということになると、大雑把に言って、半分はこの世にいないと考えられる。
できるだけ前倒しで取り組むというが、それは当たり前として、未だ人類が経験したことのない事態でもあり、私が生きている間に廃炉がどの程度進むものか、と考えてしまう。
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http://www.usability4s.info/contents/?p=1020

廃炉の工程にはいくつも難所が想定される。
最初の壁となりそうなのが、格納容器の損傷場所を補修し、容器内を水で満たす「冠水」だといわれる。
燃料の取り出しに、放射線の遮蔽と冷却が必要なため、通常時でも水中で行われる。つまり冠水しなければならない。
冠水には汚染水の漏洩場所を補修する必要があるが、現在は漏洩場所の特定すら困難な状況だという。

スリーマイル島の事故の場合、取り出しまで6年半かかり、終了したのは約11年後だった。
スリーマイル島の事故では、溶融燃料は圧力容器内にとどまっていたが、フクシマでは燃料は溶けた制御棒などと混ざり合い、一部は圧力容器から落下、格納容器底部のコンクリート床を侵食しているとみられる。
容易ならざることは、素人目にも推測できる。
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http://digital.asahi.com/20110901/pages/tokushu.html

高い放射線量も、作業の障害である。
遠隔操作が可能な高性能のロボット開発が不可欠といわれる。ロボット技術は日本のお家芸のはずだ。
とはいえチェルノブイリ事故の「廃炉」作業はいまだに続いている。フクシマの工程も見通しは不透明と言わざるを得ないだろう。

原子炉格納容器を設計していた元東芝技術者の後藤政志氏もこう言う。
「工程表案では、どこにあるか分からない溶融燃料を引っ張り上げる――との計画も示されたようですが、マンガみたいな話です。そもそも『廃炉』作業は、事故が起きていない原発1基で30~40年かかるのです。福島原発は3基で爆発事故が起き、格納容器が壊れてメルトダウンした。30~40年で作業が終わるとは思えません。政府は『努力している』というポーズだけで、“見込み”を語っているだけなのです」

http://gendai.net/articles/view/syakai/134341

日本人の英知と求心力が問われる事態である。
廃炉の科学と技術こそ喫緊のテーマではなかろうか。

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