諏訪大社(4)地質構造とパワースポット/やまとの謎(43)
諏訪大社と地質構造の関係で言えば、いわゆるパワースポットの問題が欠かせないだろう。
パワースポットはWikipedia では以下のように解説されている。
荒俣宏は、「パワースポットは大地の力(気)がみなぎる場所と考えればよい」と述べ、そもそもパワースポットという言葉こそは新しいが、昔から大地の力を得ようとする試みはあった、と指摘した。荒俣は日本で言えば「熊野三山詣で」がとても古い事例であると説明した。荒俣は、本来なら厳しい修験を行ってはじめて得られる力を、その場所に詣でるだけで得られる、身分性別を問わず得られる、という画期的なものであったとし、ただし何の宣伝もなしに人を集められるわけではなかったので言い伝えが用いられた、同様に伊勢神宮にお参りする「お伊勢参り」でも「修験者しか得られないパワーを性別身分を問わず得られる」と宣伝した、と説明した。 All Aboutでは、パワースポットやスピリチュアルスポットなどと呼ばれるようにもなった場所も、本来は信仰の場であって自然崇拝が行われていた場であったところが多い、とされている。 そういう場所は伝統的に霊場とか聖地sacred placeなどの呼称で呼ばれていた。
神社仏閣などが、上記のような意味でパワースポットと縁が深いのは理解できる。
しかし、「大地の力」は、たとえば中央構造線のような地質構造とどのように関係しているのだろうか?
下図を見てみよう。
黄色の線が中央構造線、青色の線が糸魚川-静岡構造線(フォッサマグナ西端)です。
白い破線は、伊勢から分かれたもう1本の断層帯とみられるものです。◎は主なパワースポット。
中央構造線のさらに西の線上には、阿蘇山、幣立神宮といったパワースポットが位置しています。
http://bungui.fineup.net/landsat.html
上の図に「さらに西の線上」は以下のようになっている。
大分県の国東(くにさき)半島と佐賀関(さがのせき)半島の間を通ることは確かです。 大分市南方の大野川流域では、中生代末期の堆積岩に覆われていて、地質のつながりが分からなくなっています。
九州中央部では、阿蘇山の下にかくれています。
熊本南方や天草の古い岩石が、中央構造線のどちら側に属するものなのか、見方が分かれています。長崎の野母半島や彼杵半島の古い岩石の素性も分かっていません。
大野川付近で南へ回り込み、臼杵(うすき)と熊本県八代(やつしろ)を結ぶ「臼杵-八代構造線」につながるという考えと、そのまま「大分-熊本構造線」につながるという考えがあります。
http://www.osk.janis.or.jp/~mtl-muse/subindex03.htm
幣立神宮については以下のように言われている。
熊本の宮崎との県境そば、九州のほぼ中央に位置し、高天原神話の発祥の地として「高天原・日の宮」とも呼ばれる神社です。分杭峠と同様に中央構造線の上にあり、特殊な磁場をもつパワースポットです。
由緒や由来ははっきりしませんが、神漏峡命、神漏美命、大宇宙大和神などを祀っています。鬱蒼とした森のなかに社殿があります。
本殿の裏手を登ったところにある東御手洗には清水が湧いていて、ここに八大龍王が鎮まるといいます。よいエネルギーが満ちています。
ここにはペトログラフ、あるいは神代文字などもあるとし、にわかに注目されている聖地です。アクセスが不便なこともあり観光的にはあまり知られていませんが、パワースポットとしてはよく名の挙がる神社です。
http://www.tabibun.net/powerspots/f/43/1961.php
私自身は、有名なパワースポットの分杭峠でも特段の感覚を得ることはなかった。
気の霊地らしいOrcas Islandを訪ねたときに、風光の美しさに惹かれはしたが、同行者が「いま、気が渦を巻いている」と自分の頭上を指差した時も、残念ながら感じることはできなかった。
⇒2010年5月16日 (日):「恐竜の脳」の話(3)ホリスティック医学の可能性
私は、「大地の力(気)がみなぎる場所」の存在を否定するものではないが、それは地質だけではなく、森林の発するフィトンチッドや滝の近くなどに存在するマイナスイオンなどの総合された効果ではないだろうか。
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