諏訪大社(3)地質構造と鉱物/やまとの謎(42)
諏訪湖は、中央構造線と糸魚川静岡線という2つの重要な地質構造線が交わったところに位置する。
諏訪大社の上社の本宮・前宮、下社の春宮・秋宮の4宮の位置と構造線の関係は下図の通りである。
上社と下社のそれぞれが中央構造線と糸魚川静岡構造線とが交わった付近に建てられていることが判ります。
そしてタケミナカタが出雲の国から、どの様にこの諏訪の地に至ったかというと、一つは、大鹿村にある伝承のように、一旦出雲から太平洋側にでたタケミナカタが天竜川をさかのぼりながら大鹿村にいたり、この地にしばらく逗留したあと、諏訪に入ったという話があります。すなわち諏訪湖の南側から中央構造線をたどってきたことになります。
もう一つは、諏訪の北方、上田の地にある、生島足島神社の伝承ではタケミナカタは出雲からこの地に至り、一旦この地に留まったあと諏訪に向かったということになっています。
すなわち諏訪湖の北側から中央構造線をたどってきたことになります。
http://www.geocities.jp/tyuou59/suwataisya2.htm
つまり北上説と南下説であるが、どうやらいずれかが正しいというわけではなく、両方から流入したということのようである。
古代出雲は荒神谷遺跡や加茂岩倉遺跡で知られるように、金属器が発達していた1つの中心であったと考えられる。
金属器は地質構造と関連性が深いであろう。
中央構造線と鉱物資源の関係については以下のような解説がある。
中央構造線卑(ママ)近の鉱物資源をみてみると、四国では有名な別子銅山、吉野から伊勢にかけては伊勢白粉で有名な水銀、豊橋では愛知県の天然記念物である高師小僧とよばれる褐鉄鉱がとれました。
諏訪湖近辺では古代の鉄遺跡が見られますし、安中は鉱山ですし、少し南は今でも石灰を採掘している秩父武甲山があり、東の筑波山付近には古代の鉄遺跡が見受けられます。
http://www.geocities.jp/tyuou59/kouzousen.html
岐阜に、金山彦という金属神をまつる南宮大社という神社がある。
金山彦大神を主祭神にまつり、全国の鉱山、金属業の総本宮として古くから信仰を集めている。江戸時代の神社建築の代表的な遺構18棟が国の重要文化財に指定されている。
南宮大社Wikipedia
諏訪大社の別名として南宮神社がある。
別名を南宮とも言い、諏訪大社、南宮大社、敢国神社の3社は何らかの関係がある様で、諏訪大社を本山、南宮大社を中の宮、敢国神社を稚(おさな)き児の宮と呼ぶという。
諏訪大社Wikipedia
タケミナカタに象徴されるのは、金属を扱う集団ということらしい。
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コメント
お久しぶりです。
中央構造線といえば、我が大和においてこの中央構造線が形成する山塊の一つに金剛山があります。上代は並んで聳える葛城山とともに葛城の山と言われていましたが、その麓に鎮座するのが全国の鴨神社の総本社、高鴨神社。
http://nara.utsukushiki-nippon.jp/contents/05/
祭神は事代主命・阿治須岐速雄命・下照姫命・天稚彦命
いずれも出雲の神話と関係のある神々。しかもこの神社の立地は鉱脈上に存しています。
このあたりも・・・興味深い所かと思いますが・・・
ちなみにこの高鴨神社のすぐそばには江戸時代まで朝廷が高天原として認定していた地が・・・そこに鎮座する鴨が高御産霊・・・言うまでもなく天孫系の神・・・
いずれも・・・この地に勢力を張った葛城氏の神。
考えれば考えるほど興味が尽きません。
投稿: 三友亭主人 | 2011年11月 7日 (月) 22時22分
三友亭主人様
コメント有難うございます。
>いずれも出雲の神話と関係のある神々。しかもこの神社の立地は鉱脈上に存しています。
まったく不思議な気がしますが、初心の故、興味のままにアチコチと彷徨ってみようと思っています。
>ちなみにこの高鴨神社のすぐそばには江戸時代まで朝廷が高天原として認定していた地が・・・そこに鎮座する鴨が高御産霊・・・言うまでもなく天孫系の神・・・
この辺りのことも興味は尽きません。
貴ブログででもご教示願えれば幸いです。
今後とも宜しくお願いします。
投稿: 夢幻亭 | 2011年11月 9日 (水) 13時02分