2号機で再臨界?/原発事故の真相(11)
東電福島原発の2号機で放射性キセノンが検出された可能性があると報道されている。
キセノンは、希ガス元素の一種であり、ランプに使われるという程度の知識しかなかった。
東京電力は2日、福島第一原子力発電所2号機の格納容器から吸い出しているガスからキセノンと見られる放射性物質を極微量検出したと発表した。
キセノン133は半減期約5日、同135は半減期約9時間と非常に短いため、原子炉内で一時的に小規模な臨界が起きた可能性があるとしている。東電の松本純一・原子力立地本部長代理は2日の記者会見で、「原子炉への冷却は進んでおり、大きな影響はない」と述べた。東電と政府は、原子炉を安定的に冷却する「冷温停止状態」の年内実現を目指しているが、今後慎重な判断を迫られそうだ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111102-00000173-yom-sci
核分裂反応が継続する状態が臨界である。
⇒2011年9月20日 (火):原発と原爆/「同じ」と「違う」(32)
収まっていた核分裂反応が再び起きている?
キセノンの放射性同位体は、原子炉中の燃料棒の亀裂から放出した核分裂ガスまたは冷却水中の核分裂したウランから比較的高濃度で見られるという(Wikipediaキセノンの同位体)。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111102-00000035-mai-soci
誤検出の可能性もあるとのことなので、余り大騒ぎしたくはないが、政府・東電に基本的なところで不信感がある。
2号機の異常についても曖昧な説明だった記憶がある。
⇒2011年10月 2日 (日):2号機の真実は?/原発事故の真相(9)
また、以前から再臨界は起きていた、という説もある。
実は公的機関が発表している放射線量の数値で、不可解な動きが計測されているのだ。それは、7月末から8月にかけて発生した放射線量の大幅な上昇。3月の事故直後から、事態の深刻さをネット上での論文発表などで訴え続けてきた日沼洋陽工学博士はこう解説する。
「私は福島第一原発1~3号機のいずれかで、メルトダウンした核燃料が連鎖的に核分裂する『再臨界』が発生し、4月以降では最大量の放射性物質が施設外へ漏れ出したと考えています。時期は7月28日から31日頃と、8月19日から21日頃の2回。放射物質の大量流出は、発表数値が実際よりも低めではないかと疑われている東京都や横浜市の線量測定データからもはっきりと読み取れる科学的事実です」
http://wpb.shueisha.co.jp/2011/09/12/6900/
政府・東電は、説明の透明性を高めるべきではないか。
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