松原景観受難の年/花づな列島復興のためのメモ(7)
「白砂青松」という言葉がある。
日本人が好む景観の代表だろう。
白砂青松と表現される景観は、以下に示されるような各種の理由により減少している。
- 砂防工事・ダム設置などにより河川からの土砂の流入が減少し、海岸浸食が進行した。
- 波浪対策、また上記のような海岸浸食対策として、防潮堤の整備や消波ブロック類の設置が広範に進められた。
- 開発にともなう海面の埋め立てや道路の敷設・拡幅など
- マツクイムシによる松林の衰退・消滅など
また、人為的なものの場合、維持管理の放棄による荒廃と遷移の進行が考えられる。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%99%BD%E7%A0%82%E9%9D%92%E6%9D%BE
東日本大震災では、高田松原が1本だけを残して全滅した。
⇒2011年6月 9日 (木):宮脇昭氏の講演と「ぬまづの森」の試み
上記でも紹介した「千本松原」(沼津市から富士市にかけての海岸線沿いに広がっている)が、台風15号により大きな被害を受けた。
静岡新聞111001
千本松原の一部に千本浜がある。
私が子供のころは、たくさんの海の家があり、夏のシーズンには海水浴客で賑わっていた。
高校時代には、部活動で、砂浜のランニングにより足腰の鍛錬をした。
⇒2007年11月 5日 (月):私の『夏草冬涛』
私にとっては思い出深い場所であるが、現在は防潮堤が作られていて昔日の面影はない。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%83%E6%9C%AC%E6%B5%9C
それでも、後年、会社の親睦行事で、「地引網→バーベキュー」などを家族ぐるみで楽しんだりした。
千本浜や千本松原は、若山牧水、井上靖、明石海人(『白猫』で知られるハンセン病歌人)、大岡信、佐藤雅彦(電通出身の「だんご三兄弟」のクリエイターで知られる慶應大学教授)らの著名人に愛され、文学碑も数多く建てられている。
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千個の海のかけらが 千本の松の間に挟まっていた 少年の日 私は毎日それを一つずつ食べて育った
井上靖文学碑
http://www.itscom.net/special/numazu/
⇒2011年6月 5日 (日):沼津における津波の歴史
台風被害を含め今年は水の害が多い。
⇒2011年9月22日 (木):台風15号と国土の条件/花づな列島復興のためのメモ(5)
景観は生態系や文明系の「見える化」ということではなかろうか。
景観を守り育てていくことは、将来世代に対する責任であろう。
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