野菜の力(3)/闘病記・中間報告(33)
「医食同源」という言葉がある。
私はてっきり中国から渡来した言葉だと思っていたがそうではないらしい。
「意外に思われるかも知れないが「医食同源」という言葉は古代中国で生まれたものではない。1970年代に入って、栄養第一主義の欧米食文化への反省や日中国交回復を機にした中国文化の再認識の中から、中国式食養生がわが国でブームになった。このとき使われた言葉が「薬食同源」や「医食同源」で日本での造語である。
古代中国では医師を4つのランクに分けた。周王朝の制度週間を述べた《周来》によれば、最高位の医師は「食医」、すなわち王の食事の調理・管理を任されていたのであった。食医に次ぐランクは「疾医」で今の内科医系医師。次は「瘍医」で今の外科系医師。ともに食事が治療の重要な位置を占めていた。4番目のランクは獣医であった。
古代中国では「薬」としての「食」の重要性が古くから指摘されており、その意味で「医」や「薬」が食と「同源」という思想は言葉こそなくとも中国医学の根幹をなすものであったことは事実である。(花輪寿彦・北里研究所東洋医学総合研究所所長)
http://www.naoru.com/isyokudougen.htm
野菜には3大栄養素といわれる、タンパク質、脂質、糖質だけでなく、ビタミンやミネラルが豊富に含まれていることはよく知られている。
ビタミンとミネラルを加えて、5大栄養素と呼ぶ。
野菜に含まれているビタミンやミネラルは、野菜自身が生きていくために最適なバランスを保っている。
いわば、ベストミックスである。
野菜を食べるということは、このベストミックスの補給を意味する。
また、植物は自分で動くことができないため、虫や紫外線などの有害物から自力で逃げることができない。
有害物から身を守る物資も常備しておく必要がある。
それがファイトケミカル(Phyto Chemical)と呼ばれる物質である。Phytoは、ギリシャ語で植物を意味する。
ファイトケミカルは、植物の葉、茎、樹皮、果皮、種子などに含まれる、色素、渋み、香りなどの成分の総称です。
石原結實の病気を治す「野菜力」』ナツメ社(0904)
野菜だけで十分、というわけにはいかないだろうが、野菜を無視した食生活はあり得ない。
先日「週刊文春110929」で気になる記事をみた。
『美人女医が教える40代から“脳力”を伸ばす法』である。
「美人女医」も気になるワードであるが、「脳力」は今の私にとっては切実な言葉である。
ボケの問題もあるが、片麻痺はまさに脳力の障害の結果だからだ。
何らかのヒントが得られないだろうか。
結論は、「運動と栄養と睡眠」であった。
当たり前のことではあるが。
運動をすると、筋肉から発せられた情報が脳を刺激して脳の活動が高まる。運動により、脳の海馬の新陳代謝がも高まるらしい。
1日8000歩を目標に、ということである。
身障者には高いハードルだ。
食物は抗酸化物質の摂取が重要。
トマト、アスパラ、パブリカ、ブルーベリーなどのカラフルな野菜や果物が有効とのこと。
赤ワインも抗酸化効果を持っている。ポリフェノールの一種であるレスペラトールという成分が海馬を活性化するのだという。
白ワインにはこの効果はないらしい。
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