諏訪湖畔の美術館と万治の石仏
諏訪湖畔のナナカマドが美しく赤く色づいている。
湖畔の道はウレタン(?)で舗装されていて、ウォーキングにもジョギングにも好適だ。
「週刊すわ」111021
また、湖畔近くの家屋がリンゴ園を営農していて、たわわに実った赤いリンゴが抜けるような青空に良くマッチしている。
湖の近くにはいくつかの美術館がある。
今日は北澤美術館とサンリツ服部美術館を訪ねた。
この2つの美術館は湖畔に並んで建っている。
北澤美術館は、株式会社キッツの創業者北澤利男が1982年に設立した美術館。
株式会社キッツは、東証一部上場のバルブ・システム機器等の流体制御機器の製造メーカーで、旧社名を北澤バルブというが、私などには北澤バルブの方が馴染みがある。
館のエントランス付近に、エミール・ガレの「ひとよ茸ランプ」が展示されている(下図左側)。
アール・ヌーボー期のガラス工芸のコレクションで有名だ。
サンリツ服部美術館は、セイコー-エプソンの元社長、服部正次・一郎父子のコレクションを中心とする。
何といっても、国宝の「楽焼白片身変茶碗 銘不二山」の収蔵で有名である。
本阿弥光悦の作品。
光悦茶碗中第一の名作と称される。桃山時代以来に制作された茶の湯の茶碗の中でも最も品格が高いといわれている。
両館で目の保養をした後、万治の石仏を尋ねた。
諏訪大社春宮の脇にある。
高さ2.7m、長さ4mの自然石(輝石安山岩)の上に、高さ63cmの仏頭がちょこんと載せられている。稚拙な感じが大きいが、それがかえって活き活きとして、一度見たら忘れることのできない異形の石仏である。
岡本太郎が「こんな面白いもの見たことがない」と絶賛した「万治の石仏」。異形と称されるのは、自然石の胴体に別の石で彫られた仏頭が載せられていることによる。石仏は、原則として一個の石から刻出されなければならないという。なぜ、このような類例のない石仏がつくられたのか。
http://home.s01.itscom.net/sahara/stone/s_chubu/013_manji/013.htm
伝説によると、諏訪・高島藩主が諏訪大社下社春宮に大鳥居を奉納するため工事を依頼し、石工がこの地にあった巨石にノミを入れたところ、そこから血が流れ出したので、石工が驚いて石に阿弥陀如来をまつったという。
何ともユニークな石仏である。
友人は「我が家の守り神にしている」と言っていた。
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