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2011年9月 7日 (水)

脳卒中リハビリ最前線/闘病記・中間報告(28)

4日放映されたNHKスペシャル『脳がよみがえる~脳卒中・リハビリ革命』は、脳卒中のリハビリにおける新しい動きを紹介しており、脳卒中患者必見だった。
Photo
https://www.nhk-ondemand.jp/goods/G2011031247SC000/
番組では、脳卒中患者数を279万人としていたが、この数値は厚労省の公表値134万人の約2倍である。
⇒2011年9月 5日 (月):東日本大震災と脳卒中リスク/中間報告(23)
おそらく、基準の算定が異なるのであろう。

ちなみに、厚労省の総患者数の定義は以下の通りである。
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kanja/05/05.html

総患者数(傷病別推計)とは
 総患者数とは、調査日現在において、継続的に医療を受けている者(調査日には医療施設で受療していない者も含む。)の数を次の算式により推計したものである。

総患者数=入院患者数+初診外来患者数+再来外来患者数×平均診療間隔×調整係数(6/7)

NHKの279万人がどういう基準に基づくのかは分からない。
リハビリ患者の中には介護保険対象者もいると思われるが、厚労省の総患者数の中には入らないのかも知れない。

脳梗塞にしろ脳出血にしろ、脳卒中そのものは血流の回復や止血で終わる。
しかし、脳細胞が損傷し、再生することがないため、脳の指令による身体あるいは精神の機能が失われる。
失われた機能を代償的にせよ回復させようというのがリハビリである。

リハビリには「半年の壁」があるといわれる。
回復曲線が半年でほぼ飽和する。
⇒2010年5月 9日 (日):中間報告(5)回復期リハビリについて
ただ、半年以降も回復不能というわけではない。
私は、発症後1年9カ月になろうとしているが、まだ改善途上にある(と思う)。

番組では、NHKの元解説委員の藤田太寅さんが体験を踏まえた(4年前に発症)進行役をやっていた。
鹿児島大学医学部の川平和美教授によるリハビリ。
理化学研究所脳科学総合研究センター脳信号処理研究チームによる脳波をブレイン・マシン・インタフェイスで外部化する研究。
慶応義塾大学病院の脳波を測定し、健常者との差異をフィードバックする研究。
大阪森ノ宮病院における環境が患者の意欲に与える効果の検証。
さまざまな先端的な試みが紹介されていた。

いずれも脳の力をどう引き出すかがKEYである。
図式化すれば以下の通りである。
<脳波→増幅→促通反復→回復>
その意味では、リハビリだけでなく、たとえば教育などにも応用できるものと考えられる。

以前に、左側が損傷されたら右側で代償するという慈恵医大の研究を目にしたことがある。
Tms20110816honki
http://www.47news.jp/feature/medical/2011/08/post-565.html
これらの先端的な療法が一般化すれば、患者本人のためはもとより、社会全体の医療費の低減に寄与するはずである。
早く多くの機関、施設で施術できるようにしてほしい。

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