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2011年9月14日 (水)

静岡空港の廃港と福島第一原発の廃炉

原発を今後どうするかについては、議論が分かれるだろうが、福島第一原発については廃炉にせざるを得ないだろう。
そのための工程とコストはどう考えられているのだろうか?
たまたま、静岡県と日航との間の訴訟が、和解の方向で決着しそうであるが、静岡空港もいずれ廃港の運命は避けられないと思う。
訴訟は、静岡空港からJALが撤退することに関し、運航支援金約1億5300万円を支払わないのは契約不履行として、日本航空が静岡県に支払いを求めた搭乗率保証をめぐって争われていた。

同県と日航は13日、東京地裁(甲斐哲彦裁判長)の和解勧告を受け入れる方針を表明した。
2009年7月の川勝知事就任以来続いてきた混乱は、県が日航に約1億5000万円を支払うことで決着する見通しとなった。
和解勧告で示された金額は、日航が求めた支援金より約300万円少ない。この差額は、日航が路線撤退を県に伝えた翌日の09年10月29日以降の支援金分とみられ、東京地裁が「日航が一方的に撤退を決めた」とする県の主張に配慮したとも受け取れる。支払いが遅れたことによる1000万円以上の遅延損害金は含まれていない。
このため、川勝知事は13日、記者団に「和解案にある精神を尊重したい。主張がほぼ完全に受け入れられたと思っている」と勝利宣言した。

http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20110914-OYT1T00377.htm

県民の立場からすれば、和解勧告案は実質敗訴という以外にないもので、「どこが勝利?」である。
川勝知事の「勝利宣言」というのは、建前上そう言うしかなったことは本人も理解していると思われる。
次のように語っていることからもうかがえよう。

川勝知事は「契約そのものが倫理的に見るとフェアとは言えない。日航が強欲、県が卑屈という旧来の体質が生んだもの。県民のほとんどが納得していない」とも述べ、最後には「悔しいですよ、そりゃ」と支払いに納得していない本音も明かした。
同上

私も、契約そのものが、いわゆる公序良俗の観点から問題だと思うが、搭乗率保証は前任の知事が結んだものである。
さらに遡って、空港の建設は前々知事の判断であるが、静岡空港が必要だという論理が良く分からない。
空港建設時から疑問の声は大きかったように思う。

静岡県内には東海道新幹線の駅が6つもあって、少なくとも県東部の人間にとっては、羽田空港の方がずっと近い。
西部の人は、中部国際空港セントレアがある。
海外からの誘客、いわゆるインバウンドが県の観光振興に必要だといっても、やはり羽田から新幹線を利用した方が便利だと思われる。

それに、立地条件が問題である。
静岡空港はお茶の産地に位置している。
お茶の産地として、霧の出る地域が好適なことはよく知られている。そもそも、お茶の産地と空港とは両立しがたいのである。
鹿児島空港なども、周辺は溝辺茶の産地であるから、最終的には便益と費用の対比であるが、静岡空港はどう考えても便益が小さく費用は大きい。

この先の維持管理費用を考えると、膨大な赤字を垂れ流すよりも、廃港という選択肢に傾かざるを得ないのではないか。
そのための費用を考えると公共事業は、的確な予測と評価が求められる。
民主党のマニフェストの象徴だった八ツ場ダムも結局どうなるのか?
作ることを決めた時の政権は自民党であるが、余りにも長い時間が流れてしまった。

福島第一原発の1号機の営業運転が始まったのは1971年3月だから、今回の事故まで、ちょうど40年である。
40年運転して、果たして採算的にどうだったのか?
原発の発電コストは「安い」と言われてきたが、事故の賠償や廃炉のためのコストをどの程度織り込んだ計算か?
廃炉について、解説記事を見てみよう。

廃炉とは何か?
「原子炉から使用済み燃料を取り出し、全ての施設を解体撤去する」
原子力安全・保安院の資料ではこう定義している。行政用語では廃止措置といい、最終的には更地に戻すことだ。

Photo_2
「福島の最大の課題は、燃料をどう取り出すかです」
電気に関わるエネルギーや環境問題を研究する財団法人電力中央研究所の井上正・研究顧問はこう語る。
・・・・・・
廃炉費用はどれぐらいなのか。各電力会社で作る電気事業連合会によると、2007年の試算で、原発1基約660億円。だが、井上顧問は「これだけの規模の事故後の廃炉だと、数百億円という単位では収まらないのでは」と語る。
      ■
これだけでもため息が出そうな作業だが、「溶けた燃料が取り出せるとは思わない」と語るのは勝田忠広・明治大准教授。反原発を訴えるNPO「原子力資料情報室」に在籍したこともある原子炉工学や原子炉政策の専門家だ。
・・・・・・
廃炉費用については「汚染がひどい放射性廃棄物が膨大で原発の建設費(1基3000億~4000億円)まではいかないが、それに近い数字になるのでは」と推測する

http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20110822dde012040014000c.html

気の遠くなるような数字である。
ライフサイクルコストを踏まえたコスト・ベネフィット分析が必要であろう。

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