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2011年9月28日 (水)

尖閣諸島中国漁船衝突事件の真相は?

尖閣諸島において中国漁船が海上保安庁の巡視船に衝突してきたのは、菅VS小沢の民主党代表選のさ中の9月7日のことであった。

2010年9月7日、尖閣諸島付近の海域をパトロールしていた巡視船「みずき」が、中国籍の不審船を発見し日本領海からの退去を命じるも、それを無視して漁船は違法操業を続行、逃走時に巡視船「よなくに」と「みずき」に衝突し2隻を破損させた。海上保安庁は同漁船の船長を公務執行妨害で逮捕し、取り調べのため石垣島へ連行し、船長を除く船員も同漁船にて石垣港へ回航、事情聴取を行った。9日に船長は那覇地方検察庁石垣支部に送検された。
Wikipedia

代表選に勝った菅氏は、9月17日に内閣改造を行った。

24日、国際連合総会開催中で菅直人内閣総理大臣および前原誠司外務大臣不在の中、那覇地方検察庁鈴木亨・次席検事が船長の行為に計画性が認められないとし、また日中関係を考慮したとして、中国人船長を処分保留で釈放すると突如発表。本決定を仙谷由人官房長官は容認。25日未明、中国側が用意したチャーター機で、中国人船長は石垣空港から中国へと送還された。
Wikipedia

この釈放については不可解なことが多い。
⇒2010年9月25日 (土):尖閣諸島事件の船長を釈放

その真相をする立場にいた松本健一前内閣官房参与が一端を語り始めた。
松本氏は、仙谷元官房長官の大学時代からの友人である。
⇒2011年8月20日 (土):菅批判を始めた松本健一内閣官房参与

菅直人政権で内閣官房参与を務めた松本健一氏は産経新聞社のインタビューに対し、昨年9月に起きた尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件で逮捕された中国人船長を処分保留のまま釈放したのは、当時の菅首相と仙谷由人官房長官の政治判断によるものだったと明らかにした。「政治判断」を否定した菅氏らの説明と大きく食い違う証言といえる。
松本氏は参与就任前だったが、仙谷氏から事件への対応について相談を受け、菅氏と仙谷氏とのやりとりを知る立場にあった。これまでにも当時の複数の閣僚や政府高官が「釈放は菅氏の指示で行われた」と証言していたが、実名で明言したのは初めて。
松本氏によると、昨年9月8日に船長が公務執行妨害容疑で逮捕された後、検察側が証拠となる漁船衝突時のビデオテープを首相官邸に届けた。それを見た官邸側が「テープ自体が証拠にならないとの致命的なミスがあり、公判にたえられず、有罪にもならないと判断した」という。

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110926/plc11092611290009-n1.htm

従来、仙谷氏らは「政治判断ではない」と主張してきたが、松本証言(?)はこれを覆すものであると言えよう。
松本氏は「官邸が証拠となる地検のビデオテープに瑕疵があり、起訴しても公判にたえられないと判断した」と説明したが、那覇検察審査会は、7月21日、ビデオを含めて証拠を判断したうえで、中国人船長を強制起訴すべきだと議決した。
検察審査会の判断も絶対ではないが、事前に政治が判断したことは今後さまざまな立場から検証されるべきであろう。
自民党は証人喚問に動いている。

自民党は27日の衆院予算委員会理事会で、昨年9月に尖閣諸島沖で発生した中国漁船衝突事件への対応をただすため、菅前首相と仙谷由人元官房長官、松本健一前内閣官房参与の証人喚問を要求した。
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20110927-OYT1T01209.htm

尖閣問題については、井上清『「尖閣」列島―釣魚諸島の史的解明』第三書館(9610)(現代評論社版は1972年)などは、はっきり中国領であるとしている。
井上清といえば、文化大革命を賛美していたことで知られる。つまり、明確に親中国の立場に立っていた。

高知県出身。東京帝国大学文学部国史学科を出て、羽仁五郎の指導を受けた。
・・・・・・
また、同じ時期には
文化大革命全学共闘会議の活動を支持し、この立場から日本共産党を攻撃する発言をしたことにより1967年に日本共産党を除名された。1968年に大塚有章が創立した毛沢東思想学院の講師としても、精力的に活動した。
京大生であった
山崎博昭の追悼集会にて追悼文を読み上げた。
1972年10月に『「尖閣」列島--釣魚諸島の史的解明』(現代評論社)を発表し、日本の尖閣諸島領有は国際法的に無効であると主張。
昭和から平成へと代わる時期に、元号問題について「元号ではなく、西暦を採用すべきだ」という趣旨の発言を行った。
1997年
中国社会科学院から名誉博士号を授与される。
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私は上記履歴をコピーしていて、井上氏が、「歴史家というよりも、彼自身があの時代を象徴する歴史的な存在だった」のではないかと思う。
菅、仙谷両氏は、松本発言について、説明すべきである。
同時に、尖閣諸島の史的事実関係について、たとえば井上清見解についての現時点での判断についても説明すべきではなかろうか?

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