東日本大震災と脳卒中リスク/闘病記・中間報告(27)
患者数が多くて、死亡率も高い疾病は、医療政策においても注力すべき病気である。
厚生労働省は、2006年に「がん、脳卒中、心臓病、糖尿病」の4疾患について、都道府県が疾患ごとに専門的な医療を行う中核病院を明記するとともに、急性期からリハビリ、在宅診療に至るまでの連携体制を整備したり、数値目標を設定したりする医療計画を策定することとした。
医療計画の4疾病の患者数は、がん(悪性新生物) 152万人、脳血管疾患 134万人、虚血性心疾患 81万人、糖尿病 237万人(2008年患者調査)。
一方で、精神疾患の患者数は323万人であり、4疾病の患者数よりも多くなっている。
背景には、職場におけるうつ病の増加や、高齢化による認知症患者の増加などがある。
脳血管疾患(脳卒中)の患者数は漸減する傾向にあるが、社会復帰のためのリハビリテーション体制等において、依然として課題は多い。
また、東日本大震災の被災地における脳卒中リスクの増大が指摘されている。
日本脳卒中学会(理事長=小川彰・岩手医科大学長)は7月31日、東日本大震災による生活環境の悪化などで、脳卒中の発症者が被災地で増加する危険性があるとして、政府に対し、速やかな環境改善と脳卒中予防体制の整備を求める声明を発表した。
声明では、被災者の生活・健康環境はますます悪化しており、血圧レベルの上昇や、高血圧者の増加がみられると指摘。こうした状況が、もともと脳卒中発症の多い地域で今後さらに増加する恐れがあることを強く示しているとして、「国民病と称される脳卒中が被災地で増加することを看過できない」と訴えた。その上で、政府には、「被災者の生活・健康環境の改善」と「強力で有効な脳卒中予防体制の整備」を強く求めている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110801-00000002-cbn-soci
避難所の映像を見るだけでも、血圧が上がりそうな気がする。
野田内閣に実効性のある対策を期待する。
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