台風12号による降水被害/花づな列島復興のためのメモ(3)
それにしてもすさまじい降り方というしかない。
台風12号による和歌山、奈良両県への降水は大きな爪痕を残した。
まさに災害列島である。
静岡新聞110906
紀伊半島の降雨量が多いのは小学生の時から知っている。
しかし、1回の降水量が1800ミリを超えるとは。
大阪管区気象台によると、8月30日午後6時の降り始めからの総雨量は、奈良県上北山村で1800ミリを超え、鉄砲水で村営住宅2棟が流された十津川村も1300ミリを超えるなど、記録的な大雨を観測。上北山村の年間雨量の平年値は2713.5ミリで、わずか5日で年間総雨量の6割以上が降った計算だ。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110905/dst11090509170005-n1.htm
リサーチャーの頃、「俗にバケツをひっくり返したようなという表現があるが、どの程度の雨をいうのか」と当時の建設省の人に訊いたことがある。
その時の答えが確か<30ミリ/時>だった。
1800ミリといえば、そのような雨が60時間ぶっ続けで降ったことになる。
<平均30ミリ/時>が、60時間である。ちょっと想像できない。
それこそ「想定外」と言いたいところだろう。長年住んでいる人が、経験したことのないような降り方だったという。
まさに記録破りである。
この雨の降り方は以下のように解説されている。
http://mainichi.jp/select/opinion/closeup/news/20110905ddn003040019000c.html
紀伊半島は、太平洋に突き出て三方を海で囲まれている。
12号の場合、台風の東側に位置したため、南の海上から暖かく湿った空気が吹き込んだ。その風が紀伊山地で上昇して冷やされ、発達した雨雲が次々と形成された。
12号は、進行方向に張り出した太平洋高気圧と大陸からの高気圧に行く手を阻まれ、きわめてゆっくりとしたスピードで北上した。
このため、湿った空気が長時間にわたって紀伊半島に供給され続けた。
まさに災害列島である。
「コンクリートから人へ」という民主党のスローガンも霞んでみえる。
しかし、自民党時代のような公共事業にも限界があることは明らかである。
TVの映像の様子では、伐採された材木が流されたようだ。
森林は国土保全の機能があるといわれる。いわゆる公益機能である。
戦後日本社会は、あまりにも経済性に特化しすぎたのではないか。
林業は国際的な競争力を持たないといわれている。
しかし、国土を守る価値をどう評価しているのだろう。
被災地には大量の丸太が散乱していた。山の荒廃を思わせる光景だ。林業には間伐が不可欠だが、倒した木を山中に放置する「切り捨て間伐」の増加が問題になっている。病害虫の温床になる上に、大雨で山肌を下る水や川の流れをせき止めて、被害を拡大させる一因となり得るからだ。
・・・・・・
大型台風に代表される気象災害への備えには、山林などの生態系が持つ潜在力を再生させる工夫も必要だ。今年は「国際森林年」でもある。防災用ハザードマップの整備や適切な避難行動と合わせて被害の軽減に取り組みたい。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110906/dst11090603180002-n1.htm
民主党だけではない。自民党時代から、余りにも安易に「大衆受け」をする政策を選択し続けたのではないか。
国土を保全する機能を持たない限り、そしてそれはコンクリートだけでは不可能であろうが、国力が次第に衰えて行くことは避けられないだろう。
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