疑惑にフタをしたまま菅首相は退任で幕引きを図るのか
菅首相の北朝鮮親密団体への献金疑惑について、首相は説明をする気はないようである。
一体、闇の中の真相はどうなっているのか?
⇒2011年7月18日 (月):市民には快挙の感動が湧き、市民運動家には疑惑が明らかに
⇒2011年7月22日 (金):拉致問題への菅首相の係わり
⇒2011年8月 1日 (月):次第に明らかにされていく菅首相の献金疑惑の闇
⇒2011年8月 3日 (水):形式的な法令遵守(コンプライアンス)だけでは問題を見逃す
⇒2011年8月14日 (日):退陣菅内閣の「7つの大罪」論と後継内閣の責務
TVでは、「たかじんのそこまで言って委員会」など、ごく限られた番組の中でしか取り上げられていないようである。
http://johokosa.blog98.fc2.com/blog-category-58.html
菅首相の説明といえば、「政治資金規正法にのっとって寄付をし、収支報告にきちんと記載しており、法令に沿っている」とか「ローカルパーティー(地域政党)との連携・支援のため」と、木で鼻をくくったようなものだけである。
このような形式論で済まそうとしていること自体が、疑わしさを増幅していることを考えるべきだ。
退陣を決意したのも、この問題を追及されるのを恐れてだったのだろうか?
しかし、退陣によって事実が消え去るわけではない。
産経新聞の報道によれば、この献金の構図にはきわめて不自然なところがある。
菅首相の資金管理団体「草志会」は平成19~21年、めざす会に計6250万円を献金。特に19年は4月15日~12月28日に計8回に分け、規正法で定められた上限額の5千万円を献金している。
この19年の献金をめぐり、矛盾が浮かび上がる。収支を日付順に並び替えてみると、草志会が5月8日にめざす会へ500万円を支出した段階で、草志会の資金残高がマイナスになることが判明したのだ。その後、5月25日に民主党本部から3千万円を受領するまでは現金が足りない状態が続く。借入金などの記載はない。
元東京地検特捜部副部長の若狭勝弁護士は「帳簿上の金額が不足した状態での献金は不可解。不透明な借入金の存在なども考えられ、首相には説明責任が求められる」と話す。
・・・・・・
自民党の「菅首相拉致関係献金疑惑追及プロジェクトチーム」の古屋圭司座長は、地方議員からの献金が最終的に市民の党に流れており、一団体に対する個人献金の年間上限額の150万円を超える形になるのではないかと指摘。「(民主党の団体を使った)迂回献金に当たるのではないか」との見解を示している。
一連の疑惑について若狭弁護士は「水面下で何らかの動きがあったと疑わざるを得ないが、違法性を問うことは容易ではない。刑事事件として徹底的に捜査を進めることでしか、疑惑を明らかにすることは困難だろう」としている。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110820/crm11082001300001-n1.htm
小沢一郎氏の「政治とカネ」の問題については司法的な決着がつけられようとしている。
予断ではあるが、仄聞するところでは、強制起訴自体がムリ筋だったようである。
政治家の場合は若干事情が違うとは思うが、推定無罪の原則は遍く適用されるべきであろう。小沢氏に「党員資格停止」という判決を下した執行部の判断の是非が問われることになろう。
元外交官の佐藤優氏は、菅首相が説明できないのは政治思想の欠如に原因があるとし、次のように言う。
「やりたいことがあるのではなく、ただ首相になりたいだけ」。政治的な目標や信念を達成したいという思いではなく、権力の座に就きたいという欲求しかない。むしろ、よど号犯や左翼集団に共鳴している方が政治家としてまだ正常だといえる。
権力を手中に収めるために、利用できるものは何でも利用するという節操のなさ。菅首相の存在は国家観や信念を欠いた現在の日本社会を象徴する姿であり、言いようのない不気味さを感じる。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110820/crm11082001300002-n1.htm
奇しくも、松本内閣官房参与と同様の人物評である。
菅氏も、刑事事件として捜査される前に自ら説明責任を果たすことが総理の座にあったものの最低限の務めではないか。
| 固定リンク
「ニュース」カテゴリの記事
- スキャンダラスな東京五輪/安部政権の命運(94)(2019.03.17)
- 際立つNHKの阿諛追従/安部政権の命運(93)(2019.03.16)
- 安倍トモ百田尚樹の『日本国紀』/安部政権の命運(95)(2019.03.18)
- 平成史の汚点としての森友事件/安部政権の命運(92)(2019.03.15)
- 内閣の番犬・横畠内閣法制局長官/人間の理解(24)(2019.03.13)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント