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2011年8月20日 (土)

菅批判を始めた松本健一内閣官房参与

まさに菅政権の末路というべきときである。
松本健一内閣官房参与の菅批判が目につく。
松本氏といえば、20代で『若き北一輝』を書いて注目を浴びた人だ。右翼のエース格を左翼の視点で捉えたと言えようか。
彼の北一輝研究の集大成は、『評伝 北一輝』として、岩波書店から全5巻で刊行された。

その松本氏が、なんで菅内閣の官房参与に、と思っていたら、当時(10年10月)の官房長官・仙谷由人氏と東大の同級生とのことである。
松本氏の菅批判の1つは産経新聞の「復興ビジョン、首相に握りつぶされた」と題するインタビュー記事である。

松本健一内閣官房参与は18日までに産経新聞社のインタビューに応じ、仙谷由人官房副長官が中心となり東日本大震災の「復興ビジョン私案」を3月中に作成したが、菅直人首相はいったん了解しながら最終的に握りつぶしたことを明らかにした。 首相はその後肝いりで「復興構想会議」(議長・五百旗頭真防衛大学校長)を発足させ、会議は6月25日に提言をまとめたが、松本氏は「提言に私たちの案を超える内容は一つもなかった」と打ち明けた。
首相は「仙谷氏が脚光を浴びるのは面白くない」と考え私案を握りつぶしたようだが、これにより復興施策は大幅に遅れた公算が大きい。松本氏は「首相は自分が脚光を浴びつつ『よくやった』と喝采されたいところがある。国民の方を基本的に向いてこなかった」と指摘した。

松本私案の内容がどんなものだったのか分からないが、仙谷氏の態度から推察するに、事実であった可能性が高いと考えられる。
余りにレベルの低い話ではないだろうか。
松本氏は続ける。

東日本大震災発生から5カ月間、首相官邸は空転し続けた。首相は「人間の配置」「法律化のための手順」「お金」の3つをすぐに考えられないといけないんだけど、菅直人首相はそれができない。
「原発を止めろ」というのは思いつきなんだけど、その先の電力の手当てをどうするか。人を使うならその人に任せて「オレが責任をとる」と言わなければならないのに、すべて「自分が自分が」となってしまうんだな…。

しかし、今頃になって批判してもなあ、と思ってしまう。
震災後一刻も早く退陣していれば、少しは状況が変わっていたのではないかと思う。
松本氏は、「週刊文春」110825でも、『菅官邸被災地を見殺しにした「戦慄の内幕」』という“怒りの独占告白”を載せている。

松本氏が首相との会談内容をオープンにして問題になったことがある。
福島第1原発の半径30キロ圏の避難・屋内退避区域について、少なくとも10年間は居住が困難との認識を示したと言ったのに、首相が「私が言ったのではない」としたのだ。
⇒2011年4月14日 (木):本当に精神異常?/やっぱり菅首相は、一刻も早く退陣すべきだ(6)
改めて報道記事を引用しておこう。

松本氏は首相との会談後、記者団に首相の発言内容を説明し「原発周辺に当面住めない。10年、20年住めないとなると、住むのが不可能になる」と首相が語ったとした。しかし、この発言が報道されると、首相が松本氏に電話し「私はそういうことは言っていない」と抗議。松本氏は改めて記者団を集め釈明する一幕があった。
http://mainichi.jp/life/housing/news/20110414k0000m010090000c.html

このときの会談には以下のような背景があったことを松本氏が明かしている。

四月十二日に原発事故の評価が史上最悪のレベル7に引き上げられました。十三日には現地で調査活動をしていた京大原子炉実験所の今中哲二助教が、福島県飯舘村の土壌から一平米当たり二千二百キロベクレルのセシウム137を検出し、「人が住むのに適したレベルではない」と発表していました。
・・・・・・
実は文科省も同様のデータを持っていたのですが、「パニックになる」という理由でずっと隠していたのです。

やっぱり「そうだったのか!」と言いたい気持である。
確かにパニックは回避された野かも知れない。
⇒2011年5月27日 (金):情報の秘匿によりパニックは回避されたのか?/やっぱり菅首相は、一刻も早く退陣すべきだ(37)
しかし、その代償に、「人が住むのに適したレベルではない」場所に住んでいたのである。

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