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2011年7月28日 (木)

小松左京氏を悼む/追悼(13)

小松左京さんが亡くなった。

「日本沈没」「復活の日」などのベストセラーで知られ、日本SF界を代表する作家、小松左京(こまつ・さきょう、本名実〈みのる〉)さんが、26日午後4時36分、肺炎のため大阪府箕面市の病院で死去した。80歳だった。
・・・・・・
1931年、大阪市生まれ。京都大文学部卒。在学中にモリミノルの筆名で漫画を描き、同人誌などに小説を発表。作家の故高橋和巳とは学生時代からの同人誌仲間だった。
61年、「SFマガジン」誌のコンテストで「地には平和を」が入選。以後、生物兵器ウイルスと核戦争による人類滅亡を描いた「復活の日」や社会性の強い「日本アパッチ族」、超能力者スパイをめぐる活劇「エスパイ」、第6回日本SF大賞受賞作「首都消失」、自ら映画監督も務めた「さよならジュピター」など多くの話題作を送り出した。
中でも、当時の地球物理学の最新研究を織り込み、地殻変動で日本列島が海に沈む「日本沈没」(73年)は400万部のベストセラーに。危機に直面した国家と日本人の姿がセンセーショナルな話題を呼び、ドラマ、映画化もされ、一大ブームを起こした。

http://www.asahi.com/obituaries/update/0728/OSK201107280178.html

東日本大震災が起きたその年に亡くなるというのも因縁だろう。
私は、「3・11」が想像を絶するような規模であることを知って、多くの人がそうだろうが、すぐに『日本沈没 小学館文庫』(0601)を連想した。
⇒2011年3月12日 (土):想像を絶する激甚災害へ対応するための体制を
⇒2011年3月16日 (水):『日本沈没』的事態か? 静岡県東部も震源に
ちなみに光文社ノベルズとして『日本沈没』が刊行されたのは、1973年のことである。

上記の記事にもあるように、高橋和巳と大学時代からの親友であった。
作風からは、小松の陽、高橋の陰と反対の印象を受けるが、二人ともかなり破天荒であったのではないか。

私の記憶に残っているのは、『日本アパッチ族』である。1964年の作品で、学生時代のつれづれに読んだ。
内容は全く異なるが、万城目学さんの原作の『プリンセス・トヨトミ』という映画を観たとき、この小説を思い出した。
京大の先輩・後輩の間柄であるが、まあ関係はないだろうなあ。
⇒2011年6月 7日 (火):『プリンセス トヨトミ』

Wikipedia110728最終更新は、『日本アパッチ族』の誕生背景を以下のように解説している。

大学時代から、神戸一中の同級生たちと結成していたアマチュア劇団でも、戯曲執筆・演出・出演を担当していた。この時、オーディションに来た女性に一目ぼれして交際し、1958年に結婚。だが、生活は苦しく、妻の唯一の楽しみであるラジオを修理に出してしまったため、当時大阪に出現していた「アパッチ族」をモデルにした空想小説(カレル・チャペック『山椒魚戦争』にインスパイアされている)を書いて、妻の娯楽にあてた。この作品が、後の長編デビュー作『日本アパッチ族』の原型となった。

カレル・チャペックの『山椒魚戦争 #岩波文庫#』(栗栖継訳 (1978)については触れたことがある。
⇒2010年5月23日 (日):「恐竜の脳」の話(4)山椒魚
カレル・チャペックは、ロボットという語を作った人である。

日本沈没』の背景知識として重要なのは、プレート・テクトニクス理論である。
一般人向けの啓蒙書としては、竹内均・上田誠也『地球の科学―大陸は移動する (NHKブックス 6)』(6404)が最初であろう。
⇒2011年7月15日 (金):日本人はムー大陸から来た?/やまとの謎(36)

原発事故は、否応なしに科学技術の持つ意味を考えさせられる。
それは、小松さんの生涯をかけたテーマでもあったといえよう。

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コメント

こんにちは。
コメントありがとうございます。
梅棹さんや高橋さんや開高さんやといった関西系の人たちとの交流はわかりますが、三島由紀夫もその才能を嫉妬していたらしいという話も聞いたことがあります。
寂しいものです。

投稿: kimion20002000 | 2011年7月31日 (日) 00時30分

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