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2011年7月 7日 (木)

原発迷走で、閣内不一致は明らか。海江田大臣は辞任すべき(かどうか)

菅首相が前言を翻した。
昨日の国会答弁で、「自分の退陣について、自分で言ったことはない」とした。
確かに民主党の代議士会の演説で、「自分にはお遍路の宿題もある。若い世代に引き継ぎたい」などと言って、退陣を匂わせはしたが、明言したわけではなかった。
しかし、多くの人が「退陣表明」だと理解したのも事実である。
民主党の反菅といわれる人のほとんどが反対票を投じたのも、各紙が号外まで出して報じたのも、退陣の意思表示だと理解したからであろう。
そして、現在民主党執行部でさえ、早く退陣すべし、と言っているのも、当然退陣は折り込み済みの合意事項だと考えているからであろう。

どこかの時点で退陣することは必然であり、ニュースにもならない。号外を出したのは、ごく近い将来に、ということの理解と同義であろう。
⇒2011年7月 2日 (土):国難の時に政府が機能不全という最大不幸
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結果的に、これらの号外は「世紀の大誤報」だったということになる。
しかし、これはやはり詐欺師の手口と言わざるを得ないだろう。
⇒2011年6月 8日 (水):菅首相は一流詐欺師(ビッグコンマン)たりえたか?

繰り返しになるが、詐欺師の手口とは以下のように定式化される。
⇒2009年5月 4日 (月):詐欺の第一段階としての錯覚誘導
⇒2009年5月 5日 (火):詐欺の第二段階としての瑕疵ある意思決定
⇒2009年5月 6日 (水):詐欺の第三段階としての財物の受け渡し

あるいは、首相は、「誤解をした者が悪い。私はそう言ったのではない」と言いたかったのかも知れない。
しかし、早期退陣という理解が錯覚だったにしても、大多数がそう錯覚するように誘導したのである。
したがって、昨日の国会で、石破茂氏が一事不再議の慣習に言及したが、私も、意思決定に瑕疵があり、その瑕疵が明らかに誘導された錯覚にある場合には、再議もあっていいのではないかと考える。
錯覚は本意ではなく、国会の議決は本意でなされるべきだと思うからである。

上の「沖縄タイムズ」紙記者(?)は次のように書いている。

参議院選挙に敗北し、統一地方選挙に敗北し、震災対応もままならず、原発事故では国中から批判を受け、遂に与野党ともに菅総理では国が持たないと提出された内閣不信任決議案に対し、それが可決されそうになるや与党民主党の議員に対し退陣を表明し、不信任案の否決を呼びかけ、あたかも辞任するかの如くの偽装を行い、造反議員に反対票を投じさせ、不信任決議案が否決されるや直後の会見で辞任には条件があると云い出し、それは復興目処だと云いだしたのである。
これまでの自民党政権時の議会制民主主義では、全く聞いた事がない、内閣総理大臣が退陣を偽装し、内閣不信任決議案を否決すると云う前代未聞の事態が起きたのだ。
小紙は、菅首相が退陣を表明し、それを受けて293人もの与党議員が反対票を投じた時点で、民主党が挙党一致になれると喜んだがヌカ喜びに過ぎなかった。
採決が行なわれた後に、岡田幹事長が鳩山前首相との会談は非公式なもので、辞任するとは云っていないと云いだしたのである。
つまり、鳩山前首相の錯誤であったと云うのだ。
即ち、自らが辞任するとの弁は、偽装に過ぎず、造反議員を錯誤させ、反対票を投じさせるためのものでしかなかった。
しかしながらさような国会の議決に関する事項に関し、当の国会議員を錯誤に陥らせ、誤った結論に導くようなことが許されて良いものだろうか。
是で小紙は確信した。
おそらく先の代表選でのサポーター票もペテンであろう。
いわくこの政党はペテンを行なうとんでもない政党であることが浮かび上がって来たのである。
つまり、政権維持のためなら、SPEEDIの情報も隠蔽するし、官邸の原発情報でさえ書き換える。
皆さん、さような退陣偽装を平気でやるような政党にもう政権を任せてはおけないだろう。

http://www.olive-x.com/news_30/newsdisp.php?n=109717

以前、耐震偽装が大問題になったが、タイシンならぬタイジン偽装は濁点が付いている分汚れもヒドイ、などと冗談を言っている場合ではない。
もう、この人の信憑性は限りなくゼロに近いが、昨日、原発に関し重大な政策変更を行った。
日経新聞の朝刊は、次のように報じている。

菅直人首相は6日、原子力発電所の再稼働や安全性確認に関する従来の政府方針を覆し、新たな原子力行政の制度や法案づくりに意欲を示した。退陣を表明した末期政権の首相が重要政策で新たな方向性を示し、これまでの見解を覆すのは例がない。原発が立地する自治体には戸惑いと不信が、与野党には「原発問題を長期化させて政権の延命を図る思惑か」との疑心暗鬼が広がった。

Photo_4 私も、原発にストレステストを実施することにまったく異論があるわけではない。
しかし、なぜ、いま、それを言い出すのか、である。
中電に浜岡の一時停止要請をした時に、わざわざ「浜岡は特別」などと言ったのか。
私は、浜岡の停止要請に賛成であるが、その根拠には疑問を感じる。
⇒2011年5月 7日 (土):唐突に浜岡原発の運転中止要請/やっぱり菅首相は、一刻も早く退陣すべきだ(23)

同じことであるが、ストレステストを実施すること自体に反対する人は少ないだろう。
しかし、左表にある通り、6月19日の段階では、ストレステストを行うことなど、まったく考えていなかったと思われる。
百歩譲って、考えを改めたのならば、それも結構なことだろう。
しかし、唐突に、思い付きで言われるのは如何かと思う。
玄海町の町長が「町を小バカにしている。熟考を重ねて下した私の同意判断は無駄だったことになる」と憤り、同意判断を白紙撤回したのももっともである。

要するに、判断過程が透明ではないのである。
したがって、場当たり的なその場しのぎのように受け止めざるを得ないのだ。
松本前復興相の暴言は自爆テロとの見方がある。
松本氏には福岡空港に関する利権話もあり、深読みし過ぎだと思うが、そうかも知れないという気にもなる。
海江田大臣はよく我慢していると思っていたら、先ほど「辞任を示唆」というTVニュースが流れた。
いよいよ、末期的症状である。

いまや細野氏は、すっかり菅親衛隊の如くである。
新風見鶏という、決して褒め言葉ではない呼び方をされているようだが、「国民がパニックになるから情報を出さなかった」という発言を忘れてはならないだろう。
パニックにならない代わりに、被曝してしまった、あるいは被曝してしまったかも知れないという不安にさいなまれる人々に対して、どう釈明するのか?

菅首相が、「脱原発」をシングルイシュ―に解散総選挙を行うとの観測もあるが、今や「脱原発」自体は、国民のコンセンサスというべきであり、イシュ―になり得ないのではないか。
それとも、そういうコンセンサスに至ったのは自分の手柄などと言うつもりなのだろうか。

一方、玄海原発再稼働に向けた佐賀県民への説明番組で、九州電力が原発賛成の「やらせメール」を出すよう指示していたということが明らかにされた。
政府や電力会社のような権力あるいは強者が偽装するとはどういうことであろうか?

インターネット上では放送があった先月26日以前から、やらせメールの存在が暴露されており、九電の姿勢を皮肉る複数の例文がネットユーザーらによって用意されていたことが分かった。
「明日の説明会で、九電がグループをあげて佐賀県民を装って発電再開容認のメールを送るよう業務命令が出されている」
6月25日、ツイッターなどで、こんな情報が出回った。参加の方法なども詳しく記されていたため、報道各社は九電側に事実関係を問い合わせたが、広報は真っ向否定。しかし、共産党の日刊機関紙「しんぶん赤旗」は7月2日付で「九電が“やらせ”メール」などと報じていた。

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1107/07/news062.html

偽装国家は自民党政権の専売ということではないようである。
⇒2007年9月 2日 (日):偽装国家
自民党の場合は「やっぱり」という感じであったが、市民性をウリにしてきた菅氏は、より罪が深いというべきであろう。
権力の魔性とでもいうものであろうか。
しかし、政府の質は、国民の質の反映であることを思うならば、問われているのはわれわれでもあることを肝に銘じたい。

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