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2011年7月25日 (月)

菅首相のいわゆる「退陣三条件」なるものについて

菅首相が、自分が退陣する条件として次の法案の成立を挙げ、それが当たり前のことのように報じられている。
・2011年度第2次補正予算案
・特例公債法案
・再生エネルギー特別措置法案
しかし、考えてみれば、これは奇妙なことではないか。
首相が通したい法案が通れば退陣し、通らなければ退陣しないとは。
ごく自然に考えれば、逆はあり得ても、法案が通れば退陣するというのはおかしな話だ。

これらの案件の状況は以下のようである。 

2次補正は25日の参院予算委員会を経て、同日夕の参院本会議に緊急上程され、民主、自民、公明各党など与野党の賛成多数で可決、成立する。
また、14日の衆院本会議で審議入りした再生エネルギー特措法案は、26日にも衆院経済産業委員会で参考人質疑を行い、審議を進める日程を与党は描いている。与党は修正協議を本格化させ、8月初めに衆院通過させたい考え。
最大の焦点は、赤字国債発行に必要な特例公債法案だ。民主党は22日、同法案成立への協力を取り付けるため、自民党の求めに応じて衆院選マニフェスト(政権公約)の不備を認め、陳謝。子ども手当の修正も新たに提案し、自公両党は26日に回答する。民主党は特例公債法案について「来週中には(衆院財務金融委員会での)採決の環境を整えたい」(
安住淳国対委員長)としているが、合意の道筋はまだ見えない。
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2011072300166

私は、これらの案件は、菅総理の去就に関係なく、必要なものは可決し、不要なものは否決すればいいと考える。
逆にいえば、これらの案件に係わりなく、菅総理はなるべく早く退陣すべきだろう。
いまや管氏がいろいろなことの障害になっていることは明らかである。復興のためには、まずガレキをどかさなければならないが、その意味でまさにガレキ化している。
⇒2011年5月30日 (月):王様は裸だ、いやガレキだとの声も/やっぱり菅首相は、一刻も早く退陣すべきだ(39)

国会は衆参が逆転した状態で、しかも参院の方が直近の民意を反映しているともいえる。
少なくとも、菅首相下で行われた唯一の国政選挙や統一地方選挙は明らかに政権与党の敗北であった。
各種の世論調査の支持率も惨憺たるものだ。

私は、このような状態は、政策の問題でもあるが、より大きくは菅氏の人間性に由来する問題だと考える。
⇒2011年3月18日 (金):菅首相の器のサイズと事態の深刻さのミスマッチ
⇒2011年4月14日 (木):本当に精神異常?/やっぱり菅首相は、一刻も早く退陣すべきだ(6)
⇒2011年7月22日 (金):拉致問題への菅首相の係わり

政策論の問題でもなければ、ひところネット上の検索で、「菅無能?」が話題になったように、有能か否かの問題でもない。
人間性とか人柄といった範疇の問題である。
先ごろ首相補佐官を退任した馬淵澄夫氏は以下のように言う。

「個人的に深く付き合いがあるわけではない。雑談の中で人柄がうかがえるというのがあるじゃないですか。(首相とは)そういう場面はほとんどなかった…」
補佐官退任後、メディアへの露出が増え、そこでは東京電力福島第1原発事故をめぐる政府の対応を「隠蔽(いんぺい)体質」などと真っ向から批判している。
http://www.sankei.jp.msn.com/politics/news/110724/stt11072422390002-n1.htm

課題は山積している。
国会もマスコミも退陣条件云々とかしましいが、時間を空費してはならないはずだ。

退陣3条件のほかに、東京電力福島第1原発事故の賠償支援の枠組みを定めた原子力損害賠償支援機構法案と、原発事故被害者への賠償金を国が仮払いする野党提案の法案に関しては、民主、自民、公明の3党が22日に修正で大筋合意した。
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2011072300166

原発事故被害者の救済は十分に行うべきであるが、原子力損害賠償支援機構法案には問題もあるようである。
また、放射性セシウムが検出された肉牛の問題は、全国的な広がりとなっている。
⇒2011年7月19日 (火):拡大する放射能汚染と補償の範囲/原発事故の真相(5)

肉牛の問題は、適正な措置さえ講じていれば防げたという意味で、人災である。
国民が放射能汚染に怯えているのに、まだ思いついたイシューで延命を図ろうとしている。
再生エネルギーの利用を促進するのは結構だが、太陽光発電も、さまざまな課題を解決しなければ実用的ではない。再生エネルギーの買い取りを急いで制度化しなければならない必然性はないのだ。
目先を変えることで難局を凌ごうとすると、さらに大きなツケが回ってくるのがオチである。

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コメント

 再生可能エネルギーは、太陽光だけじゃないですし。

 「急いで」、と言うより、「菅首相が在任中」に、買い取り法案の成立(≒諸々の再生可能エネルギーの普及への基本の一つ)をやっておかないと、多分、誰もやってくれないんですよ。

投稿: ポポイ | 2011年8月 9日 (火) 22時44分

ポポイ様

私は、再生可能エネルギーの利用促進に反対しているわけではないことは、書いた通りです。
しかし、「買い取り法案」には、以下で論じられているような問題があると思います。
http://news.livedoor.com/article/detail/5642461/
いま、すなわち、「菅首相が在任中」に、しかも「退陣と引き換えに」ということに疑問があります。かれは既にレッドカードを出されていると思います。

投稿: 夢幻亭 | 2011年8月10日 (水) 03時12分

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