菅・蓮舫は、なでしこジャパンの快挙に便乗しようとするオポチュニスト
蓮舫首相補佐官(前内閣府特命大臣)が、ツイッターで、「なでしこJapan、優勝!!すごいです」と、祝意の書き込みをしたら、炎上の憂き目にあったと報じられている。
「白々しい。スポーツ振興も仕分けしたくせに」
「2位じゃダメなんです!!!」
なでしこジャパンがW杯で優勝した2011年7月18日朝。蓮舫氏がその歴史的快挙を称えると、ツイッターでは、こんな皮肉や嫌みの声が次々に上がった。それは、09年11月25日の事業仕分けで、スポーツ振興などの補助金を「予算縮減」と判定したことを指したものだ。
この仕分けで、蓮舫氏は、日本オリンピック委員会(JOC)や日本体育協会など同じような団体が広く薄く事業をしているとし、その効果に疑問を呈した。ほかの民主党議員からも、メダルが取れないようなマイナーな競技も選手強化の対象になっているとの指摘が出て、予算縮減に際して役割分担の見直しなどが求められた。
ところが、この判定に、一部競技の五輪メダリストらから、自己負担が増えて、メダルも取れなくなるなどと不満が噴出。その記者会見の模様が、テレビ放映される騒ぎにもなった。
http://www.j-cast.com/2011/07/19101825.html
私は、蓮舫氏が個人的に祝いの言葉を書き込むのは勝手だと思うが、余りにも身勝手、と考えた人が多いということだろう。
もちろん、劇場型の政策の仕分け自体に、ポピュリズムというか、あえて言えば衆愚のような感じもしていたのだが。
文化大革命の紅衛兵みたいな感じ、といえようか。
批判の書き込みは、たとえば以下のようなものである。
仕分けをした方とされた方,皮肉な結果になりましたね。
「した」方は,強大な権限と巨大な予算を行使して,何の成果も上げられず。ボーナス600万以上もらいながら,やったことはファッション誌のモデルだけ。
「された」方は,給料0~20万で世界一。
復興に向かう日本にとってどちらが有用であったか言うまでもありません。
昔の武士なら切腹でもしてたんだろうけど,今の政治屋にそんな度胸もないだろうしなあ。
http://www.j-cast.com/2011/07/19101825.html?ly=cm&p=1
ツイッターというメディアには、当然のことながら、メリットもあるが、リスクもある。
蓮舫氏にとっては「想定外」の事態だろうが、私は、オポチュニストとしてのにおいを嗅ぎ取った批判であるのではないかと思う。
⇒2011年1月17日 (月):民主党における菅・蓮舫的な胡散臭さ
オポチュニストとは以下のような考え方・態度である(Wikipedia日和見主義110511最終更新)。
日和、つまり天気を観て行動を決めるかのようであるのでこの名がついた。普通、政治的な場で相手を侮辱する時に使う言葉である。機会主義(きかいしゅぎ)、投機主義(とうきしゅぎ)、オポチュニズム(Opportunism)とも言う。
一般には右翼的立場を批判するのに用いられるが、「図式主義」を意味する場合もあり、情勢の変化を弁えず現実性を持たない急進主義的方針を常に主張するような考え方を「左翼日和見主義」と(批判的に)呼ぶのはこの用法である。
長期的な趨勢を踏まえた上で有利な側につけば、時には望ましい結果を得る事が出来る。一方で、短期的な利益のために立ち位置を変え続ければ、信用を失うリスクを抱える事になる。
日和見主義に陥る事を、1960年代の大学闘争の現場においては“日和(ひよ)る”と軽蔑した。
私は蓮舫氏や菅首相は、上記に照らして、オポチュニストと言っていいだろうと思う。
⇒2011年7月13日 (水):民主党有志、全国知事会、西岡参院議長の菅首相批判
“逃げ菅”と評されている菅氏は、おそらく学生時代から、日和っていたのではないか。
菅首相も、帰国したばかりのなでしこジャパンのメンバーを、早速官邸に招待した。
午前の衆院予算委では、女子スポーツ環境の改善を訴えた首相。だが、なでしこの粘りを引き合いに「私もやるべきことがある限りは、諦めないで頑張らなければならない」と、あくまで政権にしがみつくことまで、宣言してしまった。退陣を前にした首相が口にした「諦めない」姿勢に、野党側からは「総理諦めろ!」とヤジも飛んだ。
この発言を、自民党の小池百合子衆院議員は「もうレッドカードが出されている」と皮肉で一喝。同党の小泉進次郎衆院議員も「沢選手のリーダーとしての信頼は(首相と)真逆ですね。総理は『学びたい』と言ったらしいが、遅すぎる」とバッサリ。日本中にさわやかな感動を呼んだ、なでしこにあやかろうとした首相だが、その方針は諦めた方がよさそうだ。
http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20110719-OHT1T00308.htm
首相の「脱原発」発言は、長期的なテーマとしていえば、ほとんどの人が賛成するだろう。
しかし、原発事故が収束していない状況で、わざわざ記者会見まで開いていうべきことではないと考える。
まさに、「情勢の変化を弁えず現実性を持たない急進主義的方針を常に主張するような考え方」である。
北朝鮮への日本人拉致犯との関係が云々されているが、よど号をハイジャックした赤軍派こそ、「情勢の変化を弁えず現実性を持たない急進主義的方針を常に主張する」党派であったに違いない。
同時に、北朝鮮の体制も、非人道的なものであることが、いまや明らかである。
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