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2011年6月19日 (日)

原発への海水注入問題の真実は?

東電福島第一原発の事故対応において、海水注入を中断したか否かが大問題となったことは記憶に新しい。
国権の最高機関とされる国会で、野党第一党の党首が首相の関与を問い質したりもした。
結果的には、現場の責任者の判断で、中断そのものがなかったことが判明し、一件落着かに見えた。
原子力安全委員会の班目春樹委員長は、「中断がなかったのなら、私はいったい何だったのか」という迷セリフを口にして世間の笑いを誘い、野党党首はガセネタを信用して、政治における無為の時間を作ったと批判された。

要するに、ナニゴトも無かったのであろうか?
そんなことで済ませるような問題ではないと思う。
ガセネタだったとしたら、このようなネタ(謀略)を考案し、流布した人間がいるはずである。
安易に飛びつくのは軽率ではあるが、決して「火のない所に煙は立たない」のではないか?

6月18日の産経新聞に、この問題に関連する「告発文書」が紹介されている。

同封された2枚のコピー紙のうち1枚には、東日本大震災発生の翌日の「3月12日18時3分」に送信された「記録」と、「官邸リエゾン→消防庁」「消防庁 番号618」が記載されていた。さらにこう走り書きで記されていた。
「18:00 総理指示 福島第1原発について“真水による処理はあきらめ、海水を使え”」

http://sankei.jp.msn.com/politics/print/110618/plc11061800170000-c.htm

以下、産経の記事を追ってみよう。

経済産業相、海江田万里は5月2日の参院予算委員会で、福島第1原発1号機への海水注入について、午後7時4分に「試験注入」を始めたが同25分に中断、午後8時20分に本格注水を開始したと説明している。
ところが、5月20日以降、海水注入による再臨界を恐れた首相、菅直人の言動がきっかけで、注入が中断されたとメディアが報じると、政府の説明は収拾がつかなくなっていく。
原発問題を担当する首相補佐官、細野豪志が早速、翌21日の記者会見で、1度目の海水注入の情報について「首相には届かなかった」と指摘したのだ。
細野は同時に「午後6時の首相指示」も「なかった」と否定した。
・・・・・・
もともと官邸サイドは福島第1原発の事故当初、「『原子炉が使い物にならなくなる』と抵抗する東電に、首相が海水注入を指示した」という情報をしきりに流していた。まず、この「首相の英断」ストーリーが破綻した。
・・・・・・
菅も、5月23日の東日本大震災復興特別委員会で 「報告が上がっていないものを『止めろ』とは言うはずがない」と強調した。
それでは、実際には菅はいつ海水注水の事実を知ったのか。今月7日に閣議決定された政府答弁書にはこう記されていた。
「5月20日に注水に関する報道がされた後」
これが本当だと、菅は5月2日の海江田の答弁を隣席にいながら聞いていなかったことになる。
官房長官、枝野幸男は「首相の認識に基づいて正直に作った」と釈明したが、菅は10日の参院予算委でせっかくの枝野の弁明をぶち壊す発言をした。
「当日(3月12日)に海水注入があった事実関係は伝わってきている」
質問した自民党参院議員、義家弘介から「注水の報告は上がらなかった、と言っていた」と追及されると、菅は慌てふためき「全体の経緯や関係者の対応状況を承知したのは5月20日の後だった」と釈明した。
・・・・・・
政府側は海水注入に関する菅の関与を否定し続けたが、東電側は、現地に海水注入の停止を指示した理由を「首相の『了解』が得られていない」としている。
・・・・・・
しかし、「午後6時の首相指示」が本当であれば、政府の事実関係にかかわる説明はことごとく嘘だったということになる。国民は何を信じればいいのか。=敬称略(今堀守通、斉藤太郎、康本昭赫)

この文書も、ガセなのか?
ひと昔前のように、朝日、毎日ならば信憑性があるが、産経では……、ということだろうか?

今そんなことを言うよりも、事故を収束させることに全力を尽くせ、という声も強いだろう。
しかし、事実関係に虚偽があれば的確な収束などできるはずもない。
第一に、このネタがホンモノだとしたら、最終的な政府答弁は「すべて嘘」だということにもなる。

そもそも、官邸広報は、「午後6時の首相指示」を明記していた。
⇒2011年5月23日 (月):いい加減にして欲しい「水掛け」論議/やっぱり菅首相は、一刻も早く退陣すべきだ(34)
それが海水注入中断の責任論が問題にされ始めると、政府は「午後6時の首相指示」を突然否定し始めたのだ。
要するに、情勢次第で過去の説明さえ変更するのである。
大騒ぎして藪をつつきながら、結果として真相は「藪の中」のままである。

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