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2011年6月22日 (水)

西村肇さんの放射性物質の放出量の推算/原発事故の真相(1)

原発で何が起きたのか?
最も信頼すべき政府の発表が疑わしいと思わざるを得ない現状では、IAEA等の調査を待つしかないのかも知れない。
⇒2011年6月19日 (日):原発への海水注入問題の真実は?
⇒2011年5月29日 (日):菅政権における政治主導の失敗学/やっぱり菅首相は、一刻も早く退陣すべきだ(38)
⇒2011年5月26日 (木):情報を隠蔽していた(ウソをついていた)のは誰か?/やっぱり菅首相は、一刻も早く退陣すべきだ(36)
⇒2010年10月21日 (木):仙谷官房長官の弁論技術

しかし、何が起きたのか、限られた情報で推論した人はいないのか?
そんな思いでいたところ、「現代化学」11年5月号に、西村肇、神足史人『理論物理計算が示す原発事故の真相』という論文が載っているのを見つけた。
化学の雑誌を手にしたのは何年ぶりのことだろう。

西村肇さんは、理系には数少ないジェネラリストの視点を持った学者である。
学校を出て間もない頃、何人かの人たちと技術論の勉強会をしていた時、『技術論セミナーⅡ 現代技術と社会』青木書店(7111)に、『システム技術論』を書いていたのが名前を目を知った最初である。
公害問題に対する発言等により、信頼できる人という印象を持っている。
東大では説を曲げないでかなり圧力を受けたりしたらしいが、現在は自分の研究工房を主宰されている。
⇒2007年12月19日 (水):西村肇さんの考え方
⇒2009年11月 2日 (月):水銀の化学(7)チッソ水俣工場からの廃液と水俣病の発症

西村さんたちはどういう方法をとったか。
先ず、大気と海域への毎日の放射性物質の放出量を計算した。
環境中の放射性物質の測定値から、拡散方程式等を使い、放出量を求めた。

計算過程は省略するが、例えば後に全村が計画的避難地域に指定された飯舘村の場合は、以下のようである。
<大気>
・3月24~25日の環境放射能の測定値は、12.4~9.5μSv/h
・この影響強度に相当する放射物濃度は130Bq/㎥
・1日の放射物質の放出量は、10TBq/d

<海域>
・3月21日の原発排水口の南の地点での放射能測定値は、3万Bq/kg。放水量は200t/d。これから放出量は、6GBq/d
・30km沖合の観測データから、拡散方程式から推算すると、1GBq/d

<チェルノブイリの放出量>
・チェルノブイリ事故は、事故というより核爆発であり、原子炉が保有していた放射性物質の大部分が放出されたと考えられる。
・総放出量は、1760PBq(PBqはGBqの100万倍)

<結論>
1.大気と海域への排出を比較すると、大気の方が1000倍程度大きい。
2.3月22日の状態の放出量が100日続くとした場合、総放出量はチェルノブイリ事故の1/1000を越えない程度

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