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2011年6月29日 (水)

東電株主総会と民主党両院議員総会

昨日は、東電等の電力会社の株主総会が開催されると共に、民主党の議員総会が開催された。
変革への芽あるいは胎動は微かに感じられたものの、現状が維持されることになったといえよう。

東京電力福島第1原発事故後、初めてとなる東電の株主総会が28日、東京都内のホテルで開かれ、過去最多の9309人の株主が出席、所要時間も過去最長の6時間9分に及んだ。株主からは、経営責任や事故を起こした場合に事業者が無限責任を問われる原発保有の是非を問う厳しい意見が続出した。株主402人が「原発撤退」を求める株主提案を行ったが、賛成は株主(議決権ベース)の約8%、反対が約89%(棄権や無効などが約3%)で、反対多数で否決された。一方、清水正孝社長(67)の引責辞任に伴い、西沢俊夫常務(60)を社長に昇格させるなど取締役17人と監査役2人の選任議案を可決した。勝俣恒久会長(71)は続投する。
http://mainichi.jp/select/biz/news/20110629k0000m020128000c.html?toprank=onehour

原発撤退の株主提案は、大株主の委任状等による反対多数で否決されたが、福島第1原発事故で市内の一部が警戒区域に指定されている福島県南相馬市と同県白河市も賛成したことは、東電としても重く受け止めるべきであろう。
それにしても、南相馬市の市長は、総理大臣にしたいような、毅然とした判断を示す人である。

大株主が安定株主として経営陣に判断を委任している以上、原発撤退案が可決されるべくもなかった。
結果が決まっているという意味では、セレモニーに過ぎなかったとも言える。
しかし、多くの個人株主が賛成に手を挙げたことは、今後の動向を判断する1つの材料だと考える。
そもそもエネルギー問題は、一私企業の問題ではない。株主の判断に委ねるだけで済む問題ではないだろう。
まして1人の政治家の恣意的な判断だけでコトを進めるのは余りに乱暴にすぎる。

民主党の議員総会では、以下のような発言があった。

 階猛氏(衆院岩手1区) 菅直人首相がある会合で「私の顔を見たくないなら早く再生可能エネルギー促進法案を通せ」と発言した。国会を冒涜(ぼうとく)している。
 
橘秀徳氏(衆院神奈川13区) 自民党の浜田和幸参院議員(参院鳥取)の政務官就任をどう説明するのか。「一本釣り」したことで自民党は聞く耳を持たなくなるのではないか。
 川上義博氏(参院鳥取) メダカみたいな人の一本釣りだ。地元議員に何の説明もない。執行部は配慮、気配りがない。野党は一層硬化した。政局をつくったのは誰か。
 
岡田克也幹事長 (浜田氏起用について)十分説明を聞いていないという思い、申し訳なかった。幹事長の責任でしっかりと自民、公明両党と話し合いを始めている。早期に国会を正常化したい。
 
安住淳国対委員長 (階氏の発言に対し)自民、公明両党も「私の顔を見たくない」という態度で、(国会が)進行しづらい状況なのは事実だ。
 
瑞慶覧長敏氏(衆院沖縄4区) 執行部に提案がある。新代表を速やかに選んでいく作業を示していただきたい。
 
原口一博氏(衆院佐賀1区) (先の内閣不信任決議案採決に際し、首相の)「辞める」という言葉を信じて矛を収めた。責任を取ってこそ政治に信頼が取り戻せる。
 
阪口直人氏(衆院和歌山2区) (首相が)国会、法案を私物化することはできない。小学生が宿題をしない理由として「一定のめどが付けば」と言っている。いつ退陣するかは明確に分からなかった。若い世代にどうバトンタッチするのか。もっと分かりやすい言葉で語ってほしい。
 広野允士氏(参院比例) 全て首相をはじめとするやり方がまずい。8月末までの延長国会で、新代表、首相を選んで、秋の臨時国会に臨むことが大事だ。
 
菊池長右エ門氏(衆院比例東北) 被災地は(政府の震災対応の遅れで)最大不幸社会になっている。首相は(辞任し)一日も早く四国巡礼の旅にたつように意志を固めてほしい。
 
橋本勉氏(衆院比例東海) 首相は「(衆院の)解散」を考えているのではないか。唐突に選挙をされないように、ぜひ執行部にもお願いしたい。
 
川内博史氏(衆院鹿児島1区) 首相の発言が全く信用されない状況を憂えている。辞めるのか、辞めないのか全然分からない状況で、被災者、国民、党執行部さえも裏切り続けている。代表選の準備を可及的速やかにし、新代表を選び、新しい体制をつくらなければ大変なことになる。
 岡田幹事長 首相は(退陣条件の)一定のめどの中身三つを明確に言われた。その三つが満たされた時はバトンタッチするのは明確だ。解散などあるはずがない。これだけ多くの被災者の皆さんを抱え、解散・総選挙をしている時間はない。
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2011062800951

首相批判が圧倒的であり、擁護論は皆無である。
これだけ見れば、首相が信任されているとはとても言えないだろう。不信任の反対語は単純に信任ではないのである。
しかし、政治的な手練手管では菅首相の方が役者が上だったようである。
なにしろ、地盤、看板、カバンの3バンなくして総理になったのだから、したたかである。二世議員など赤子を扱うようなものかも知れない。

首相は第2次補正予算と再生エネルギー特措法案、特例公債法案をいずれも成立させることが、退陣に向けた「一つのめど」となる考えを重ねて示し、これらの実現に協力を求めた。
加えて、原子力エネルギー政策について「時間が許される中で、新たな方向性を目指すところまでやらせてほしい」と語り、その方向付けが「次期衆院選の最大の争点」と強調した。「脱原発」路線の是非を問う解散・総選挙を視野に入れる構えを所属議員にじかに示したともいえる。

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110629/stt11062903160000-n1.htm

退陣に向けてのハードルを次々に置き、「顔を見たくないのなら、ハードルを越えろ」と迫る。
「脱原発」路線の是非は、いずれ国政の争点として問われなければならないイシューではあると思うが、現下の状況で、それを争点として、解散・総選挙などあってはならないだろう。
その前に、事故を収束させ、復興への歩みをダイナミックに進めることが喫緊の課題である。
菅首相は四面楚歌といった状況の中で、すっかり市民運動家モードに入って高揚しているようだが、それは首相退陣後にすべきであることは言うまでもない。

出席議員からは、途中退席する首相に向かって「逃げるのか!」などの厳しい声も飛んだが、結局退陣を迫るには至らなかった。
首相の居座りを許したままでいることは、「人災もしくは菅災」の共同正犯となっていることを意味する。
党代表の座を降ろせるのは、さしあたって民主党の議員しかいないのだから。

したがって、声高に首相批判をしてみても、いかに発言が厳しくても、民主党の議員にとって政権与党であり続けることが第一、というのがホンネということだろう。
それは、菅-鳩山の「確認事項」に如実に現れている。
⇒2011年6月 8日 (水):菅首相は一流詐欺師(ビッグコンマン)たりえたか?

しかし、このままでは次の総選挙で民主党が惨敗するのは火を見るよりも明らかである。
昨年の菅首相の下での参院選が、拡大再生産されることになるのではなかろうか。

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コメント

夢幻亭様

お久しぶりです。
藤井游惟です。

拙著「白村江敗戦と上代特殊仮名遣い」は出版から3年半が過ぎましたが、なかなかブレイクせずに難渋しております。(この本がブレイクしないことには私の未来はありません)

そこでこの度、ある人に勧められて、拙著紹介のデモビデオを作り、YOUTUBEにアップしました。

http://www.youtube.com/user/Youwee5847?feature=mhee#p/a/u/0/xPvxfGA_ews

15分足らずのビデオで、↑をクリックするだけで見られますので、是非ご覧下さい。

また、拙著に関心を持ってくれそうな友人・知人の方がいらっしゃいましたら、是非このURLを転送して宣伝して頂ければ幸いです。

宜しくお願いします。
藤井游惟

投稿: 游惟 | 2011年6月30日 (木) 12時14分

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