「伊達直人」と「風天」の陰徳
タイガーマスク運動については、改めて言う必要はないだろう。
⇒2011年6月 3日 (金):金子詔一さんの『ランドセルの歌』
静岡新聞110608に、御殿場市におけるこの運動の一環が紹介されていた。
御殿場市萩原の市民交流センター交流ロビーに、送り主不明の人物からの寄付金で購入したベンチ形の囲いとカラフルな立方体のブロックが登場し、施設に訪れた親子連れなどの人気を集めている。
同所にある御殿場市社会福祉協議会にはことし1〜2月に掛けて、「伊達直人」と「風天」を名乗る、送り主不明の封書が計3回届いた。封書には「タイガーマスクの出現に感動した市民です。福祉の役に立てて」「恵まれない子どもに役立てて」などと記した手紙があり、同封された現金は計19万円に上った。
http://www.at-s.com/news/detail/100034931.html
タイガーマスク運動は、「伊達直人」から「風天」さんに拡大したわけである。
風天を名乗った人にどのような思いがあったかは知らない。
しかし、風天の俳号を持つ渥美清さんの人柄が好きな人ではないかと推察する。
渥美さんは私生活を明らかにしなかった人である。
しかし、いくつかの句会に参加する俳人としての一面を持っていた。
俳人渥美清について、森英介『風天―渥美清のうた』大空出版(0807)を参照しつつ、紹介したことがある。
⇒2008年7月12日 (土):風天の詩学…①「お遍路」という季語
~
⇒2008年7月17日 (木):風天の詩学…⑥「寂び」という美意識
タイガーマスクは、虎のマスクで顔を隠した。
渥美さんも、隠れることの名人だったという。
⇒2008年7月16日 (水):風天の詩学…⑤「秘すれば花」という生き方
表に出るより、隠れている方が好ましいという美学である。
御殿場市における寄付の贈り主も、「伊達直人」にせよ「風天」にせよ、名前を出さない生き方に共感したのではないか。
自分の功績を誇大にアピールしたがる人がはびこる世相ではあるが、この国には、陰徳という生き方に価値ありとする人も少なからずいるのである。
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