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2011年5月18日 (水)

“最悪の事態”はいつまで続くのか/やっぱり菅首相は、一刻も早く退陣すべきだ(32)

震災の発生から2カ月も経ってから、実は原発は地震発生から間もなくメルトダウンしていました、というのが政府・東電の発表である。
事実関係は既に多くの人が指摘していたことなので、改めて確認された、と軽く受け止めてしまいがちである。
しかし、ことの重大性を再確認してよく噛み締めることが必要であろう。

第一の問題は、原発事故対応の初動に関してである。
周知のように、地震発生の翌日、首相は自身の判断で、周囲に反対論があったにもかかわらず、「原子力のことを少し勉強したい」と現地視察をヘリコプターで強行視察した。
⇒2011年3月30日 (水):原発事故に対する初動対応について

首相は震災発生翌日に自ら原発を視察したことに関連し、「(原子炉の)格納容器の圧力が上がっていて、(圧力を下げる)ベントを行わず放置すれば、容器が破壊される恐れがあるとの認識はあった」と述べ、格納容器破損の可能性を認識しながら視察したことを明らかにした。
ただ、視察に踏み切ったことについては、「(現地で関係者と)コミュニケーションができたことは大変プラスになった」と意義を強調した。首相視察に同行した原子力安全委員会の班目春樹委員長は「格納容器が破裂する可能性があると認識していたし、(視察前に首相へ)助言していたと思う」と語った。

http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20110516-OYT1T01047.htm

「格納容器破損の可能性を認識しながら視察したこと」は果たして適正な判断と言えるだろうか?
現場では、格納容器破損を避けるため、必死の努力をしていたはずである。
そこに首相が「視察」に赴けば、当然現場の作業はディスターブされる。
この時点で首相のなすべきことは、首相官邸で指揮を執ることであって、付け焼刃の勉強をすることではないしまして現場作業を乱すことではない。
⇒2011年3月14日 (月):現認する情報と俯瞰する情報

もし、この時点で水素爆発が起きていたら、と考えると責任者不在の状況が生まれる。
言っていることも軽いが、軽率な行動との謗りを免れない。
「コミュニケーションができたことは大変プラスになった」と言っても、視察から戻った菅総理の提案で与野党党首会談を開催して「福島原発は大丈夫だ」と言っていたころに、最初の水素爆発が起きていたのだから、何の意味もなかったというべきだろう。

政府がフクシマの事故が「レベル7」に相当すると発表したのは4月12日であった。
⇒2011年4月12日 (火):福島はレベル7/やっぱり菅首相は、一刻も早く退陣すべきだ(5)
今回の発表では、既に1カ月前の3月12日にはメルトダウンしていたということである。

福島第1原発事故で、東京電力は15日、1号機原子炉で3月11日の東日本大震災発生直後に起きたメルトダウン(全炉心溶融)の暫定解析結果を発表した。同日午後3時半ごろに津波で冷却機能を全部喪失したとみた場合、同7時半ごろ「空だき」状態となって燃料の損傷が始まり、急速に溶融し圧力容器底部に落下。翌12日午前6時50分ごろには、ほぼ全燃料が落下したとみられる。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110515-00000081-jij-soci

客観的にはこの時点で、限りなくレベル7の状態であったはずである。
1カ月の間、政府・東電は隠していたと言われてもやむを得ない。
事態の展開に伴い、改訂された工程表も発表された。しかし、今までの経緯をみれば、信憑性に欠けると言わざるを得ない。

工程表の弱さは、福島第1原発事故を説明する政府や東電の姿勢とも共通する。
1号機は、これまで安定化の作業が順調とされ、政府もメルトダウンにはならない、と説明していた。4月の工程表もこの見方に沿った対策となっている。
原発は大きく壊れ、放射性物質を出している。原子炉内の様子をつかみにくい事情は分かる。
けれど、メルトダウンの可能性はかねて指摘されてきたことだ。なぜ、楽観的な見方を続けてきたのか、理解に苦しむ。
パニックを防ぐことばかりに気を取られていないかも、気になる点だ。混乱を防ぐ最善策は、原発の安定に向け、実現性の高い工程表を示すことだ。
メルトダウンに伴う高い放射線量で、被ばく対策や人員の確保など作業環境はより厳しくなっている。なのに、今回の工程表ではどのように対応していくのか、深く踏み込んではいない。
東電や政府は率直に事故の現状を国民に語り、着実にできる対策とその見通しを示す必要がある。工程表を単なる努力目標のように考えることは許されない。
http://www.shinmai.co.jp/news/20110518/KT110517ETI090006000022.htm

素人的には、とても東電や菅首相の言うことを信じられない。明らかに当初の想定と異なった状況になっているにもかかわらず、真摯な反省が窺えないのだ。
原発被害者に対する補償の枠組みも不明確だ。故郷を離脱する人たちはとても納得できないだろう。
すべてが根拠なき思考のように思える。

やっぱり、口先だけのこの人の下では事態は収束するとは思えない。
悪化する可能性が高いとせざるを得ないだろう。
西岡武夫参院議長も、異例の菅退陣論を主張している。

震災から2カ月が経過したのに大きなビジョンが示されていない。復興構想会議に任せるのは大きな間違い。ビジョンはやっぱり首相が決めなければいけません。ビジョンなしに、平成23年度第2次補正予算案は組めないでしょう? 政権延命のため、やるべきことをやらずにずるずると来ている。
・・・・・・
「戦後最大の国難に菅さんが首相でいることが最大の不幸だ」と言われているそうですが、その通りでしょうね。
・・・・・・
菅さんが5月26、27両日の主要国首脳会議(仏ドービル・サミット)に行って、何を訴えるというんですか? やはりサミット前に不信任案を出すのが常道だと思いますよ。菅さんがサミットの場で恥をかくというよりも、世界から(底の浅さを)見透かされるのが嫌ですね。

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110518/stt11051801140001-n1.htm

西岡氏の発言は、三権分立という点からは如何かと思うが、内容的にはその通りである。
立法府の長にかくまで言われてもなお権力の座に執着するのは何故か?
菅氏が首相で居続けることこそ、最悪の事態ではなかろうか?

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