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2011年5月 5日 (木)

校庭の利用基準をめぐって/やっぱり菅首相は、一刻も早く退陣すべきだ(21)

子供の日である。
祝日法に、「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する。」とその意義が記されている。
折しも、福島原発事故をめぐって、文部科学省が校庭の利用基準を「年間被曝線量20ミリシーベルト」と設定したことに抗議して、小佐古敏荘東大大学院教授が内閣官房参与を辞任した。
⇒2011年4月30日 (土):小佐古・内閣官房参与が辞任/やっぱり菅首相は、一刻も早く退陣すべきだ(19)

辞任の記者会見で涙ながらに子供の安全性を訴える小佐古氏の姿をみると、多くの人が不安を覚えるのではなかろうか。

文科省は、児童や生徒らが1日のうち屋内で過ごす時間を16時間、校庭など屋外で過ごすのを8時間とする生活パターンを仮定。年間20ミリシーベルトに到達するのは、屋外で毎時3・8マイクロシーベルト、木造施設の屋内で1・52マイクロシーベルトと算出。
http://sankei.jp.msn.com/life/news/110503/edc11050300540000-n1.htm

3.8μSv/h=30.4μSv/8h
1.52μSV/h=24.32μSv/16h
(30.4+24.32)μSv/24h×365日=19,972μSv≒20mSv

以上のようにして、20ミリシーベルトが設定されたわけである。
しかし、その決定の経緯は以下のように報じられている。

福島第一原発事故について政府が設定した校庭利用基準を検討する際、原子力安全委員会(班目(まだらめ)春樹委員長)が正式な委員会を開かず、2時間弱で「差し支えない」とする助言をまとめ、国の原子力災害対策本部に回答していたことが分かった。
安全委事務局の加藤重治・内閣府審議官が30日の記者会見で明らかにした。
加藤審議官によると、4月19日午後2時に同本部から助言要請があり、事務局が、班目委員長を含む5人の委員から、対面と電話で意見を聞き、助言をまとめた。委員会が開かれなかったため、議事録もないという。加藤審議官は「19日以前から、文部科学省とは協議しており、委員の間でも話し合い、かなりの合意ができていた。この日の意見聴取だけでまとめたわけではない」と説明している。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110430-00000944-yom-soci

こんな議事録もないような決定の仕方でいいものかという疑問を抱かざるを得ない。
確かに、20ミリシーベルトに対しては、3.8μシーベルトで校舎外の活動を制限することにすれば、「余裕」をみた数値と言えなくもない。

しかし、そもそも20ミリシーベルトという基準が妥当なものなのかどうか。
また、児童の基準は大人の基準に対してどの程度厳しく設定すべきなのか。
こういうような疑問に丁寧に答える姿勢に欠けるのではなかろうか。

菅直人首相は2日、福島県の内堀雅雄副知事と首相官邸で会談し、文部科学省が定めた「年間被曝(ひばく)線量20ミリシーベルト以下」の校庭利用基準の見直しを拒否した。
内堀氏は「政府関係者でいろんな考え方があり、県民は非常に不安に思っている」と訴えたが、首相は「国としての考え方がある。きちっと県民や国民に伝える努力をしなければならない」と述べ、現行基準への理解を求めた。

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110503/plc11050300460004-n1.htm

伝えられる側が納得していないのに、「国としての考え方がある」という言い方でで押し切るのは疑問である。
「きちっと県民や国民に伝える努力」をしているとはとても思えない。
⇒2011年4月17日 (日):原発報道の大本営発表/やっぱり菅首相は、一刻も早く退陣すべきだ(9)
⇒2011年3月31日 (木):政府が風評被害の発生源になっていないか?
⇒2011年3月15日 (火):地震情報と「伝える力」

次のようなことも起きている。

国の原子力安全委員会は2日、福島第一原子力発電所の事故で校庭から基準値を超える放射線量が検出された福島県の学校の安全基準をめぐって、放射線量の測定結果を報告した文科省に対し、「非常に安易な報告だ」として不満を示した。
文科省が先月末に行った再調査の結果、2校を除く福島県の全ての学校で、放射線量が屋外で安全に活動できる基準の一時間あたり3.8マイクロシーベルトを下回った。この調査結果を受けて、文科省は2日に開かれた原子力安全委員会の定例会議で、これらの学校では校庭の利用制限などを解除しても構わないという見解を報告した。

http://news24.jp/articles/2011/05/02/07182059.html

すべてが雑に行われているような印象を受ける。
官邸は、国民が不安にならないように、決定の過程も含めて(反対意見の開示を含め)より分かり易く伝える努力をすべきだろう。
しかし尖閣ビデオを公開しない政権に期待してもムダであると思う。
そもそも自分の身に降りかかっている問題をめぐる説明でも告発されているのである。

菅直人首相の資金管理団体「草志会」(東京都武蔵野市)が、在日韓国人系金融機関の元男性理事から献金を受けていた問題で、神奈川県に住む住民らが2日、政治資金規正法違反罪で、菅首相に対する告発状を東京地検に提出したことが分かった。
政治資金規正法は、政治的な影響力行使を防ぐため、外国人や外国人が主たる構成員の団体などからの寄付を受けることを禁じている。告発状では「同罪の成立について、首相自身に外国人との認識があったかどうかによる」とした上で、献金問題について説明した参院決算委員会の菅首相の答弁は「明らかにはぐらかした」と指摘した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110503-00000503-san-soci

告発されても当然の人が、震災に便乗して首相の椅子にしがみついていることが許されるだろうか。

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