2011年5月 3日 (火)
東日本大震災と憲法記念日/やっぱり菅首相は、一刻も早く退陣すべきだ(20)
憲法記念日である。 東日本大震災は、「国のかたち」について、再考の機会となった。 戦後レジームの申し子ともいうべき菅内閣が、未曾有の災害に遭遇したことは、菅氏自身の思っているのとはまったく別の意味で、運命的であった。
憲法は、第9条を中心に論議されてきたといえよう。 第九条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
2 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。
問題は、自衛隊の位置づけである。 自衛隊が、「陸海空軍その他の戦力」に相当することは間違いない。仙谷官房副長官の悪名高い「暴力装置」発言も、その限りではその通りと考える。まあ、コミュニケーションとしては、受け止められ方に配慮しなければならないのは当然であるが。
現行憲法は、この「陸海空軍その他の戦力」を、「前項の目的を達するため」には保持しないし、「国の交戦権は、これを認めない」としている。 「国際紛争を解決する手段として」あらかじめ封じられている。 一方で、北方領土、竹島、尖閣諸島等において、現実に「国際紛争」の芽は確実に存在している。 「いざ」という場合、武力の行使をしないで、正当な主張を貫けるか?
朝日新聞の世論調査の結果は以下の通りである。 3日の憲法記念日に合わせて朝日新聞社が実施した全国世論調査(電話)によると、憲法9条を「変えない方がよい」が59%で、「変える方がよい」は30%だった。昨年の調査の改正反対67%、賛成24%に比べるとやや差が縮んだ。
 http://www.asahi.com/politics/update/0502/TKY201105020503.html
しかし、東日本大震災への対応をみれば、非常時への備えが十分であるとはいえない。 今回の震災で目覚ましい活動をしたのが自衛隊であることに異論は少ないだろう。 しかし、法制上、初動時の輸送や即応力などに問題を抱えているとも指摘されている。 産経新聞の主張(5月3日)は、 「憲法上、軍隊としてきちんと位置付けていないことも、自衛官の士気などを損なう結果になっていないか」とするが、国民は必ずしもそうは考えていない。
菅首相は、災害対策基本法で定められている「災害緊急事態」の布告を見送った。 自民党の佐藤正久参院議員の質問に対し、内閣府の小滝晃参事官は以下のように答弁した。 こうした措置の実施要件を同法が「国会閉会中」と定めていると指摘し、「105条は応急対策を推進するため特別の必要があるときに発動される。国民の権利義務を大きく規制する非常に強い措置であることにも適切な判断が必要だ」と述べた。 http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110322/plc11032212190020-n1.htm
ちなみに同規定は以下の通りである。 第百五条 非常災害が発生し、かつ、当該災害が国の経済及び公共の福祉に重大な影響を及ぼすべき異常かつ激甚なものである場合において、当該災害に係る災害応急対策を推進するため特別の必要があると認めるときは、内閣総理大臣は、閣議にかけて、関係地域の全部又は一部について災害緊急事態の布告を発することができる。
2 前項の布告には、その区域、布告を必要とする事態の概要及び布告の効力を発する日時を明示しなければならない。
4月27日に開催された中央防災会議の議事次第として、 (1)「東北地方太平洋沖地震-東日本大震災-の特徴と課題」 があった。 その資料(説明:阿部 勝征(中央防災会議委員:東京大学名誉教授))に次のようにある。
布告の要件である「非常災害が発生し、かつ、当該災害が国の経済及び公共の福祉に重大な影響を及ぼすべき異常かつ激甚なものである場合において、当該災害に係る災害応急対策を推進するため特別の必要があると認めるとき」を今回の震災こそ適用すべきであろう。 今回適用しないとしたら、どのような場合に適用するのであろうか。 必要な布告をしないで、屋上屋を重ねるような組織を乱立したことが事態を一層混乱させているのではないか。 |
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