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2011年5月11日 (水)

津波「だけ」が問題だったのか?/やっぱり菅首相は、一刻も早く退陣すべきだ(25)

大震災の発生から、もうand/orまだ2カ月である。
被災者でもないのにかかわず、夢の中にいるような気分が続いている。しかし、時間は確実に経過しているのだ。
被災地では雪が舞っていたのに、いつの間にかクールビズの季節である。

中部電力は菅首相の要請を受け入れて、浜岡原発の運転中止を決めた。
これにより、菅内閣の支持率は、おそらく上昇するだろう。
ゴールデンウィーク前には、「菅降ろし」が本格化するような雰囲気があったが、一挙にしぼんだようにも感ずる。

私も、浜岡原発に限定すれば、首相の判断を支持するものである。
しかし、だからと言って、菅首相がそのまま続投することの是非を問われれば、やっぱり「非」である。
菅氏は、基本的にポピュリストである。市民運動とはそういうものであろう。
今回の経緯を見ていて、なるほどなあ、と思った。
小幡績氏は、言論ブログとして有名なアゴラで、次のように言う。

彼ほど徹底したポピュリズムを目指し、かつ人気が上がらない総理は歴史上存在しないが、政治家としての面目躍如だ。
浜岡原発の停止要請は完璧なスキームだ。これを直感で決めたのなら、やはり彼は天才であるし、日本にとって彼は天災だ。
中部電力が抵抗すればするほど、経済界の重鎮が反発すればするほど、自民党や民主党内の良識派が玄人的な批判をすればするほど、彼は英雄になる。既成勢力と戦う革命的運動家として。小泉の手法を野党的に反社会活動家として応用したらこうなる。

http://agora-web.jp/archives/1324290.html

私も、小泉元首相の郵政民営化の手法に倣ったのかもしれない、と書いた。
⇒2011年5月 8日 (日):日本のエネルギー政策をどうする?/やっぱり菅首相は、一刻も早く退陣すべきだ(24)
小幡氏の見方に賛成である。
TVに映る姿も高揚を隠し切れない様子だ。

菅直人首相が上機嫌だ。9日夜には、めずらしく記者団によるぶら下がり取材に応じ、その後は都内の高級和食店で食事しながら長期政権への意欲を語った。中部電力浜岡原子力発電所の全面停止要請という妙手で延命する自信を深めたのか、連休前に苛烈な「菅降ろし」にさらされていたとは思えないほどの“増長”ぶりだが…。
「大変よかった。政府としても電力全体が足りなくならないよう対応に力を入れたい」
菅首相は9日夜、中部電が浜岡原発の運転停止を表明したことを受け、満足そうに語った。
東日本大震災発生後、菅首相はぶら下がり取材を拒否してきたが、この日は直前にわざわざ周辺が「首相が声かけにこたえる」と予告。

http://www.zakzak.co.jp/society/politics/print/20110510/plt1105101128000-c.htm

しかし、原発の問題はこれで一件落着であろうか?
もちろん、そんなことはない。
エネルギー基本政策について、「再生可能エネルギー」と「省エネルギー」の重視を挙げているが、それはフクシマ以前の問題であろう。
短期と中長期をどのように分けて考えるのか、という問題もある。

脱原発を目指すのか、と思えば、必ずしもそうではないらしい。
政治ジャーナリストの泉宏氏は次のように解説する。

「浜岡原発の運転中止を決断したことは、確かに英断ですが、ちょっと考えると、マヤカシだと分かってしまうのです。だって、防潮堤が新設されたら、また再開すると言っている。政府は2、3年というが、急げば1年以内で防潮堤は完成できます。つまり菅総理は本気で浜岡原発を危険視はしていないのです。」
・・・・・・
何が狙いの浜岡原発停止なのかは、言うまでもない。連休中の2日に被災地向けの1次補正予算が成立し、しばらくスッカラ菅首相は何もやることがない。今週から永田町では「菅不要論」「菅降ろし」の嵐が一気に吹き荒れる。バカでも分かる展開だ。そこで、連休の谷間の6日に、バーンと浜岡 原発停止を打ち上げ、支持率回復を狙い、「菅降ろし」を封じる。そんな「まず自分の延命ありき」の計算なのだ。ホント、考えることが卑しい。
http://gendai.net/articles/view/syakai/130357

防潮堤が完成すれば、問題は解消するのだろうか?
フクシマの問題が、津波「だけ」が原因だったとしたら、防潮堤の完成は1つの区切りであろう。それにしたしたって防潮堤の安全性(高さや強度など)をどう担保するのか?
蓮舫大臣の仕分けしたスーパー堤防とは、何がどう違うのか?

なによりも、フクシマは本当に津波だけが問題だったのか?
その検証作業は十分に行われたとは言えないのではないか?
私たちは、フクシマの実相を余りにも知らされていないのではなかろうか。

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コメント

持論・結論がなければ、議論する資格もないはずだが、相手かまわず言いがかりをつけて議論をしたがる人がいる。
折角、相手を議論で打ち負かしても、それに代わる自説を提案できないのは非建設的である。
議論では「破壊は建設なり」とは行かない。不毛の議論にしかならない。時間はいくらあっても足りない。

自説を述べればそれで万事発表は終わる。
さらに、自説に似た他説があれば、自説の優位性を述べることも有益なことである。
これは、人類の進歩につながる建設的な態度である。

考える人にならなければ、自説はできない。このような人は、とらえどころのない人と呼ばれている。
しかるに、丸暗記と受け売りの学力を使って議論をしかけようとしている。
真正でない学問をもって世俗におもねり、人気に投ずる言説をなすことを曲学阿世というが、こうした行いが横行している。
こうした行為は、あながち個人の責任には帰しがたいが、由々しい事実であることには間違いない。
イザヤ・ベンダサンは、自著<ユダヤ人と日本人>の中で、我が国の評論家に関して下の段落のように述べています。

評論家といわれる人びとが、日本ほど多い国は、まずあるまい。本職評論家はもとより、大学教授から落語家まで (失礼! 落語家から大学教授までかも知れない) 、いわゆる評論的活動をしている人びとの総数を考えれば、まさに「浜の真砂」である。もちろん英米にも評論家はいる。しかし英語圏という、実に広大で多種多様の文化を包含するさまざまな読者層を対象としていることを考えるとき、日本語圏のみを対象として、これだけ多くの人が、一本のペンで二本の箸を動かすどころか、高級車まで動かしていることは、やはり非常に特異な現象であって、日本を考える場合、見逃しえない一面である。 (引用終り)

日本語には、時制というものがない。だから、未来時制もない。
自分達が努力して向かうべき理想の内容も語られることがない。いわゆる無哲学・能天気である。
未来社会の内容が明らかにならないので、われわれは未来社会の建設に着手出来ない。

日本人の世の中の把握の仕方は、現実の有様に関するものである。「世の中は、、、」の形式で表現される内容である。
現実の内容は、皆がほぼ一致する。一人から答を得たら、それで皆の答がわかる。
現実の内容は、変えられない。政治家には、政治哲学がない。
だから、日本人は閉塞感に襲われる。
英米人の世界観は、未来時制であり現実とは別次元の内容である。
これは人によって違うから、意見は一人一人聞かなくてはならない。
良い提案があれば、相互に協力して建設に励むことができる。

皆が同じ現実の内容を話すばかりでは議論はいらない。
「理屈などは、どうでもよい。現実は見ればわかる」ということになる。
議論をすれば、現実描写に関する個人的なケチの付け合いとなり喧嘩になる。
皆が仲良く生きてゆくには、問答無用で生活することである。
現実にばかり囚われては、別次元の世界が一向に見えてこない。向かうべき所に関する夢も希望もない。
それで、諦観も必要になる。

アングロ・サクソンの考え方が我々の現状の打開策となるであろう。
彼らのメンタリティを理解するために、我々には英語の勉強が必要である。
ある時、私はアフリカの学者から「日本では、何語を使って大学教育を行っているのか」と尋ねられたので、「日本の大学は、日本語を使う」としごく当然のように答えると、相手はびっくりしていた。
きっとその人は、日本語で学問ができるなどとはとても考えられなかったに違いない。

http://www11.ocn.ne.jp/~noga1213/
http://page.cafe.ocn.ne.jp/profile/terasima/diary/200812


投稿: noga | 2011年5月12日 (木) 00時41分

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