放射能汚染は、どこまで、どの程度?/やっぱり菅首相は、一刻も早く退陣すべきだ(28)
浜岡原発に関心が集中する一方で、フクシマを原因とする放射能汚染について、新たな事実が判明すると共に不可解な情報開示に仕方に疑問が深まっている。
1つは、フクシマからは300kmも離れている神奈川南足柄市で採取された「足柄茶」から基準値以上の放射能が検出されたことである。
南足柄市で採取した「足柄茶」の茶葉から食品衛生法の暫定基準値(1キロ当たり500ベクレル)を上回る放射性セシウムが検出された問題で、県は13日、新たに小田原や愛川など県内5市町村の茶葉から、基準値を上回るセシウムが検出されたと発表した。
県によると、南足柄市以外の15市町村で11~13日に採取した茶葉を検査したところ、基準値を上回るセシウムが、小田原市(1キロ当たり最大780ベクレル)、愛川町(同670ベクレル)、真鶴町(同530ベクレル)、湯河原町(同680ベクレル)、清川村(同740ベクレル)で検出された。
http://news.kanaloco.jp/localnews/article/1105140015/
南足柄市といえば神奈川県の西部で静岡県に接した地域である。
上図で見るように、フクシマからは300km圏ギリギリの位置である。しかも概していえば、風下側と言ってよい。
首都圏全域が南足柄市より高い汚染地域と考えるのが自然だろう。
不安を煽るということでなく、実際のリスクはどう考えるべきなのか、と思う。
文部科学省のサイトを見てみよう。
文部科学省は、現在の避難区域の妥当性の検証及び今後のモニタリング計画の方向性の検討のため、 財団法人原子力安全技術センターの放射線計測器をヘリコプターに搭載し、福島第一原子力発電所から80kmの範囲内において、地表面から1mの高さの空間線量率、及び地表面に沈着した放射性物質の汚染状況についてモニタリングを実施する。
なお、本モニタリングにおいては、同様の手法を有する米国エネルギー省(以下、「DOE」と言う)(小型機及びヘリコプター使用)との間において、双方の航空機の特性に応じた効果的・効率的な連携を実施する。
http://www.mext.go.jp/a_menu/saigaijohou/syousai/1304694.htm
上記の開示が行われたのが4月5日である。
結果は5月6日に開示された。
文部科学省及び米国エネルギー省航空機による航空機モニタリングの測定結果[平成23年5月6日] (PDF:1570KB)
菅首相が緊急記者会見を行った日である。
⇒2011年5月 7日 (土):唐突に浜岡原発の運転中止要請/やっぱり菅首相は、一刻も早く退陣すべきだ(23)
モニタリング結果は図示されているが、その“意味”については解説されていないので、あれこれ推察するしかない。
開示の仕方を工夫すべきではないか。
モニタリングされたのは、以下の項目である。
福島第一原子力発電所から80kmの範囲内の地表面から1mの高さの空間線量率、及び地表面に沈着した放射性物質の汚染状況
※米国DOEにおいては福島第一原子力発電所から60kmの範囲内、文部科学省においては60~80kmの範囲内についてモニタリングを実施。
一番外側の円が80kmであるが、当然300kmの南足柄市はもちろん入っていないし、首都圏の数値も不明である。
気になる情報はある。
民主党の岡田克也幹事長が南相馬市を訪問した時の様子である。
http://www.youtube.com/watch?v=NKfaCdLac8M
岡田氏が完全防護姿で、手袋をしたまま握手をしているのに対し、握手の相手方の地元の人は無防備である。
この違いが、リスク情報の違いを反映したものでないことを祈るが……。
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